ラオ延長戦

monna88882015-02-22

お昼のハノイ行き飛行機までラストラオを楽しもうと、歩いて15分の市場へ行ってピアスを買ったり職場へのお土産を買ったりして過ごしました。ラオのキップは、日本で両替できないので少しだけ換金して使い切るつもりで。早めにビエンチャン空港に向かって、チェックインを待ちます。列の前の人たちはずいぶん長い間、カウンターを占拠して色々とクレームをつけたりダブルブッキングやチケットが全員分取れていないことを何とかしたいよう、後ろに並ぶ人たちのことお構い無し。ヤダネーと笑っていた私たちがまさか。まさか。職員の人から「ベトナムには一ヶ月後じゃないと入れません」と言われてもまだ、我が事とは思えませんでした。「あなたたちは今月、ハノイから出国しましたね。一ヶ月開けないと再入国はできません」と言われて、あら?これはまずいことになったと少し身体が冷えて行きます。帰りの便はハノイからですと伝えると、ベトナム大使館でビザを取るように言われます。べ、ベトナム大使館って?どこですか?後ろに行列は続いているのはわかっているけれど、カウンターに食いついて離れずに詰め寄ってみる。職員の人がこっちこっちと連れて行ってくれたところはタクシーチケットのカウンターでした。往復14ドル大使館まで。ただし1時間で戻ってくること。えー、でもビザって本当に1時間で往復して取れる?と食いついていると運転手さんのひとりが、天を見上げるようにして大きい声で「ダメだ!今日は日曜日だ!」そう言いました。


じゃあ、今日は絶対にビザは取れない。そうなると、ベトナムにビザがいるとは地球の歩き方に書いていないけれどもう一度、恥を忍んでカウンターへ行ってみます。本当にビザがないとハノイに戻れないかと尋ねると、たらい回しの末に航空会社のオフィスで「本当にビザはいります。もしくは一ヶ月空けないとだめ。デンマークとどこかとどこかはビザ不要だけれど、日本人のベトナム再入国はビザがなければ入れない」とのこと。そのオフィスのお姉さんがしっかりしていて、英語もわかりやすかったので、どうかチケットの日にち変更をお願いしますとさらに恥を忍んでお願いします。チケット発行のカウンターへ連れて行ってくれました。それでもまだ希望は捨てていなかったけれど、どうやらベトナム旧正月休暇中だから、大使館はいつ業務再開するかわからないと言います。えーっ!ビザが取れないと日時変更はしたくないという職員の人に、粘りに粘って航空券を帰国の日、2日後に仮予約を入れてもらったものの、ビザが取れ次第確定するから必ず電話してと電話番号を渡されます。

  
空港職員の人たちはみな、スマホを持っています。どうかお願いとベトナム大使館の営業日時を教えてと頼んだものの、誰もわからないし検索ってどうやるの?という雰囲氣。ひとまずタクシーに乗ってベトナム大使館へ行ってみました。案の定。営業再開は2日後と張り紙がしてあります。ただし何時に開館かは書かれていません。張り紙がしてあるだけ、良かったね〜と泣き笑いでTPと言い合いながら、帰りの航空券に間に合うかどうか不安がいっぱい、もしホテルに宿泊客用のパソコンがあれば変更予定の航空券や、大使館の開館時間を検索することができるといくつか宿を訪ねますが、ロビーにパソコンは無いとのこと。そのうちの一軒、カウンターの少年がこの近くでパソコンがある宿はないけれど、今すぐ使いたいならここのを使ってと、受付のパソコンを貸してくれました。泣きそうになりながら、帰りの便に間に合う飛行機の時間を調べます。ハノイ行きは2日後のお昼と午後だけ。そのふたつを逃せばもう、帰りのチケットを2人分正規料金で買うしかない?泊まりもしない宿の少年に心からお礼を言って外に出ると、雨が降ってきました。そして砂嵐、雷が轟いて暴風、やがて豪雨。赤い土ぼこりが舞う中、風に突き破られるガラスがガシャーンと落ちてきます。TPは昨日の宿に戻ろうと風と雨をよけながらずんずん歩いて行きます。昨日の宿はシャワー室が不潔だったからヤダーと思いながら、雨風の中を歩いて。

どこにでも歩いて行ける距離、それがビエンチャン。この宿に一生来ることはないと思っていたけれど。最後の2部屋、道路側を選んだところ、シャワー室が清潔だったので喜びます。ビザが取れるかどうかもわからないけれど、この宿には共用パソコンがあったっけ。ホッとして荷物を降ろすと、停電になりました。

外は大雨。すでに使ってしまったラオスのお金キップ。手元には水も買えるかどうかのお金、両替しようにもどのATMも停電。思わずメコン川など散歩します。すでに停電から4時間。やがて日没。少しずつ、ろうそく光が灯り始めました。しばらく歩いていると自家発電らしきATMが輝いています。お金を下ろす。ヤッター!元氣が出て飲み物を買ってホテルに戻ると宿泊者たちがカウンターに押しかけて大わらわです。ロビーでロウソクを1本もらって部屋に戻ります。その細いロウソクに火をつけようとすると突然、電氣が復活したモーター音、やがて街に灯がともって。思わず窓を開けて大きな拍手をすると、遠くの方からも大きな拍手が渦のように聞こえてきます。誰もが電氣の神様に祝福を捧げています。


復活した電氣、早速ロビーのパソコンで帰りのチケットを検索していると、この1月からベトナムの制度が変わって再入国にはビザが必須となったとあります。でも大使館の開館日はどこにも載っていない。こうなったら日本の旅行代理店を検索するしかない…パソコンに食いついていたTPとパッと目が合いました。HISがあった!?昨日歩いたときに、どこかでHISを見たよね!明日、朝イチで行こうと固く決意して、まさかのラオ延長戦に入りました。