祖母の納骨

今日は、祖母の納骨の日でした。仕事に行くTPを駅まで同伴出勤で見送って、上野駅で父と母と再会。昨日電話で、あんた、明日は黒い服でおいでよと言われたけれど、持ってないと言うと白でもいいとのこと、昨日買った白いスカートを履いて行くと、母は私を見るなり、何ねそれ!夏ものやん!と言います。電車に乗ってわずか1時間。ほぼ満席の車内。斜め後ろから母が引っ切りなしに話しかけるので、あたしは身体を120度ほどひねってそのお喋りを聞き続けます。ねぇ、ホークスの目覚まし時計、弟にやるって言ったらいらんって言うけど、あんたは欲しい?ギータと今宮の声よ。いらん?他にはリュックしか選べんもん。ホークスのファンクラブの継続会員のプレゼントの話しらしい。小さい紙袋を取り出して、はい、お婆ちゃんの遺品。袋には祖母の字で「誰々さんの遺品」と書いてあります。おばあちゃんの遺品じゃないやん!おばあちゃんが誰かからもらった遺品やん!でもきっと親戚の誰かだろうと思いなおして、アメジストの指輪を右手にはめます。どなたかは存じませんが、これから一生私の指にはまっていると思います、どうぞよろしくお願いいたします。


やがて弟家族、京都の伯父伯母も合流して、お寺へ。伯父の荷物が重たそうなのでカバンをひとつ預かると、しばらくして、その中身の四角さ、固さに、ひょっとしてこれ、おばあちゃん?ひのきの箱に入ったおばあちゃんがいつの間にか私の肩から下がっていたようです。本堂に案内されて、お茶を飲みます。結婚したとき、母がくれたピンクの数珠を腕にはめていると、母はプッと吹き出して「それ、念珠やけどいいね」と、どうやら間に合わせの安物だったそう。私は大切にしているから、いい。お経の間、母は笑いをこらえて肩が震えていました。

納骨を済ませて、じゃ、俺らはこれから那須高原へ行くけん、みたいな感じで駅でお別れ。どうしてこういう仏事と遊びをつなげるかな。両親と伯父伯母はこれから那須に泊まって、みんなで弟のいる仙台まで行って遊んで帰るそう。あたしはミャンマー疲れがあるからと辞退しました。

帰りの電車で。伯父たちが墓を永代供養したいと言ったけれどお寺の人は、永代供養はやっていないからできれば残して欲しい、お墓はこのお寺で一番古いものだから、残しておいて欲しいと言っていたことを思い返したりします。伯父が私に、あんたの思い通りになって良かったなあ、と水戸のお墓が大好きな私に笑ってくれた声が、胸の中で響いていました。