ゴヤに圧倒されて

monna88882013-10-23

朝起きる直前に、スペインを旅行しているなぁと思っていたら目が覚めて本当にスペインで驚きました。窓を開けると中庭に洗濯物がいかにもヨーロッパ風に干してありました。まずはチュロスに濃厚チョコをたっぷりつけて食べる朝ご飯です。物乞いの人が紙コップを持って、お金を集めに回ってきます。


  


デルソル駅前に出てみます。TPは大道芸の人から「カワサキ!」と呼ばれてジーパンのスソからハンカチなど出されて笑いを誘われています。生ハムを挟んだパン、1ユーロ。両替所で換金すると、179円!!!震え上がるほどのユーロ高に3時間ほど重たい氣持ち。


  


今日の宿も決めました。52ユーロ。ロビーの無料パソコンで試しに自分のブログを覗いていると、優しい受付の女性が、あなたはジャーナリスト?と言うので驚いて口がパクパクしました。一瞬、自分がジャーナリストになったかのような妄想。リトルボコボコで沸かしたお湯で飲む日本茶、ホッとします。身軽になって散歩すると、どこを見てもどこまで見渡しても、凝った彫刻のビルや建物が延々と続いて、続いて、続きつづけているので呆然とするしかありません。駅前では若者たちが何かのデモをやっています。


 


プラド美術館まで歩く。たまには地下鉄に乗りたいのに、なぜか歩かされる。何と言っても1ユーロ179円だったからでしょうか。常設展だけを3館見られる2日券を買って入ってみると、TPは1枚目の絵からじっくり、ゆっくり、亀のような歩みで感激しながら見入っています。宗教画が続いて、二階に上がるとフェリペ家という家の人たちの絵。3階に上がるとどこかから運ばれて来た古代建築が移築されていました。ひとりでさっさと進んだけれど、お目当ての絵が無いので受付の人に尋ねると、何とまあ!今見ていたところは新館で、メインの本館があるというのです。TPを探しに戻るとまだ一階にいます。ちょっと、まだこの先に、まだまだ、まだまだあるよ。そう伝えるとフェリペ家を競歩の速度で回って戻ってきました。ちょっと外へ出て缶ジュースを飲んで休憩。そしていざ、本館へ。


どーんと大きな絵、圧巻です。そのうちのひとつ、革命を描いた大作の前で動く事ができなくなりました。何だこれは!と作者の名前を見ると、ゴヤ・・・ゴヤゴヤさん。そこからゴヤさんの作品ばかりが飛び込んで来て、涙がにじみます。もし誰もいなければその場に突っ伏して泣きたい。いくつもの小部屋、ルーベンスさんやらもたくさん、たくさん、たくさんあって小部屋からしか上がれない階段もあって、歩いても歩いても歩いても。途中でイタリア人観光客の団体とすれ違うと、全員が私より背が低いので驚きます。そして、ゴヤゴヤゴヤ。打たれて打たれて、打たれ続けて。閉館ギリギリに外へ出るととっぷりと日は暮れています。タラのフライを食べて、パエリヤ(びしゃびしゃタイプ)も食べて、店選びやら寄り道の通り道やらでTPとケンカしたり好き勝手に絵の感想を喋ったり、ベンチに座って何かに激高して警察官まで呼びつけているおじさんを観察したり。


今日はゴヤ以外に何をしていたんだろう。素敵な小道!と吸い寄せられるように入って行って、即乾タオルを指差しで買ったっけ。4ユーロ。すれ違う日本人に微笑んでみたらプイッとされたっけ。どの人たちからも。それから、タラのフライが絶品だったな、それから、あまりにも邪魔になるのでネックピローをゴミ拾いの人に見える位置に置き去りにしたな・・・ZZZ・・・明日もたくさん歩くのかな・・・起きたらちゃんとスペインかな、夢かも知れないな・・・