ガラリと変わる

夕べは父の介護用ベッドで寝てみました。寝心地を確かめたくて。なかなか快適。夜中に父は2回トイレに起きたそう。足元がヨタヨタしているので2階から降りて来るのは心配、でも本人の強い希望。自分の部屋で寝たい、そこは元私の部屋。朝6時、母が山ほど作っていたおでんと、きんぴらゴボウを食べます。でもまだまだある。父も自室から降りてきて介護用ベッドでカステラ2切れ。

 

すぐにベッドに横になった父は「はーあ、こんなになると思わんやったなー」と、悔しいような諦めたような声。私の今日の使命は、PCR検査(介護士さんたちと接するときに、受診が必須だそう)と、WiFiゲット。どちらにしても我が家にはWiFiが無いので、ひとまずスタバへ。「行ってきまーす」と言うと、「はーい」と父の声。スタバで、少しだけ仕事をして(今日は仕事が手に付かないだろうと有給休暇をもらっていた)、無料PCR検査の予約(今日までが無料だった、帰省したひとを対象に空港で)、WiFiのレンタル先を調べます。

 

家に戻ると、母から風呂場のスダレを交換してくれと頼まれます。そう、昨日の夜風呂に入ったら、開けっ放しの窓からボロボロのスダレ越しにお向かいに新しく建った家の2階が丸見えで、中腰でシャワーを浴びたっけ。我が家は常にどの窓も全開の家なので。「ついでに、裏のゲジゲジした草もこれでチョンチョン摘んどって」と渡された剪定用ハサミ。よくわからない、ゲジゲジした草は胸まであるほどの高さ、しかも固くて、ゲジゲジした実が洋服にくっつく!汗だくで与えられた任務を遂行します。母は家の中から「お姉ちゃーん、もういいよ、もう空港行かな」とか声を出すだけ。

 

再び、七隈線に乗って、天神で乗り換えて空港へ。持参したノートパソコンのEチケットで帰省したことを証明して、身分証を出して、検査。

f:id:monna8888:20210930103334j:plain

壁に、レモンと梅干しの写真が貼ってあるから助かる。

f:id:monna8888:20210930103337j:plain

唾液を1.5センチくらい、出し続けて、提出します。地下鉄に乗って博多駅まで。WiFiを1ヶ月レンタルします(1万円)。1ヶ月持つといいな、途中で返却するだろうなとか思いながら。

 

また地下鉄に乗って帰って。これまで母は、帰省したときに私や弟を地下鉄やバスに乗せることはありませんでした。必ず送り迎えしてくれていたのに。それがもう、地下鉄で行ったら?と言うということは、母はもう年寄りになったんだなということ。

f:id:monna8888:20210930124203j:plain

家に戻ると、母と父が育てているメダカが出迎えてくれて(これは一部、、、狭い庭のあちこちにメダカの鉢が置いてあって、玄関にも、、、)

f:id:monna8888:20210930124214j:plain

母が日頃から電話で言っていた「町内会の役員やけん」の言葉どおり、何だかよくわからない役員の札があって。

 

「ただいまー」と帰ると、父はベッドで寝ています。PCRで梅干しの写真見ながら唾液出したなどと母と話して笑っていると、寝ているはずの父がニコッとしています。寝てるフリで聞いてたのかな。私がウエストのうどんを食べたいと言ったからか、昼食はウエストのうどんをお持ち帰りして準備してくれていました。肉うどんと、丸天。2人前を3人で分けます。母は、自分は大きい丼で一人前、父と私のうどんは小丼で同じ量にしているので「お父さんの、こんなに量あったら食べる氣失せるやん」と私の丼に移して減らしていると「俺の氣持ちをよくわかってくれとうな。いっつも多過ぎるっちゃん」食欲のあるひとにはわからないだろうけど、食欲無い派からすると多すぎる食べ物はウッとなるのです。父は少ないうどんをちゃんと食べてくれます。

 

