やっぱり苦手

朝、早く目が覚めたので駅前までお粥を食べに出かけました。40バーツ。夕べ、チャットで隣りの部署のSさんから「明日、どうされる予定ですか?」と飛んできました。「ちょうどSさんに教えてもらったマンダリンオリエンタルホテルのカフェに行く予定です」と返すと「一緒に行きましょう!仕事で聞きたいことがあります」との返信。ボート乗り場の駅で待ち合わせます。


無料ボートに乗って。

川沿いのカフェで紅茶を飲んで。そしておしごと・・・ノートパソコンを開いて説明します。何ていいカフェなんだろう。教えてくれてありがとう。仕事で呼び出したお礼にとおごってもらいました。私は隣席のT君が教えてくれた、絶対に行くべきカレー屋というところに行くと言うと、Sさんはタイ料理が苦手だから遠慮しますとのこと。元上司のFさんが午後から暇だと言っていたのでチャットで「サイアム駅の改札で!」と待ち合わせをして、またボートに乗って電車に乗ります。


サイアム駅では「12時10分集合で。もし20分待って会えなかったら、お店に直接向かいましょう!」とチャットしていたものだから、本当に20分待っても来ないのでひとりで店を探そうとしていたところ、汗だくのFさんが駆け込んできました。「改札・・・3つありましたよ」とのこと。Fさんが待っていた改札から覗くと、もうひとつ改札が見えてダッシュして、さらに覗くとまた改札があったから走ってきてくれたそう、本当ーにすみません、と頭を下げて、笑いながらカレー屋さんへ。人氣店なので30分ほど待ちます。待ちながら、私は昨日桶を買って洗濯しただの、FさんはSさんとサウナに行っただの、今日の夜のイベントさえなければ最高だのと話します。

やっべ、ニンニクと空芯菜の炒めもの、やべーくらいうまい。

やばい、蟹のカレーうまい、うますぎる!ビールなど飲みながら、最初は遠慮しながら食べていたものの、だんだんと両手をカレーでベチャベチャにして玉子入りの蟹カレーを、夢中になって食べます。Fさん、この料理3品に順位をつけてください、そう言うと、1位空芯菜、2位ソース味の蟹カレー、3位名物の蟹玉子カレー、私もそうです!とまた夢中になってカレーを食べまくります。いやー、駅で会えて良かったっすね!などと言いながら。


大満足で店を出て、じゃあパーティー会場で会いましょう!と分かれてホテルに戻ります。職場のチャットで、時間厳守との通達が届きます。なので調べておいたイベント会場の駅まで十分に余裕がある時間に出発します。


電車を乗り換えてプロンポン駅に行くと、バイタクのお兄さんが声をかけてくれます。◯◯ホテルに行きたいと言うと道を教えてくれますが、〇〇ホテルは2個あるよと言います。少しだけ嫌な予感。◯◯ホテルまで歩いて7〜8分ほど、受付で尋ねると今日はパーティーの予定は無いと言われます。もしかするともうひとつの◯◯ホテルかも知れないと従業員さんが電話をかけて、社名を伝えて、忙しいのかなかなか電話もつながらず、水までもらってじーっと待っていても、どうやらもうひとつの◯◯ホテルでもパーティーは無いとしか情報がありません。あれこれ手を尽くしてくれても、パーティーは無いということになりました。じゃあ、どこのホテル?こういうとき、携帯を持っていないことは不利になるんだろうな、でも私は平氣だけれどな。

仕方ないのでホテルを出て、目の前のバイクタクシーの運転手さんに、私のホテルまでいくら?と尋ねると150バーツと言います。高いのでは?と思っていると120バーツに負けてくれました。バイタクに乗ってホテルまで戻ります。約20分、バイクは路地を抜けて、渋滞の大通りを抜けて、ようやくホテルに着きました。ノートPCを開いて今日のイベント会場を調べると、やっぱりもうひとつの◯◯ホテルでした。あー、やだやだ。職場のチャットで、もうひとつの方のホテルに行ってしまいました、すみません、遅れます。と打つとすぐにビックリマークの顔文字がいくつか付きます。


部屋を飛び出して表に出ると、目の前に女性を乗せたバイクタクシーが到着しました。地元の女性が乗ってきたバイクなら安心かもと、◯◯ホテルの住所を見せると、運転手さんは英語のスペルが読めないらしい、乗客だった女性が訳してくれて、料金は150バーツだと言われます。(さっき乗ったバイタクの150バーツ、正規料金だったんだ)財布を開けると、120バーツしかありません。120しか無いと言うと、バイタクに乗ってきた女性が30バーツを自分の財布から出してくれました。そんなそんな!と言ってもいいからいいから、早く乗りなさいと送り出してくれます。本当にありがとうと手を合わせてまた、バンコクの街をバイクで走り抜けて20分、ようやくイベント会場に到着。するとバイタクの運転手さんが、お金、水、お金、となぜか20バーツをくれます。どうやらお金が無いなら水くらい飲んだら?と20バーツを私にくれようとしているよう。本当にありがとうございますと手を合わせて受け取ります。こんなことがあるとは思っていなかった。

会場に入ると、社長のプレゼン中でした。同じテーブルの同僚たちと目配せして座ります。隣席のベトナムの女の子のメイクが恐ろしく濃くて、ひいちゃう。それからも長い時間、上の方のひとたちの挨拶、いよいよ乾杯となってもまたおじさんの長い長い挨拶。長い。もう2時間。ようやく乾杯になってもすぐにチームごとに写真撮影、ビュッフェ形式の料理を取って、同じテーブルのひとたちと少しおしゃべりして、一服して、また席に戻ると、心がポキっと折れたようになって、パーティーって嫌だ!と思いました。

離れた席にいた親分が、さっさと立ち上がって帰る姿が見えます。またイベントで各国の作った動画を見て。わいわいと盛り上がって。でもやっぱりパーティーって嫌。3時間経ったらもう我慢できなくなったので、私もそっと抜け出して帰ることにしました。ホテル前で5000円をバーツに両替。

バイタク、もう渋滞もないので今度は100バーツ。ホテルに戻って、コンビニで買ったビールをグビグビ飲んで、私は一体何しに来たんだろう?と悲しくなります。ひとが大勢いて、自分はいてもいなくてもどうでもいい存在なんだ!と悲しくなって「おっ、今日もキーンなんだ、すごいねー」と声をかけてくれたひと、「違う場所に言ったって話題で持ち切りでしたよ!」と声をかけてくれたひと、「無事に着いて良かったですねー」と声をかけてくれたひとたちに、えへ、あは、としか答えずに心を閉じて帰ってきてしまった。色んなことが悲しくなって、どうして会社が業務提携で派手なところに買われちゃったんだろうと悲しくなって、もう辞めた方がいいのかなとか思ったりしながら、ビールをグビグビ飲んで寝ました。