実在のひと

朝、梅干しを刻んで混ぜて俵型にむすんだおむすびをTP3個、私2個食べてから、いざ!ツァイ・ミンリャンの「青春神話」を観に映画館へ。


TPが20年以上前に観て衝撃を受けたという映画、ずっとレンタルで探していたそうですが、DVD化されていなかったという映画。これまで会話の中で何度も「青春神話」「青春神話」と出てきていたけれど私は観ていなかったのでそれほど関心を寄せていなかった映画。

映画館に入ると大入り満員、色んな種類の大人たちがロビーにギュウギュウ、2つ後のエレベーターで到着したひとたちは、満席で断られています。そんなに待ち望まれている映画だったんだ!

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青春神話。原題は「青少年哪吒」と出ました。満員なのでTPと席は離れて、じっくりと集中します。大雨の中、青年ふたりが電話ボックスに入ってきます。慣れた手付きで小銭を・・・映画は、どのシーンも完璧にピントが合った写真のよう、どのセリフも的確に表現された詩のよう、いじらしいほどの繊細さと、洗練された大胆さ、のめり込むように観ます。観終わってからも、ファーストシーンからラストシーンまで、全てを脳の中で再生しなおして、メモに書きつけずにはいられない映画。

新宿の「石の家」に入って昼ごはんを食べながら、ただ再生を繰り返して、映画の後味を堪能します。土曜日の石の家は競馬ファンで賑やか。

中央線と総武線を乗り継いで

東千葉駅

岡村靖幸のコンサートを観るために予約した宿は何と!ラブホテルだった!この日はどこも満室で予約が取れなかったのです。料金も一泊1万円で高い!ロビーが無いのでアタフタ。何とかチェックインすると、テレビでインターネットできる部屋。

このブログを検索してみて、写真を撮ってみて。

着替えて、化粧して、ポケットに財布とデヂカメを突っ込んで千葉駅まで。岡村ちゃんに会いに。もうTPの話し声も聞こえなくなって、岡村ちゃーんって呼ぼうか、やすゆきーって叫ぼうか、青春で123ジャンプのときに飛ぼうとか思いながら歩きます。

夜6時、ほぼピッタリに、薄くて透けた白い幕の向こうに岡村ちゃんが立って、ぱっと幕が上がったらそこに、音楽が!岡村ちゃーん!キャー!

そこからは夢のような時間、岡村ちゃんがステージの上で歌って、キレキレに踊って、セクシーを振りまいて、愛を振りまいて。「行くよ」「みんな」「行くよ千葉」「歌って」「みんなも歌って」耳元で囁かれるような声で。

「みんなも歌って」と言われても歌えない曲が続いてどうしようかと思っていたところで「どぉなっちゃってんだよ」、アレンジが違っています。「どぉなっちゃってんだよ、どどどどぉなっちゃってんだよ〜へへへーい」と歌って踊ります。TPも楽しそうにしているのがうれしい、でも私がヘビーローテーションで流している曲以外は知らないだろうからゴメンと思いながら。

バンドのひとたちが岡村ちゃんの代わりにMCというんでしょうか、お喋りでつないでくれています。岡村ちゃんは暗闇の中でうちわで仰いで休憩しています。

昔の曲の方が俄然盛り上がるのは仕方ないとして、客席には10代とか20代の若いひとたちも多いのにみんな1人とか2人とか少ない単位で来ていて、好きなように踊っています。可愛い若者たち!夢のような時間が過ぎてあと1曲と言われても、会場中のみんなで「えーっ!」と叫ぶことしかできず、嘘でしょ?と思います。あと1曲が終わっても拍手は続くから、岡村ちゃんは電子ピアノで弾き語りをしてくれてから2曲、幕がもう一度上がってから3曲歌ってくれて、最後は投げキッスをたっぷりとしてくれて。

ふわふわとしたまま、街頭の少ない道を一緒にコンサートを観たひとたちと興奮を抱えたまま歩いて駅まで戻って、ホテルまでの道にあった居酒屋で、岡村ちゃんのコンサートのチケットを取ってくれて本当にありがとう、夢のようやったわ〜とふわふわしたままで、うっとりした時間は続きます。

安い居酒屋を出て、寒くなってきたのでTシャツ一枚のTPに、自分用に買ったばかりの岡村ちゃんTシャツを着せてみると、それがとても自然で似合っているのであら?と思います。やっぱりSサイズにすれば良かった。でもいい。岡村靖幸が目の前にいたんだ、歌声を聞かせてくれたんだ。高校生の頃の自分を抱きしめるように、いつか目の前に岡村靖幸がいる世界があるよ、と教えてあげたい夜、ご褒美のような一日になりました。