昼過ぎ、父が顧問をしているという会社の社長と社員の方が2人で来てくれました。「ようこそお越しくださいました、こんなところまで」と挨拶、父が「娘」と言うと社長が「よかったー、またヨカ女つかまえたかと思った」などとおべんちゃらを言ってくれます。が、同時に父の女好きはどこまでも伝わっているんだと恥ずかしくなります。やれやれ。

 

顧問と言っても、ボランティアのようなものですが、赤字だらけで潰れかけていた会社を立て直したらしく、お二人はとても感謝してくれています。誇らしげでたまらない表情の父、部屋を出ても笑い声がいつまでも響いています。

 

その後で、銀行の方がいらっしゃいます。父の預金や株、貸金庫をすべて母名義にする作業。担当の方も、寝たきりの父を相手に懸命に仕事なさっているので胸打たれます。父が株をやっていたのは知らんかった。損しているようです。

 

皆さんをお見送りした後で、父は急にくたびれたのかベッドに横になって寝ています。すぐ後ろで心配した親戚からの電話を取った母が葬式の話しをしているので、父にこっそり「デリカシー無さすぎやね」と言うと「いっつもあんなよ」と笑っています。それでも、どんどん苦しそうになってきたので、処方されている眠り薬を飲ませます。うつらうつらするだけで熟睡できないよう、身体の向きを頻繁に変えています。

 

夕方、目を覚ました父が「お前にうまいもん食べさせてやりたかったなあ。アラカブの刺身は?うまいぞ」と言われて母とイオンへ。私が帰省前に、いつもの3枚の赤パンを持って帰ったら母から馬鹿にされると慌てて買ったユニクロのパンツ3枚は、どうにも歩いているとズルズル下がってきて困っていると言うと、母はイオンのパンツがいいよとオススメしてくるのでそれも買います。(いえ、買ってもらいます。帰省すると母は私に絶対に財布を開かせません。どんだけ貧乏と思われているんだろう)

 

家に帰って、父は日本酒を4センチ、私は缶ビールをたくさん飲みながら夕食。イオンで買ってきた寿司一貫と、白和え、アラカブの刺身を1枚食べてくれました。私は母が大量に作ったおでんも、きんぴらゴボウもアラカブ刺身も食べてみせるけれど食欲はゼロ。全部ひと口ずつしか入りません。それでも、夜の薬を飲んで、水分もちゃんと取ってくれて今日も二階の寝床へ。昨日、弟が「もっとお父さんと話ししとったらよかったなーって言いよったよ」と言うと「ケッ、電話もしてこんくせに」と言っていたので弟に電話してあげてと伝えていたところ、電話がかかってきました。父大喜び。私は父の部屋を出ます。

弟から電話があった後、一階に電話があって、弟から電話があった!と呼び出されたので、父の部屋に行きます。どうやった?と聞くと、大した話しはせんけど、とうれしそう。そのままベッドサイドで、「お父さんが手術できんやったとき、身をそがれるほど悲しかったのは、お父さんがカッターナイフの使い方から線の引き方、のこぎり、墨の擦り方、包丁の研ぎ方、ボクシング、自転車、腕立て伏せや穴の掘り方、全部教えてくれたけん、私がお父さんに教わったことでほとんど出来とうけん辛かった」と言うと「そうや?ほとんど覚えてない」とのこと。「じゃあ、また明日会おう!」と言うと「おう、また明日」「お休み」「おやすみ」

 

私は一階の昼寝布団に横になります。弟に「父大喜び」とメールすると、すぐ返事があって「良かった。そんなに喜んでくれるんやね。そうは思ってなかったから、教えてくれてありがとう。なるべく電話するようにする」とのこと。私と父はものすごくお喋りするので弟と父の関係性には目をつけてなかった!弟はそんなに父と会話していなかったのか?と驚きながら眠ります。


夜中、ドーンという音がして目を覚ますと、父が二階から降りてきて、トイレに入っています。大丈夫?と外から尋ねると、どうやらトイレが間に合わず汚してしまったからと母を呼んできてと言われて母を起こしに。母はパッと起きて紙パンツを替えてやったりしています。

