大げさな風邪

イテテテッ。孫悟空の頭の輪っかをギューッとされたときの痛さで目が覚めます。風邪薬を、風邪薬中毒のように倍飲みしてもなお、全身の痛みと吐き氣で、電車に乗れそうにないので泣く泣く、お休みを申請します。「仕事のことはすべてこちらで引き取るので、安心して休んでください」「そう言ってくれているからお言葉に甘えてしっかり休んじゃって」の返事を見て、本当にありがとうございます、パソコンに向かって頭を下げて、また布団の国の住人になります。一生信じ合える仲間をつくることです!みたいに感謝しながら。

 

ひと眠りして昼過ぎ、風邪薬が効いてきた瞬間にスーパーへ。イワシと豚コマ、ネギを買って帰ります。簡単に豚汁を作っておいて、また布団の国へ。目が覚めて、うつらうつら布団から手と目だけ出して本を読みます。

やがて満ちてくる光の

やがて満ちてくる光の

  • 作者:梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/07/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

梨木香歩の静謐さが、風邪を治してくれますよう。特に、ヒジャブのくだりとカヌーのくだりで、ものすごい発見をしたような氣持ちになります。本があって良かった。早めに風呂につかって頭を乾かして、また布団の国に戻ります。もう一生、治らないかも知れない、私の風邪。いつも大げさな風邪。