仕事のフリ

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朝の6時30分に目が覚めました。3階の部屋から1階に下りると、宿の女性が制服を着た子どもたち2人、お兄ちゃんと妹に朝ごはんを食べさせています。家族経営なのかな?後からお父さんらしき男性が出てきて、よくわからないおばさんも出てきて、朝ごはんをつくってもらいます。玄関前の通路で、ブラックコーヒーを飲みながら一服します。プップー、ゴー、ドドーッ、クラクションや電車、バスやタクシーが行き交う音、通勤通学するひとびと、ゴミを集める労働者、そんな光景を眺めていると「あたし、今何でこんなところにおるとかいな」そうつぶやかずにはいられません。

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お腹が減っているわけではないけれど、せっかくなので作ってもらった朝ごはんをいただきます。「アロイ!(おいしい)」と言うと通じたのでうれしくなります。同じ階に泊まっているらしい若い女性二人組も朝ごはんに下りてきました。感じ良さそうだったので話しかけると、どうやらインドネシア出身で台湾に留学しているそう。英語と科学を勉強中、タイに寄って遊んで、インドネシアに戻る途中とのこと。私は3泊、彼女たちは4泊するそう。他にも、中国か韓国かまだ判明していない女性二人組はものすごく感じ悪いから話しかけたりしません。そんなことより、屋上にある洗濯機を使わせてもらって、昨日あまりにもくたびれて汗みどろのまま眠ってしまったのでシャワーを浴びます。

そもそもの目的の、おつとめさきのパーティーは今夜。お昼は元上司と元隣席のT君と、それぞれが大好きなプーパッポンカレーを食べに行く約束をしているので、そのレストランの近くの駅まで行って、午前中はカフェで仕事をします。汗だく。Wifiのつなぎ方がさっぱりわからず、スタバ(海外旅行でスタバに行くことだけは自分で禁じていたのに、ネットをつなげたいから屈辱のスタバ)のお姉さんたちに、イチから教えてもらって何とかネットをつなぎます。仕事ったってここまで来て特にやることないけれど、一応トラブルに即時対応できてお役に立てたのでホッとします。

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さあ!プーパッポンカレーだっ!私が声をかけた5人のうち、ひとりはアポで欠席、もうひとりも仕事で欠席、もうひとりは無断欠席、残りの元上司は遅刻、T君も遅刻。ひとり、カレー屋の前で、またカレー屋さんのWifiにつないでもらってお仕事を進めます(仕事ったって今やる必要ないけど一応)。まずはK君がやってきて、プーパッポンカレーの殻が無い方を注文。前回と同じ、空芯菜炒めも注文して、あっと言う間に平らげます。遅れてきた元上司は、殻付きの方を注文、手がベトベトになるからウェットティッシュは必須と言い合っていただけのことはある、みんな持参のおしぼりで手を拭きながら、蟹をどんどん平らげます。皿を舐める勢いで(実際にスチームライスでぬぐった)、目をバキバキにさせて、ビールなんか頼んじゃって、お腹パンパンに。

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この後どうするんですか?みたいな会話で、私は近くのビルの本屋で、バンコクのバスの路線図を買うと言うと、ふたりともついて来てくれました。わーっ!紀伊國屋書店ばい!興奮します。無事に99バーツでバス路線図をゲットします。

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元上司は、パーティー会場は毎回、空調の設定が18度で冷蔵庫のように寒いのに、今回は羽織ものを忘れたからユニクロでパーカーを買うと言うので、そちらにも付き合います。色んな店で色んな羽織ものを見たけれどまさかの1万円超え、ようやく見つけたユニクロでも、日本よりも高い3800円くらい、しかも何だか格好悪い。T君が「まださっき見たH&Mの方がマシですよ」私も「よっぽど氣に入ったんならまだしも、一回しか着ないものを買う必要ないですよ」結局、私が持っている大判ショールを貸すことに。私は、ダウンジャケットと同じ暖かさだというハイテク素材の折りたたみジャンバーを持参しているのです。

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じゃ、会場で!と分かれて、私は直接ホテルへ。トイレでビオレのパウダーシートで汗を拭いてさらさらになったところで、ワンピースに着替えます。ワンピースがレース生地で、前回はバイタクに乗ってあちこち引っ掛けまくって糸がペロンペロンと出てしまったので、今回は現地で着替える作戦。集合時間までまたパソコンを開いてお仕事をして、ようよう集まり来る同僚たちと挨拶をして。今回、私はパーティーというものに全く期待せず、同僚たちの輪に入るかどうかのイジケた氣持ちも捨て去って、普通に過ごす作戦を実行しました。輪ができているところに自然に近づいて、ただそこにいる。

少しずつ話しかけたりしていると、だんだんとその輪が大きくなって、人がたくさん集まって。団体行動が苦手だという氣持ちを、焼却炉で燃やして臨んだのです(大げさ!)

お陰で、色んなひとと色んな会話ができました。お互いのパーティー衣装を褒め合ったり、それは無いわ!と笑い合ったり、まさかの衣装かぶりのひとたちには、双子コーデと鼻で笑って写真を撮ったりして。私がショールを貸した元上司は、パーティーの間中ショールにくるまっていたので、ホームレスとあだ名をつけられて。冬用のジャンバーでも寒いので、同じテーブルのひとたちでテーブルクロスを引き上げて「おこた」と言いながら足を入れて暖を取って。会場の係のひとたちに、何度お願いしても絶対に温度は上がらないのです。そんなこんな、楽しいことだけを記憶に刻んで、もっと別のグループにおしゃべりに行かなくちゃいけないんじゃないかとか、若いひとたちと交流した方がいいんじゃないかとか、そういう己の面倒臭さを全て葬り去ります。

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ヤッター!極寒の中の5時間オーバーという地獄のようなパーティーが終わった!終わった瞬間、若いひとたち以外のひとたちは三々五々で帰ります。後は若いひとたちが2次会をやるようです。ズコズコとクラブになるらしい。

電車に乗って宿まで戻ると、ゴロゴロ~っと雷が鳴って、ザーッと雨が降り始めました。さすが東南アジア。屋上が屋根付きで良かった、洗濯物を取りに上がります。全部乾いていて幸せ。宿の入り口でコンビニで買ったビールなど飲んでいると、朝ごはんで一緒になったインドネシアの女の子たちが、買い物袋を抱えて帰ってきました。どこに行ったのか尋ねると、色んなところを一日中歩きまわってショッピングしたとのこと。おやすみーと手を振って。

ヤッター、全ての義務が終わった!ここからは、自由時間だ。明日の一日、大切に過ごそう。雨は夜中まで降り続いています。