 

もう今日は、一階で寝たら?と言うと素直に介護用ベッドに横になっています。「はぁ、はぁ、こんななるとは思ってなかった。辛い、辛い」と苦しみ始めました。息も荒くなって、もう身体を捨てたいと言っています。身体をさすると、私の手をギューッと握って目をカッと開いて何かを訴えかけようとしてくれます。落ち着くと、口をぽっかりと開けたりして、寝たきりの老人の風情。母が熱を計ると39度。母が熱冷ましの座薬を入れて、ケアマネセンターに電話。2時間後に熱が下がらなかったら、座薬をもう一度入れてくださいと言われています。母も私も眠れず、2時間後に座薬を入れてもなかなか熱が下がらないものだから、ケアマネさんに電話、朝の4時に来てくれました。ひと目見るなり、すみません、もうちょっと早く来たら良かったですね、と脈をとったり心臓の音を聞いたりして、在宅医療の先生にも電話して指示を受けて、熱を下げる筋肉注射を打つことに。夜中に来ていただいたことに感謝しながら、朝まで看病します。明け方ようやく、熱が下がり始めていびきが聞こえてきたので私は2階の父のベッドで仮眠を取ります。

 

PCR検査結果は、陰性とメールが届いていました。

長くない

朝、TPが1時間も早起きして、出勤前に私を駅まで見送ってくれました。「でも、案外長くないと思う」と言うと「そんなこと氣にせんで、できるだけ長くいい時間を過ごして」手を振って分かれる交差点、涙ちょちょぎれながら空港行きのバスへ。

 

f:id:monna8888:20210929071100j:plain

お腹が空いたので、コンビニでサンドイッチを買って食べます。「父はサンドイッチが好きだったな」とか思いながら。(まだ死んでないのに)

f:id:monna8888:20210929085012j:plain

空港で、飛行機に乗り込む時も「父は膀胱全摘手術を受けたら障害者申請をすることになっていたな、そうしたら機内に優先的に乗り込めたな」とか(まだ死んでないのに)。3席の座席の通路側で、残りは空席。いつの間にか横になって眠っていました。

f:id:monna8888:20210929103000j:plain

コーヒーをサービスされて、寝るのは構わないのでシートベルトだけ、ゆるく付けておいてと客室乗務員の方に優しく言われてまた熟睡して、目が覚めたら福岡!!!!!!!!!

 

福岡の景色が見えた瞬間、そして着陸した瞬間。父のことが心配で一度も食欲がわかなかったけれど、福岡の地面に自分が着地した瞬間に「うどん食べたい」と思いました。福岡のおうどんを。そして、もう何があっても大丈夫、そう思います。

f:id:monna8888:20210929114317j:plain

母が昨日「空港でPCR検査受けれるって」と突然連絡してきたものだから。到着後、すぐにPCR検査場に行ったら予約しないとダメって言われて。途方に暮れて歩いていると、迎えに来てくれた母と合流。(あ、背中の曲がったお婆さんになっとう)駐車場まで歩きながらも「コーヒー飲む?」とスタンドでコーヒーを買いながら、かかってきた電話に出て「そう、もう長くないみたい。でも娘が帰ってきて」みたいに涙ぐみながらもお会計する母。

 

家に戻りながらも「看護師さんに来てもらった。お父さん、辛そう」ダダ泣きしているし私も泣きます。「お父さんがさ、夜、辛いけんさっすてくれて言ってずっとさすったら、迷惑かけてごめんね、ありがとうとか言うんよー」と母号泣。ごめんってことないよー、いくらでもさするよとか言って号泣しています。「お父さんが手術できんて聞いてから、食べたものも戻すし、字も書けん」と言うので「私も、手術できんやったって聞いてから、字も書けんくなって、ご飯食べても吐いて」と言うと「へー、あんたは強いから泣かんと思っとった、◯◯(弟)は泣き虫やけど」とか言われてちょっと驚きます。私も泣き続けていたのに、母の中の私の評価って…ひどい!

