たった5日で

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こんなカフェでお茶できたら最高だろうな、みたいなカフェが本当にありました。朝、7時30分起床。家主のいないヘルシンキのアパートの一室で、今日も水道水を水筒に汲んで、荷物は置いたままにして、トラムに乗ってシベリウス公園へ。シベリウスさんという作曲家は、フィンランドの森に住んでいた方だそう。その方を記念して作られたという公園で、朝ごはんを食べます。

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夢じゃないかしらん。

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と思ったら、スズメが。かわいいと写真を撮っていたら、次から次へと、何羽も何羽もやってきて、ケーキやパンをつつかれまくって、盗まれまくります。

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それにしても、フィンランドは本当に岩が多い。どこを見ても岩だらけです。ヘルシンキの町中だって岩があちこちに、その土地を活かして、岩の上に教会を建てたり、公園を作ったりしているよう。

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シベリウスさんの像の前。フィンランドには、世界各国から団体旅行の観光客も来るようです。大型バスから、どーーっと降りてきたのは、インド人のグループと中国人のグループ。(確か、両国は仲悪いはずだけど大丈夫かな)とヒヤヒヤ眺めていましたが、みんな楽しそうに写真を撮っています。私も、ステンレスのオブジェに頭を突っ込んだ写真をTPに撮ってもらっていると、その格好が可笑しいとインド人グループが声をあげて大笑いしてくれたのでうれしくなります。

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またトラムに乗って中心地まで。紙の一日乗り放題兼、透かしてみれば電子回路が挟まっていました。みんなみんな生きているんだともだちなーんーだー

リクさんちに荷物を取りに帰って、トイレなど済ませて水など汲んで、キッチンのテーブルに短いお礼を言葉を書いたメモと、玄関の鍵、部屋の鍵を並べて、さ、いよいよこの宿ともお別れ、出発しようとしていると、長男のニコラスが帰ってきました。ニコラス?と聞くと、うんと頷きます。私たちは今去るところ、どうもありがとうとお礼を言ってリクさんちを後にします。モイモイ!と言うとバーイと言われました。

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チェックアウト後、初日から氣になっていた美術館、HAM(ヘルシンキアートミュージアム)へ。

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ひとり12ユーロ。入場するといきなり、トーベ・ヤンソンが書いた壁画が展示されてあります。恋人(女性)を真ん中に描いて、彼女の飼い犬も描いて、とてもその女性のことを思っていたんだなということがわかります。くわえタバコで絵をかくトーベさんの写真を、写真に撮ってみます。

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エキシビションは、エレンさんというフィンランドの画家。

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小さい版画もあります。

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そして目を剥いたのがもうひとつのエキシビションパウエルさんというひとのアート。どの作品を見ても、奇人変人っぷりが最高です。

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そして、真っ白いつなぎ、レジャーシートみたいな素材のものを着て、真っ白い空間にベッドマットや大きい円柱形が置いてある空間で、無言で、好きなだけ寝転がって過ごします。円柱の上で手足を広げて大の字になると、怖いものなんてなんにもない、そんな氣持ち。

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たっぷり楽しんで出ると、写真撮影コーナーで係の女性が写真を撮ってくれました。キャッツ風のポーズを決めてみます。

