食べたり飲んだり歩いたり

5日目の朝、虫たちと一緒のホテルはチェックアウトが昼の12時です。それまで部屋に荷物を置いて、午前中の散歩に出ることにしました。TPが行きたいという朝から開いているホーカーズを目指して、コムタという名前の五差路を右に曲がってマカリスタ通りへ、6個目の交差点、にあるはずの店がどうしても見つかりません。今日も暑い!汗を拭きながら、側溝に落ちないように崩れた縁石にも氣をつけながら歩きます。そのうちに賑やかな飲茶のお店があったので、もうここで良いかと座ってみることに。


福星茶楼。席に座って頼んでもいいし、直接カウンターで注文してもいいらしい。店主らしきおじいさんは「日本人か?そしたらキングティーがおすすめ、ベスト!」とのことでしたが、すぐにはその意味がピンと来ず、どうしようかと考えていると、忙しそうなおじいさんは、もういい、ノーマルティーねと決めてしまったので、うなずきます。ひとり2リンギット、52円くらいで、何回でもお湯を自由に注ぎ足しながら、蒸したての小籠包、フカヒレ風?春雨スープ、蒸した芋・・・あれこれ他のテーブルの料理も見ながら、おじいさんに「あのテーブルの、あれ下さい」などと注文します。


中華粥を頼んでいるグループを見つけたので、おじいさんに、あれ下さいと言うと目を輝かして「中華粥(ポーレン)!あれはこの店の名物。多くの人が注文する。いい選択だ!」と喜んでくれます。褒められたようで誇らしい氣持ち。そして、朝に食べる中華粥、おいしい〜しあわせ〜。いい店に入ることができて良かったね〜と大喜びで宿に戻ります。


チェックアウトを済ませて、今晩の宿探し。1時間ほど歩き回って結局は、すぐ近所のマーチャント(MERCHANT)ホテルというところにチェックイン。受付の壁一面に、宿泊客からのお礼の言葉や大絶賛のメモが貼られています。トリップアドバイザーの賞までもらっているよう。清潔なホテルの若い従業員の人たちは、早口の英語と満開の笑顔、氣おくれするほど。こんなキラキラ系の宿、楽しめるかな?ドキドキ。チェックインまで時間があるので、荷物を預けてジョージタウンを散歩することに。東南アジアの土は、赤茶色が多いよう。鉄分たっぷりなのでしょうか?


ペナン島に来て始めて、海沿いへ出てみます。ESPLANADE公園、だだっ広い露天の屋根付きフードコートがあったので入ってお茶をします。汗びっしょり。私アイスコーヒー、TPはちみつレモン、合わせて4.8リンギット。お店の女の子から、チャイニーズ?と聞かれたのでジャパニーズと答えます。この国に来て、何度もチャイニーズ?と聞かれているような氣がする。中国からの旅行者が多い国なのかな?


海岸は、ペットボトル、レジ袋、プラスチック容器、お菓子の袋、椰子の実、生ゴミ、ビニール袋、考えられる限りのポイ捨てゴミが漂着しまくって泡を吹いています。それでも水の色は緑がかった乳白色、コンクリートの淵に座って足を伸ばします。「今回の殊勲賞は、何と言っても、このキーンのサンダル!」旅行中、このサンダルを直前に買って良かった、何度そう思ったか知れません。「想像しとったよりもさあ、道がベチャベチャしとったり、ゴミが多かったりするやない?このサンダルならすべらんし、ゴミも入りにくいし、通氣性はあるし。ミャンマーのときはビルケンさんで行ったけど、泥道ではズルっとすべって恐ろしかったし、ゴミもすぐ入ってきて、大変やった〜」などとTPに熱く語ります。TPも楽しそうに何かを熱く語っていて、お互いに海を見て好き勝手にただ思いつくままにお喋りするだけ。波止場では地元の人たちが魚釣り、15センチほどの鯛みたいな魚を釣り上げた人の友人たちは、その魚をスマホで動画撮影しています。のどかだわ。