 

久しぶりの実家。「ただいまー」と帰ると、「おかえり」と言ってくれる父は熱があって、介護用ベッドで、看護師さんに介護されながら「ふう、ふう」と荒い息をしながら「こんなに辛いもんとは知らんやった」と癌のことを話しています。「もう、日に日に悪くなると」と、3日前から、どんどん体調が悪くなって来ていることを教えてくれます。「そりゃそうやろ、お医者さんも匙投げるくらいやけん」「そう、ポーンと投げられて、放り出された」と辛そう。それでも熱を冷ます注射を打ってもらって、ちょっとは楽になった様子。「お前に、うまいもんを食べさせてやりたい。とにかくうまいもん食えよ」などと。でも私は食欲ナシ、でも痩せない、不思議。

 

私は、ワクチンをまだ打っていなかったので母からバイキン扱いされていて、母が電話してくれたワクチン接種を受けに、ひとり、地下鉄に乗って、天神からワクチン接種会場までのシャトルバスに乗ります。以前なら母は絶対に車で送ろうとしてくれていたけれど、母ももうお婆ちゃんなので「地下鉄で行ったら」とか言って。

f:id:monna8888:20210929133513j:plain

七隈線。だーれも居ない。平日の昼間。

f:id:monna8888:20210929133938j:plain

天神までのたった22分の長いこと。

f:id:monna8888:20210929141838j:plain

運良く、市役所前からのシャトルバスにすぐ乗れて、ワクチン接種を受けに。結構な人数が、接種会場には集まっています。どういうわけか、問診票を書く時にニッカポッカを履いたおじさんから「ここは署名するの?」「今年は2021だよね?」とか色々質問されて、偶然同じ列に並んでいるうちも「フリガナ、書いてなかった」とか言うので私もボールペンを貸したり、「1回め?俺は2回め。2回めの方がきついって言うよね」とか話しかけてくれるので、そうですねーと答えたり。大きい会場で、20列くらいあるけれど誰もお喋りしていないので、私とそのおじさんとの会話が周囲に響いていますが、こっちは父が余命1〜3ヶ月だし、怖いものナシだから、話しかけてもらえたら、私もちゃんとお喋りします。「注射、痛いですか?」と聞くと「?うん?いや、痛くないよ。でも打った後が痛い」とのこと。サンキュ、パイセン。

 

パイセンがまた振り向いて「来年あたり、3回め打たんといかんかもね」と言うので「あー、確かに!」とか答えて。お陰で数十分間の待ち時間を、退屈せずに過ごすことができました。

f:id:monna8888:20210929152424j:plain

福岡の空は広い!サンフランシスコのように。休憩して、接種会場でお喋りしたパイセンは60代のチェックボックスにチェックを入れ忘れたと言っていたっけ、そのおじさんが自転車で颯爽と家に戻っている姿を見ていると、父はもう自転車に乗れないんだなと思ったりします。

f:id:monna8888:20210929155410j:plain

帰り、シャトルバスまで35分も時間があったので、歩いて別のバス停を探します。汗を拭き拭き、たまらない氣持ちで。行きのシャトルバスから初めて見た、黄色い、長〜いバスに乗れて良かった。

f:id:monna8888:20210929160605j:plain

天神の地下街の美しさ。福岡県民の自慢です。

f:id:monna8888:20210929164331j:plain

元々、七隈線は私が福岡で暮らしていた頃には無い地下鉄。当時、地下鉄開通の署名集めに来たお婆さんが「15年後に開通します」と言って私も署名したけれど、このお婆さんは15年後には生きていないだろうと思ったりしたっけ。

 

