ヴェルフリ展、茶碗の流れで発作

風邪で腐っていても仕方ないばい!お出かけをしましょう。RCとの待ち合わせで定番になりつつある先頭車両で、時間ピッタリに出会います。

アドルフ・ヴェルフリ展東京ステーションギャラリーは、初めてだったんだ、あたしは。

丸の内口の北側から入って、エレベーターで3階に向かいます。

レトロに整えてある空間、ところどころの壁は、大正時代、開業当時ののレンガを見せてくれていて、当時のネジ、当時の鉄骨、当時の木材。

何より、RCが誘ってくれたヴェルフリさんの展示、自分の住んでいる世界を、手に入るだけの材料、新聞用の紙、鉛筆、色鉛筆で埋め尽くしていて。その集中力をただ浴びるだけ。圧倒されても心が動くかどうかは別のゾーン、その自分たちの身体の細かさにも驚く、そんなことをお喋りします。

東京駅前のKITTEの展望台で、今入っていた東京駅の屋根を眺めて、線路を見下ろして、せいろを食べて。続いては東京国立近代美術館へ。茶碗の中の宇宙

こちらはもう、17世紀と言うから4世紀も前の器が、目の前に(そしてまたしても最高の展示で!)。もしひとつだけ持って帰っていいなら、どれにしようかと選ぶような氣持ちでいたところ、コホンコホン、ゲホッ、ゲホゲホ、ゴホンゴホン、ゴボゴボッ、ウェッ、ゲンゲンッ、ゴホゴホゴホ…止まらず、止まらなくなって、せきぜんそくの発作になって、RCの肩を叩いて、先に出てるねのジェスチャーをして、トイレに駆け込んで、給水器で水を飲んで、廊下で息をととのえて、それでも咳が止まらず、RCも出てきてくれて外のベンチに座っても咳は止まらず、RCが北の丸公園に行こうと言ってくれて歩き始めるとようやく、少しだけ治まってもまた再発、咳は止まらず、こんなに情けないのは初めてかも知れないほど、咳が止まらなくなりました。

北の丸公園の芝生に寝転んで、ありとあらゆることをお喋り、それでも咳は出続けていたけれどようやく、帰れるほどに治まりました。


RCにも、ごめんよ〜の氣持ちでいっぱい、地下鉄に乗って帰ります。帰り道、新宿御苑で降りて漢方薬の薬局に寄って、咳が絶対に止まる薬を買って、その場で錠剤を舐めます。そして晩ごはんは自分の手で作ったもしか入りそうになかったので一番簡単なもの、カレーです。

ピタッ。

咳が出たらすぐに口にポンッと入れて舐める、ピタッ。そんなことを繰り返して、早々に布団に潜り込みます。泣ける、早く治って欲しい、でも風邪はデトックスなんだから、無理に抑え込みたくもない、複雑な乙女心で漢方に頼っています。