３日目、ＴＰの誕生日。朝起きて、あ、誕生日旅行だったと思い出し、ハッピーバースデーを唄ってあげました。どうやら、いよいよ年齢の重みを感じ始めたとのこと。今日もてくてくと歩いて平城京跡からスタートです。あら？イメージよりもずいぶん地味。土地のパワーを感じたいけれど、何もない？私はさっさと次へ行きたいのに、ＴＰは何かを感じているように、ゆっくりゆっくり歩いていました。電車に乗って唐招提寺、鑑真さんの眠る場所だそう。全てが素晴らしい配置、苔のつややかなこと！千手観音さんの鈴模型を買いました。すぐ側の薬師寺、こちらは如来様たちのたおやかなこと！Ｋさんに教えてもらったお寺です。先日読んだばかりの「木のいのち木のこころ」にも出てきた金堂と三重塔に心で脱帽しました。バスに揺られて最後の大物、法隆寺へ。デヂカメを立ち上げると、お目当ての五重塔を写真に撮ることができました。塔の中には、お釈迦様の一生を彫った白い洞窟のようなものが。そして金堂には飛鳥時代の細いお顔のお釈迦様が。しかし奈良も時間切れ。日も沈みかけています。裏の宝蔵院で百済観音様に胸を打たれて、退場しました。
駅までの道、私はもっと法隆寺に時間をかけたかったのに！とＴＰと小競り合いをしながら、リュックを背負って離れて歩く住宅街。法隆寺駅前の喫茶店でエスプレッソダブルを飲むと、だんだんと機嫌が治り、電車で奈良を後にします。大阪に着く頃、隣りの人にそっと「新大阪へはどうやって行くんですか？」と尋ねると、その周りの別の４組がああでもない、こうでもないと教えてくれました。
たくさんの仏像たちに出会って、たくさん歩くことができるって何とありがたいことだと、しみじみと感じた奈良旅行でした。
