TPが何度もアピールするので「TP、お誕生日おめでとう」と言います。近所でギリシャヨーグルトを食べてからアクロポリス遺跡に行くか、アクロポリス遺跡の入場チケットを買ってからギリシャヨーグルトを食べるか。TPはどこかでちゃんと朝ごはんを食べたい派だけれど私はヨーグルトだけで良いと思っている派、ふたつの派閥がバチバチと牽制し合って、ヨーグルトを朝ごはんにするけれどTPはギリシャの胡麻パン(クルーリー)を付けることで折り合いがつきました。TPはハニー&ナッツの大(サントリーニ島のハングリードンキーで食べられなかったからでしょう)、私はブラックチェリーの大。固めのヨーグルト、これなら丼いっぱい食べられます。そして今日も朝は寒いので、アジア人夫婦は、ズボンの内側、膝下にお揃いのレッグウォーマーをはめて。
ひと口もらった胡麻パンの美味しいこと。噛めば噛むほど、塩味が遠くからやって来ます。
シーズン中なら何十分も並ぶという、アクロポリス遺跡は、さすがシーズンオフだから1ミリも並ばずにスーッと入場券を買うことができます。他の施設との共通チケットひとり30ユーロ。西側の入場口で「地図はありますか?」と尋ねると売店で買えるとのこと、2ユーロで買ってみたところ、現在の地図じゃなくその昔の完成時を予想したミニチュアを写真にしたものでした。入場してすぐ右側の音楽堂を、TPは劇場だと勘違いしているのか感激して写真をたくさん撮っています。
プロペリアという西門をTPはパルテノン神殿だと思っているのか感激して写真をパチパチ撮っています。
階段は、水はけのためでしょうか、滑り止めでしょうか、細かく模様が彫られています。
氣がつけば、アテネ、いえアッセンの街が一望できています。いつの間にこんなに高いところに上がってきたんだろう?メテオラ遺跡でもそうでしたが、高いところに上がっている感覚があまりない、高低差を感じないのにいつの間にか高いところに居るのが不思議でならない、なぜなんだろう。
門を抜けると、そこにパルテノン神殿が。
そしてたくさんの人々が。
サントリーニ島で一緒だったタイの若者のインスタグラマー集団が!
大写真大会。何枚も何枚も、何十枚も何百枚も。
トイレの案内板も大理石で、
水飲み場も大理石で、
ゴミ箱もパルテノン神殿風で、
昨日と今日、泊まっている宿も見えます。屋上もあるのか!後で行こう。パパと息子2人の家族、息子たちはとってもシャイそうで楽しくなさそう顔をしている親子がいました。パパが神殿の写真を撮っている間、他の観光客たちは自撮りに夢中で頼めないので、つまらなそうにしている長男の子に写真をお願いしてみます。こっくりとうなずいて「ワンツースリー」「ワンツースリー」と、2枚も写真を撮ってくれました。彼がとても上手に写真を撮ってくれているのを、いつの間にか見ていたパパも大きい笑顔で「グッドだった?」とジェスチャーで聞いてくれたので「グーッド!サンキュー」とこちらも最大の笑顔でお礼を言います。
アクロポリス遺跡は修復中とのこと、まだ置かれたばかりで白い大理石も、
修復工事で使われているトロッコも丸見えで。工事のひとたちは決まった作業服じゃなく、私服の作業着だから一般のひとが神殿の中に入ってしまっているように見えて驚きます。お手洗いで。ツアー旅行中の日本人年配女性たちがお喋りしているのが聞こえます。「あら、ここも便座が無いタイプ・・・」「また?・・・」
入場のときに見かけた猫が、帰りもまだ同じ場所にいます。両手で草を挟んじゃっています。
城壁の周囲を歩くこともできます。遺跡もいいけれど、この道もいい。お天氣もいいし温度もちょうどいい。
宿に戻って、昨日の受付のお爺さんとは違う男性、この方も制服を着ていないので泊り客かと思ったけれど「アクロポリスから屋上が見えて・・・」と言い終わるか言い終わらないかのうちに「エレベーターで上がれるよ、4階まで行って右の階段から」とすぐに答えをくれます。どうしてギリシャのひとたちは、私が言い終わらないうちに的確な答えをくれるんだろう?タヴェルナでも、街中で道を聞くときにでも、ホテルでも。不思議でなりません。テレパシー?アクロポリス遺跡から見えたホテルの屋上からは、アクロポリス遺跡が見えます。昨日の夜、到着が遅れたから2人ともくたびれています、ホテルで30分だけ昼寝。目覚ましをかけておいて。もうベッドメイキングも終わっていて、枕元にチップとして置いておいたユーロはそのまま残されています。
昼寝を終えると体力が回復しています。ヤッター!商店街を抜けてタヴェルナへ。
どうしても食べてみたかった、ドルマーデスというギリシャ料理と、ズッキーニのフライを注文。ドルマーデスは葡萄の葉で包んだ料理で、中にはごはんとひき肉が入っていました。レモンソースが美味しい!
ここでも、イカノフライ(カラマリ)を注文してみます。うん、美味しいけれどやっぱりカランバカPANELLINIOの方がもっと歯ごたえがあって、イカの香りも衣のカリカリ具合も上だ、あらためてやっぱPANELLINIOはいいタヴェルナだったとうれしくなります。お会計は全部で28ユーロくらいだったかしら?
昼食後、図書館跡や市場の跡、お風呂の跡を訪ねて見つけられたり見つけられなかったり、アクロポリス遺跡の隣りの古代アゴラ遺跡を見たり中心地のモナスティラキ広場へ行ったりピスタチオアイスを食べたり(ひとつ1.5ユーロ)、シンタグマ広場の横を通ってハドリアノス門を横目にゼウス神殿へ行ったところで、タイムアウト、夕方5時で入場できませんでした。これからどうする?TPはガイドブックを広げています。私は、ゼウス神殿の係員の男性と女性が、次々と来るお客さんに「今日はおしまいです」とニコッとした後で、誰も居なくなると激しく言い争っているのを、少し離れた場所からじっと見ています。
街のいたるところにこうして遺跡が見え放題。少し冷えてきたし、いちど宿に戻りましょう。今日はTPの誕生日だし、どこか良いレストランが無いか宿のひとに尋ねようか、それとも地図で探そうか・・・ベッドに横になってガイドブックを眺めているうちに・・・ZZZ・・・