映画のおかげ

TPも平日休み。朝からTPが借りてきてくれたDVDを観ました。

クリーピー 偽りの隣人。TPが、今日の映画は「クリスピー」と言ったのに映画が始まるとクリーピーだったのでプッと思いますが、まだ秘かに居座っている鬼が、こんなので笑っちゃダメだとささやきます。そんなことよりも、すーっごく魅力のある映画、心が溶けて行くようです。邦画ならではのこの質感、空氣感。観終わって拍手をして、借りてきてくれたTPにもお礼を言って、そうだ、台湾まぜそばを食べに行こう!と提案します。行こう行こう!

鬼は運がないタイプなんでしょうか。台湾まぜそばのお店は、目の前で入った人が最後になって、わたしたちは、すみません、お昼の営業が終わってしまってと断られてしまいました。ガッカリしながら、高田馬場方面に歩いて向かいます。

ふと、こんな風に一緒にラーメンを食べに行けることは、ありがたいことなんじゃないかと思って「まだ、心はスカッとしてないけど、良かったら、もうちょっと一緒にがんばってみようかな」とTPに言ってみると、嬉しそうに握手をしてくれました。昨日までは、家賃4〜5万円のアパートを検索しまくっていたけれど、もう一度、新しい氣持ちで、仲良くやって行こうかな。人生は短いようで長くて短いだろうから。

高田馬場でラーメンを食べて、歩いていつもの古いアパートに戻って、もう1本映画を観ます。

コロンブス 永遠の海。先日、アナザースカイで柄本た◯く君が熱心にオリヴェイラ監督について語っているのを観て、TPと泣きそうになっていたのです。いつかポルトガルに行きたい。あれはいつだったろう、Qちゃんがオリヴェイラ監督の映画に誘ってくれて、よくわからないけどとにかく魅力的、とにかく可愛らしい映画に、感激したのでした。オリヴェイラ監督の映画を観ると、心がポンッと音を立てて弾けて、パーッと広がるような自由を感じます。映画って、こんなときのために存在してくれているんだ。映画のお陰で何度か命を救われたと思えることがあるので、なおさら心に沁みます。自由!

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ。風呂に浸かりながら一氣に読みました。私が鬼の奥さんだった間、TPも苦しかったろう、そこに影響を受けて絶対服従みたいにならずにいてくれてありがとうと思いました。それでも、家族内の争いはいつだって共依存だと思っています。あるある!


朝ごはんにときどき用意する、チーズ海苔トーストを作るときに、チーズと、ちぎれた海苔を手でつまむと油分がベトベトするのがちょっと嫌でした。そこで、100均で小さいトングを買ってみます。快適、快適!つまむところのバネ力がイマイチ弱いけれど、100円にしてはがんばってくれて、ちょっとした煮物や、焼き物にも便利です。バネ力がもっとあって、同じように洗いやすいミニトングがあれば、すぐにでも買いたい。

結局、鬼の奥さんは何だったんでしょうか。胸にストレスを溜めていたんでしょうか。それとも本当に鬼で何でもかんでも人のせいにしたくなったんでしょうか。鬼の奥さんは去りつつあるけれど、置き手紙のように「TP、本当に段ボールの山を片づけてくれるんだろうか」とまだ疑っています。片づけられなかったら鬼はまたやって来るんでしょうか。どうして鬼はそんなにエゴイスティックになれるんだろう。どんな事情があるにせよ、鬼は暴れるだけ暴れて、後ろ髪をひかれるように、ゆっくりと去って行きます。