街に戻る方向にてくてく歩いていると、無料巡回バスが停まっていました。喜んで、小走りで乗ってみます。朝通ったコムタというところや、昨日タクシーで通った道、今晩泊まる宿の前、昨日停まった宿の前、教会、どこを通ってもたくさんの人と車が道を行き交っています。途中でバスを降りて、乗り換えて、北西の方の海沿いの街へ行ってみることに。初めて通る道なので、ガイドブックを片手に地図を確認しながら20分ほど、そろそろじゃない?とドキドキしていると、バスに乗ったときからずっとこちらを氣にしてくれていたらしきおじいさんが、もうたまらんとばかりに、その地図を見せなさいと手招きしてくれます。ガーニー(GURNEY)という街で、ランチを食べると言うと、よしわかった、そこで安心して待機していなさい、みたいな合図をくれます。3つほど先のバス停でおじいさんが、ここだ、ここで降りなさい、そしてあのデパートの3階でごはんを食べなさい、そう決めてしまわれたので素直に降りてみます。本当はフードコートに行くつもりだったので、お礼を言って降りて、デパートに入ってそのまま通り抜けて、目指していたフードコートを探して歩いて行ってみると、営業は夜からでした。また歩いてデパートまで戻って、おじいさんお勧めの3階のレストランを覗きます。どうやら、ナイフとフォークで食べるような高級店だったので、そのまま上の階のフードコートへ。



マレーシアの人たちの日常バッグは、不織布のトートバッグだということが判ってきました。バスの運転手さんも使っている様子、会社勤めのOLさんたちも、買い物している人たちも、街を歩く人たちのほとんどが、大小様々の不織布バッグを持っているし、商店街のどこにでも売られています。

前から食べたかった、マレーシアの一般的な定食だという、ごはんにカレー、小魚とナッツ、きゅうりなどが乗ったものを注文、7リンギット。TPは焼きそばとチキンライスのセット8.9リンギット、メニューの写真と随分違うものが出てきた様子。焼きそばをひと口食べて無言になった後、しばらくしてから「…UFOを水で薄めた味」とつぶやいています。チキンライスをひと口食べて無言になった後で「…なぜかカレー味」とつぶやいています。こちらから見ても、とても美味しそうには見えないので、私もひと口ちょうだいとは言わずに自分が注文したものだけを食べます。

暑いし、ホテルにチェックインもしたいのでタクシーでジョージタウンまで戻ります。部屋に入ってみると、安っぽいけれど新しい部屋と家具、ピカピカに清潔という感じではないけれど、きちんと掃除してあって、窓からの眺めも良くて、大喜びでシャワー&洗濯。今回の旅行荷物は、まあまあ良かったんじゃないかしら?Tシャツと下着、靴下を3セットずつ、ノースリーブのパジャマワンピースを1着、スカートを2枚、10分丈スパッツを3本、ドライヤー、リトルボコボコはホテルに湯沸かし器があるからあまり使うところが無く、ラッフルズホテルのバーで着ようと持ってきた勝負服、タイで買ったビーズ刺繍の黒ノースリーブは出番無し、それでもほとんどの荷物が取り出されて使われて、洗濯されては仕舞われて次の街へ移動、大活躍です。

夕方、明日の朝、クアラルンプールへ移動するためのバスチケットを買いに旅行会社へ行きます。何だかいい加減そうな店主は、すぐに話しを中断しては次々とかかってくる電話に出てしまうおじさんだけれど、古そうな店構え、ひっきりなしの来客。念には念を、メモをしっかり取りながら、メモを見せておじさんにも確認してもらいながら、バスターミナルまでのピックアップバスに乗る時間、ピックアップバスの出発時間、クアラルンプール行きバスの出発時間、到着時間、しっかりとメモに残してチケットを受け取って、ペナン最後の日は暮れて行きます。

晩ごはん、昨日も行ったホーカーズ、レッド・ガーデンへ。お店の人たちがまた来たね!と笑顔をくれます。今日も食べたいものや飲みたいものをメモに書いていたので、あれこれ注文。TPは何度も「アンプラプラムジュース、アンプラプラムジュース」と練習したかいがあったのか、無事に注文が通って青梅のジュースが届きました。ひと口飲んで「…渋っ」とつぶやいていたけれど、しばらく飲んで、結構くせになる味と喜んでいます。私はスイカジュース。ひと口目からおいしい、安心のスイカだけの味です。