そこからは、父はまだ介護用ベッドでふぅふぅ言っていて、私にうまいもん食べろと言っても食べたくなくて、母が2日前に作ったというおでんを温めて少し食べるだけ。私にビール飲ませろと父が言って、母と車で買いに出かけて。

f:id:monna8888:20210929214027j:plain

ビールを買って戻っても、父は辛そうで。それまでもWiFi借りにヤマダ電機行ったり、父の熱が高いからと別の看護師さんが来てくれたり、大忙し。ヤマダ電機ではWiFiは借りられず、母は「着信音が、前はSMAPやったのに勝手に変わってしまった」とお婆さん丸出しで売り場の青年に着信音を変えてもらったりしています。まじで迷惑なババーだな、とは言いません。

f:id:monna8888:20210929214642j:plain

夜、ひとりで近所を散歩します。今日は初めて父に紙パンツを履いてもらえた。尿が自然と漏れてしまうのに紙パンツを拒否していたそう、それでも寝ると言う父に、心配やけん念のため履いとってと言うと素直に履いています。たっぷりとお喋りをして、母もわけのわからないことを色々言っていたっけ。父から「お前、遺産はいくら欲しいか」と言われて、「いらん」と言うと「いらんって言ったら、行って返って面倒になる」と言うのでコンビニまで歩いて「どうせ大した額じゃないだろうに、何であんなこと言うのかな」と考えた末に、母50%、残りを弟と私で2対1がベストだな、そう決めます。私はもう嫁に出た身だから。

 

TPに電話。思ったよりも長々と私の家族のことをズルズル喋ってしまう。すまん。ま、でもそんな長くないけん、勘弁してくれよ。

弟の誕生日

今日は弟の誕生日。おめでとう、 健康でいい一年になりますようとメール。ありがとう、いい時間を過ごしましょうと返信。

 

修行場に出社してみたものの、ちょっとサインするだけのことも、ボールペンをまともに持てない感じで字が書けません。お腹が空いたのでスンドゥブチゲを食べに行ったものの、帰りのトイレでゲーッと吐いてしまう始末。ちょっと普通じゃいられないので午後の予定を全てキャンセルして、チームの人々にも引継ぎをして、午後休をもらうことに。私は過剰過ぎるのかも知れません、父の死ということについて、誰でも通る道なのに。ドラマ?これがメンヘラってこと?大げさにするなら、発作的に通勤の電車に飛び込もうかという感覚。飛び込まないけど。

 

家に帰っても、明日から帰省するのに何も手に付きません。畳の上で寝転がっているだけ、死体のように。

 

TPが仕事から帰ってきて、ごはんの炊き方などを教えたり。我が家には炊飯器が無いので鍋で炊く方法を。そして、涙をダラダラと流しながら荷造り。それだけのこと。

 

 

全部流す

在宅で、修行を重ねようと思っても。涙がダーダー流れますが、それはさておき。世の中の常として、大方のひとが親を途中で失う、もしくは最初から親がいないと思うけれど、親を失ってもなお、よく世の中の人たちが生きているなと改めて尊敬します。ただし、今私はホヤホヤだからそう思うだけで、失ってみたら「そんなの、大したこと無い」とか思ったりするのかも知れません。それでも、涙流しっぱなしでも誰にもばれないのだから、全部を流しておきます。

 

仕事を終えて父に電話。「もう帰ったんか」「いや、今日は在宅よ」「…」喋るのも、きつそう。ホスピスとか、介護用ベッドとか話題に出て。とにかく、退院したらしい。「匙を、ポーンと投げられた」とのこと。6万円払ったと言っています。「踏み倒したら良かったのに」と冗談を言うと「本当よ、手術するって言って、失敗したからお代はいただきませんとか言うかなと思ったけど」お医者さんたちも、こういうひとたちがたくさんいて、大変だろうな。よくよく尋ねてみると、開腹したのではなく、穴をいくつか開けてロボット手術しようとしたけれど手遅れだった、みたいです。

f:id:monna8888:20210927195511j:plain

夜、TPに何が食べたい?何でもいい、今一番食べたいものは?と尋ねると、鶏南蛮、そんなのできんよね、聞かれたけん答えただけとのこと。よっしゃ。冷蔵庫にある豚肉と、ナスとピーマンを揚げてみましょう、そして、つゆをたっぷりかけて天丼にしましょう。おいしいったらないでしょう。

