麻婆ナス春雨

朝起きると、TPがドトールに朝ごはんを食べに行きたいと言います。いいよ、そう言って眠たい目をこすりながらドトールへ行きます。

朝ごはんを食べていると、TPが戸越銀座に行こうと言います。帽子と本しか持っていなかったので、行きたくないなと思ったけれど、いいよ、そう言って電車に乗ります。山手線に乗って、五反田で乗り換えて。TPがトイレに行っている間、警備員のおじさんと、お掃除のおばさんとお喋りします。商店街は、先が見えないくらい長いらしい。自分たちも最後まで行ったことがないもんねぇ、浅草線があるよ、東横線までも歩いて行けるけど、地図がわからないと難しいよ!それにしても、この駅舎の天井は可愛らしいですね、木組みで素敵だったのでそう言ってみると、木を使うのは初めてらしいよ、鉄とかプラスチックの方が安いだろうけどね、でも素敵ですよ、などとお喋りして、戸越銀座商店街へ踏み出します。どのお店も、地元の人たちで賑わっています。とくに甘いもの系のお店が人氣なよう。お弁当屋さんにも人だかりがしています。歩いて歩いて、歩いているといつの間にか行き止まりになりました。

行き止まりの線路を左に折れて、またてくてく歩いて、山手線の大崎駅へ。TPがどうしても武蔵小杉へ行きたいと言うので、全く行きたいと思わなかったけれど渋々付き合います。ロフトとか、無印しか無いよ、そう言っても、どうしても行きたいよう。ドーンオブザデッドのようにたくさんの人が吸い込まれて行くショッピングセンターを覗くと、そこはご近所の人たちがギュウギュウに集まったデパート、ベンチもいっぱい、休憩所もいっぱい、屋上庭園もギュウギュウに人でいっぱいです。

少し歩いて商店街で冷やしうどんを食べて帰ろうとすると、TPがどうしても目黒線というものに乗って二子玉川の方に行きたいと言うので、もう限界!私だけ帰る!と言うと、TPも帰ると言います。

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学暮しの手帖だったでしょうか、書評を見てすぐに図書館で予約した本を一日持ち歩いて、読んでいました。色んな人たちが色んな暮らしを、色んな生き方をしているのがいいんだと肯定している本。他人のブログを読む姿勢で、こんな風にもっと奥の方まで行っていいんだ、そう思えるような本でした。

今日は行きたくない場所に行くという冒険をした日だったけれど、どの場所でも私は受け入れてもらえないような、ただの通りすがりの人で終わってしまったような感覚。不思議と、こんなことがいつか、思い出の中に溶け込んで、大切な一日に変わったりするのかも知れません。これまで何度もそういうことがあったから、きっとそうなるんだと思う。


晩ごはんは、TPが麻婆ナスか、麻婆春雨が食べたいと言うので、麻婆ナス春雨にしてみました。一日ご苦労さん。一日中、それほど楽しそうじゃなかった私に、よく付き合ってくれました。先日のイヤミなメールにまだ傷ついていて、明日もまだ会社に行きたくないから、沈んでいた私をよく連れ出してくれました。TPは大喜びで麻婆ナス春雨を平らげていました。