どこまでも宇都宮

monna88882015-07-19

昨日の夜、「家に帰ったらさぁ」などとつい我が家呼ばわりしているほど馴染んだスーパーホテル、朝ごはんはバイキングにあるものをアレンジして海苔納豆卵丼を作って食べます。いざ、宇都宮市内散策へ!駅の西口からバスにのって150円、中心地まで。宿でもらった地図を頼りに大谷石を使った教会を訪ねるとTPが「ここ・・・来たことある」と言うので本当かいな?と思ってよく思い出すと確かに、来たことがある教会でした。いつだったっけな?戦争で丸焼けになっても生き残ったという大イチョウの木に頭を下げて、商店街に戻ります。


地元の新聞「下野新聞」が開いている喫茶店でお茶をします。ステンレスの新聞ホルダーが格好いい!新聞を読んでいると、あまちゃんに出ていたネギの女の子の本にまつわるエッセイがあまりにも素敵で、帰りに電車では山田詠美の「ぼくは勉強ができない」を読み返そう、そう心に誓います。どうやらこのあたりでは数日に渡ってお祭りらしく、イベントで歌うアイドルの子たちの声が響き渡っています。すぐ近くの映画館「ヒカリ座」でグザヴィエ君の映画がかかっているので観ることにして、映画まであと1時間、商店街をぷらぷらと散歩して、本屋に寄って文庫を買って、街の位置関係を頭に入れて、ここなら暮らせるかも、そう夢を見たり。


Mommy」ヒカリ座は私が生まれる前からある映画館とのこと、その年月のコクが映画館全体のスパイスとなって映画を観る前からもう取り込まれていました。そして、映画が始まるとこれはとんでもないものを観ている、グザヴィエ君の最高傑作に出会っていると興奮して、後はもう釘付けになるだけ。はすっぱな母親と、自分を押さえることが苦しいタイプ(ADHDほか)の少年と、お向かいの主婦の誰もが魅力的で、その濃厚な愛情はまるで神様に捧げているかと思うような映画でした。映画が終わって横を見ると、TPも打ちひしがれたような表情。当たり前のようにパンフレットを買うTPと無言で映画館を出てどちらからともなく「・・・すっごいいい映画やったね!」と天をあおいで、出会うべくして出会った感激、さっきまで歩いていた街がすっかり違って見えること、宇都宮旅行の最後のひとピースがはまったような感じがしたこと、圧倒されたままで夢遊病のようにお喋りを続けます。



「香蘭」は街をくねくねと流れる釜川の近く、二荒山神社に向かって左側、マロニエ通りを渡って川沿いに歩いたところの右側にありました。老舗をネットで検索したらすぐに出て来た餃子屋さんは、ラー油としょう油お酢を直接スープに入れてスープごと食べる水餃子も絶品、焼き餃子も確実な味でいっぺんにファンになりました。

二荒山神社に上がってお参りをして、餃子のみんみんに行くと長蛇の列であきらめて、旧篠原家住宅という文化財になったお宅を見学して畳に足を伸ばして、この立派な蔵のあるお屋敷で自分が暮らしているところを空想します。駅の西側にできていた餃子のみんみん支店で餃子を食べて、ふと、もうひと晩泊まろうよ!と提案します。あんなにいい映画を観て刺激を受けて、このまま電車に乗ってまたアパートに帰るんじゃ勿体ない、もうなるようになれ!どこまでも旅を続けよう!でもやっぱりもう帰ってゆっくりしてもいいかいな?餃子をお腹いっぱい食べながらTPはもう一泊しようと決断していました。

今夜は東横イン。シャワーを浴びると生き返ったような心持ち。たっぷり宇都宮を遊んだな。夜、外を散歩してみました。山から吹き下ろすような風が心地良く、いつまでもどこまでも歩いて行けそうです。