鬼滅の、アニメを全部見た後でテレビで録画しておいた映画版を観ます。アニメのすべてが集約されていて、昇華された映画、これを、小学生とかが観て受け止めていたならまだまだ希望はある、と感じながら。面白いとか感動するとかを超えて、とにかく笑える、人生はコメディーで乗り越えられると言っているような、そんな、鬼滅。

お喋りしよう

TPと朝散歩へ。どうして、その街に宿泊するとまるで自分の庭のように感じるのでしょう。

f:id:monna8888:20210926064354j:plain

私のアメ横

f:id:monna8888:20210926070914j:plain

私の不忍池

f:id:monna8888:20210926071618j:plain

ベンチに座って、鴨や鯉など眺めたりします。もう、上野という場所は私の庭みたいなもん。負けない。

f:id:monna8888:20210926073839j:plain

ピーポくんがこんなに張りきっとう姿初めて見た」とTPが言うので写真を撮って。

f:id:monna8888:20210926075018j:plain

ドーミーで朝ごはん。お粥は不要だった><

f:id:monna8888:20210926115346j:plain

駆け込みで大浴場に入ったり、二度寝三度寝したりしてチェックアウト。下町風俗資料館へ入ってみます。「東京に住んで25年になるけど、今まで一度も入ろうと思わんやったね」「やっぱり泊まったら、感覚変わるね」とか言いながら。

f:id:monna8888:20210926115730j:plain

入ったところで、ほぼ我が家みたいな。

f:id:monna8888:20210926120050j:plain

下関のじーちゃんばーちゃんちで、通った駄菓子屋風な展示も。

f:id:monna8888:20210926120422j:plain

小さいと、何でも可愛く見えます。

f:id:monna8888:20210926120628j:plain

やばっ。老夫婦見かけたら涙出る。

f:id:monna8888:20210926134601j:plain

昼ごはんは、上野のデパ地下で買った天丼。エビが2匹も!おいしい!

夕方、父から電話。「食欲がない」と言うので「私も」と言うと「何で」とのこと。「そりゃー、お父さんの病氣のこと考えたら、身体の一部がもぎ取られるよう」と後半は声にならず。「ほう、それはごめん。ごめんな」と言うので「それはいいっちゃけどさ」とか言っちゃって。「とにかく、お父さんとはまだまだいっぱいお喋りしたいけん」「そうやな、お喋りしよう、下らんこといっぱい喋ろうや」「そうしよう」「酒、飲めたらいいけどな」などと言い合います。母に電話を替わると「私さあ、お父さんに、あの世があったら合図してって言った」とのこと。そうそう!私も合図して欲しいと思っていたので。私は、デコピンしてもらおうかと思っています。

そんなこんなで、とにかく父は私が帰って来るのを楽しみにしてくれているようだし、母は私が帰省したときに家が散らかっていたら発狂するからと、せっせと片付けてくれているらしい。後で母にメールで「冷蔵庫の中の賞味期限切れのものを捨てておいてもらえると助かります」と送ると、返事ナシ。どうやら、得手不得手があるよう。母は私のことを疎ましく思いつつ、帰ったら一緒に遊びに行けると楽しみにしてくれている様子です。

すまん

リュックに荷物を詰めて、TPと出発!上野へ。

f:id:monna8888:20210925114635j:plain

老舗というトンカツ屋さんで昼食。お値段以上、ではない感じでうぅとうなります。

f:id:monna8888:20210925123358j:plain

今日泊まるドーミーに荷物を預けておいて、手ぶらで散歩をします。上野に空き地。トタンの壁が時代を感じさせます。

f:id:monna8888:20210925125741j:plain

TPと会話していて、上野、日本橋秋葉原、東京駅あたりの地図が頭の中でつながっていないようだったことに私は上から目線で「上野の先は鶯、その先が日暮里!手前が秋葉原」しっかり覚えて欲しいわ!と、山手線沿いに鶯谷?鶯町?とにかく、日暮里まで歩きます。

