歴史に残る


二日酔いを無視して出勤。社内のドリンクマシンで緑茶を取っていると、「あれ?火事?」の声が。窓の外を見ると、黒煙がもうもうと上がっています。親分が屋上から見ると言うので、当然子分もお供します。途中で会った掃除のおばちゃんにも「火事ですよ」と声をかけて子分は3人に。モクモクと広がる黒煙をいつまでも眺めます。

やがて鎮火して安堵、帰りに高級そうで高級でないスーパーに寄ると、マグロの解体ショーが行われています。赤身は好きじゃないのよね、と冷めた目で眺めていると、なんだかマグロの解体のすごさ、背中からガバっと外されて中骨もベゴっと解体されて、やがて大トロ、中トロ、赤身と鮮やかな手付きで刺身の冊に切り分けられて、すっかりポーッとしちゃって氣づいたら大トロ2,800円、すし三種盛り(大トロ、中トロ、赤身)2,500円を買い物カゴに入れて会計をして早く家に帰ってTPに見せるのが楽しみでならない、小走りで帰宅します。

TPに「これ見て!1時間もマグロの解体見たと。それでこれ、大トロ!食べよう」と興奮して報告、ふたつで5,000円以上!と目を丸くしているのを「たまにはいいじゃーん!」と押し通して夕食。

私はこれまで知りませんでした。解体したてのマグロを食べると、一日の疲れが全て吹っ飛ぶということを。そして、口の中が天国になるということを。この種のしあわせは初めてだ。これを知ってしまったらもう、元には戻れないかもしれない。歴史に残るこうふく体験。