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クロークに預けておいたリュックを返却に行こうと、ポケットから鍵を取り出すと、何とまあすてきな言葉が書いてあります。クローク係の女性にも、すてきな言葉ですね!と言って鍵を戻します。美術館の売店を冷やかしていると、何とその言葉が表紙になった手のひらサイズのノートがあります。お値段もたったの3ユーロ!そう言えば今回、まだ何もお土産を買っていません。私が旅行を重ねてきて、自分で圧倒的に「私って、本当に成長したなぁ」としみじみするところは、お土産を買うことが減ったことです。前回のウズベキスタンだって、ザクロ柄の器と、ティーポットと緑茶とサラミしか買わなかったし、今回買ったものはまだ絵葉書くらい。この3ユーロのノートなら、帰ったら遊ぶ約束をしているRCと自分へのお土産にちょうどいい!サイズもお値段も!と即断即決でレジへ。お支払いを済ませて、3歩ほど歩いて、うん?となります。手帳は3ユーロのはずなのに、2冊で16ユーロ支払った。1冊8ユーロなら1000円を超えるから、挨拶程度の、氣に入らなかったら誰かにあげて程度のお土産には不向き。レジに戻って、値段が違うと言うと、内氣そうな女性店員さんはじーっと考えて、同僚にも声をかけて、これが正しい値段と言います。ちょっとこっち来てくださいと値札のある場所に来てもらって説明すると、どうやら値札が間違っているみたい、ごめんなさい、3ユーロはお隣りの鉛筆の値段なの、みたいなこと。どうりで鉛筆にしては高いなと思ったんだ!返品させてくれると言うので素直にレジに向かうと、レジの取り消し作業をしながらお店のひとが「もし3ユーロだったら買う?」と言うので頷きます。レジでピピピッと何かを打ち込んで、本当に3ユーロにしてくれました。

私は、このノートがとても優しい心で、とても大きい幸運を連れて私の元にやって来たんだと思うと、じわっと、少しずつ、じーんとしました。

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今度は地下鉄に乗って。(なぜもっと前に、乗り放題券を買わなかったんだろう、でもそのお陰でヘルシンキ中を歩いてまわれたんだから)

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ガイドブックで見て行ってみたかったフィンランドのスープ食べ放題の店、クルマへ。店の男性がレジ前に自分のバンドのポスターを置いているので、歌手ですか?と尋ねるとイエス、とスマホでユーチューブの動画を見せてくれました。


Seven Mugs Cinammon Girl (Neil Young)

クール!と感想を言って、サラダやスープの説明を受けます。ひとり10.5ユーロ。

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お店の男のひと、オーナーらしいひとが、日本人?と聞くのでうんと答えると、ちょうど先週末日本に行ってたんだよ、神戸(だかどこか)の高島屋(だかどこか)で、フィンランドフェスティバル(だか何か)に呼ばれて、何日もスープを作っていた、とのこと。ものすごーく驚いて、ますます、よくスープを味わいます。ものすごく好きな味。サーモンクリームスープと、豆のトマトスープ。もうひとつはポテトスープ。やっぱり私もスープ屋をやろうかな。豚汁屋とか。やっぱりそれしかないかな。私たち、これから帰るんですとオーナーに言うと、フィンランドは楽しかった?と聞かれたので、はいとってもと答えます。ヌークシオや、カウリスマキのバーに行ったと言うと、自分が書いたフィンランドのガイドブック(英語)にも、カウリスマキのバーを乗せてるんだと本を見せてくれました。

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TPが最後にもう一度歩きたいと言うので、エスプラナーディ公園へ。ヘルシンキは小さい街なので、一日2〜3回は通った公園。

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乗り放題の券で、空港までの電車に乗って来た道を戻ります。まだまだ。まだ旅は終わってない。だから泣かない。空港で、職場のお土産のチョコレートひと箱、自分へのお土産チーズ1キロと、店のひとに相談してチーズスライサーを買います。どれも、ひとつ10ユーロくらい。

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帰りも、機内が空いていたので座席に寝転んで帰ることができます。ヘルシンキにはたったの4泊。白夜なものだから夜までたっぷり遊び尽くして、濃い5日間だった。たった5日間で、できること、行ける場所は山ほどあった。自信にもなった。私には、旅行を楽しむ底力ができてきた、いくつものスキルも身についている。職場の人間関係くらい何さ、私は自分で思っているよりも強いのかも知れない。来てよかった、フィンランド、ありがとう、フィンランド、TP行きたくないとか言ってごめん、お陰で最高だったわヘルシンキ、キートス!!モイモイ!!