f:id:monna8888:20210925131133j:plain

通ったことの無い道を歩くことは、無常の喜び。

f:id:monna8888:20210925132429j:plain

途中で銭湯を見つけて、今度絶対来ようと思います。

f:id:monna8888:20210925132655j:plain

TPが地図で見つけて行きたいという子規庵へ。享年34…父はその倍以上生きているからな。

f:id:monna8888:20210925135545j:plain

夕やけだんだんへ。私が血まなこで探して禁断のアマゾンで大人買いした蓋付き陶器が、店頭で売られていました。

f:id:monna8888:20210925144337j:plain

たっぷりと日暮里を散歩して、幸田露伴の住居跡へ。享年79。父よりは年上だな。

f:id:monna8888:20210925142330j:plain

趣のある裏道を歩き回って、電車に乗って上野駅に戻ります。

f:id:monna8888:20210925150838j:plain

ドーミーにチェックインしたところ、ドーミーのお隣りのお隣りから煙が上がっていると、消防車が何台もやって来ましたが、何事も無かったようで安心します。

f:id:monna8888:20210925151258j:plain

かわいいサイズのお部屋。どうぞよろしくお願いいたします。

f:id:monna8888:20210925185255j:plain

大浴場に入って汗を流して、上野アメ横へ。

f:id:monna8888:20210925185522j:plain

賑わっています。

f:id:monna8888:20210925192025j:plain

焼き飯が有名だという店ですが残念ながらごはん売り切れで、

f:id:monna8888:20210925192429j:plain

焼きそばと餃子を注文します。おいしい!

f:id:monna8888:20210925195431j:plain

歩いて、上野駅まで。私が発作的に決めた帰省は、父の寿命が長ければ長いほど、TPとの生活が再開できません。父を看取ることも、父はそのうちに、おむつしたり怒鳴りつけられたりすることもあるかも知れません。不安でいっぱい。TPも家に帰ってかわいい妻(自称)がいないことで、寂しい思いをさせることになります(自分調べ)。ごめんね、と言ってみると「俺のことは一切心配せんで、大丈夫やけん。お父さんとなるべく長く、いい時間を過ごして。安心して」とか言ってくれちゃって。すまんな。人生の一頁、誰もが通る道、そう何度も自分に言い聞かせています。

 

ピザ、旨っ

今日が在宅勤務でよかった。ふとした瞬間に目がうるんだり、どーんと落ち込んだり。そして、仕事があってよかった。全集中で一瞬忘れられたり。晩ごはんは、食欲もないし何もしたくないので宅配ピザ。「食欲ないけんTPほとんど食べて。私は2切れで十分」とか言ったものの、一口食べてみるとびっくりするほど美味しくて、うめーうめーとバクバク食べ続けます。こんなに美味しかったっけ?ピザ。

f:id:monna8888:20210924195832j:plain

何だか何をしても何を見ても、身体の一部がもぎ取られたような感覚。勤務時間が終わってすぐ、父に電話。「もしもし、ご機嫌伺いです」「ご機嫌か、あんまり良くはないな。あ、そうや、個室から大部屋に移ったと。もう匙投げられた」「大部屋って眠れると?」「8時半には寝るよ」などと。「〇〇(弟)が、10月に帰るってよ。それまでおられると?」「もちろんよ」「おう、ありがとありがと」間が空いたので「最期までお付き合いしますよ」と言ってみたけどそこは無視している感じ。「三途の川を途中で降りて帰って来られたらいいのにな。でも高速船で渡ることになりそうやし」とか言うので涙がツーッ!もうやめてやめて、泣かせんといて。「泳いで戻れるように、プール通ったら」と言うのが精一杯だよ。あとはいくつか、面白くないオヤジギャグを言っていましたが忘れた。

 

夜、仕事から帰って来たTPと話して、そうだ!明日はドーミーインに行こう!と予約。ダラダラと泣いているより余程良いでしょう。人生を謳歌しよう!泣いて笑って喧嘩して〜どっこい生きてる〜!

家族劇団

朝起きると、瞼がまんぶくれに膨れています。うふふ。

f:id:monna8888:20210923083248j:plain

はまの屋パーラー風オープンサンドを食べて。父から電話。「おはよう。今日は休みやろ?」どうやら病室にレントゲン機が持ち込まれてレントゲン撮られたとのこと。何かの資料用?そして、身体中にあった、点滴やら何やらの管が抜かれてよかったーとのこと。「管だらけで面倒くさかったー。抜いてくれって言ったと」良かったねーと答えます。「帰って来るってね」と言うので「うん。会社に許可もらって。ちょうど在宅勤務しとったけん、帰れることになって、運が良かったわ」「そりゃ良かったな、運が良かったか。これからは幸運なことを探してこ」と言うので笑います。「でも、TPには申し訳ないけどね。家に帰ってお喋りする相手もおらんで」と言うと「よかろうもん!ちょっとの間だけ我慢しとってって言って」と、自己中心的な父。TPはずっと、いつ自分も父に会いに帰省しようかと考えてくれています。ワクチン接種後がいいかなとか、泊まったら悪いかなとか。思いやりのあるTPにまで、あれこれ氣を遣わせてすまん!

 

鬼滅の刃」、ネトフリで観始めています。TPが観ようと言ってくれたのに、どういうわけか、私には甘すぎるような幼稚すぎるような、何より、自分の中の拒絶反応がものすごく湧き上がってきてTPにも八つ当たりする始末、それが、TPが見ながらプッと吹き出して笑っていたり、かいつまんで説明してくれたりするようになり、しれっと途中から合流して大笑いして(ギャグが最高)、もう一本観よう!もう一本!と、今では自分が見つけてきたコンテンツのように見続けています。つくづく面倒くさい人間でごめん、TPに心で謝ります。

f:id:monna8888:20210923125353j:plain

TPと、リンガーハットへ。

f:id:monna8888:20210923125454j:plain

TPは麺二倍!食欲旺盛なのは何より!

f:id:monna8888:20210923132236j:plain

先日、私ひとりでじっと眺めた新しいビルの建設現場。「門がひとりで見たって言って、ちょっと嫉妬しとったと」と言うので、ベスポジを案内します。

f:id:monna8888:20210923132457j:plain

「すごかろ?こんな巨大な建物」

f:id:monna8888:20210923195716j:plain

沖縄出身の同僚が、青パパイヤをくれました!「もう、実家からジャンジャン送ってきて、毎日しりしりして食べてるんですけど、食べきれなくて」と。「ありがとう〜!Mさんからパパイヤの話し聞いて、食べたいなーと思ってたとこ」と有り難く頂いたもの。

f:id:monna8888:20210923201153j:plain

しりしりして、晩ごはん。パパイヤがこんなに新鮮で、調理しやすくて美味しいものだとは!これからはスーパーで見かけたら買おう。来週、水曜日の福岡行き航空券を予約しました。片道。片道ってところにどうしてもまた泣いてしまう。困ったもんだ。弟にチケット取った、最期までおることにした!とメールすると「そうしてあげて。先週くらいにふと、父ともっといろいろ話しとけば良かったなぁ。と思ったところだったから、なるべく悔いのないように過ごしたいと思う」とのこと。WiFi無いけん氣をつけてと言うので、ルーターは電氣屋で買うつもりやけど、そもそもプロバイダ契約してないもんねと返信すると「ちょっと調べてみるよ」。すぐに光回線の契約を済ませてくれました。弟よ…どうやら実家は、子どもの頃は争いばかり、誰もが秘密主義で、愛人借金非行家出恫喝借金取放置慰謝料などなどなどで家族っぽい家族じゃなかったのに、このところ家族っぽい感じになって来ています。家族全員でお芝居しているような感じ。家族劇団。