自分の才能が怖い

平日の定休日。朝、TPを送りがてら散歩。TPは昨日私が作ったガーゼタオルのマスクをしていません。やっぱりね。ところで駅前の薬局に、10人ほどのひとが並んでいます。もしかしてマスク買えるのか?私も並んでみます。「マスク、買えるんですか?」と誰かに尋ねたいけれど、私だけがマスクをしていないものだから、話しかけられる方が警戒するかもと思うと話しかけられません。次々と、私の後にも無言の行列が増えて行きます。10分ほどして開店。シャッターが上がって、行列が薬局に吸い込まれて、私もようやく店の中に入ると後ろのおじさんが「マスクあるんですか?」と店員さんに尋ねると「ありません、本日マスクありません」とのこと。「なーんだ」「マスク無いんだって」「なんだ。。。」行列していた全員が、照れくさそうに店を出ていきます。先頭に並んでいた女性は、欲しくもなさそうなティッシュなどを買っています。

 

私は、俄然、燃えてきました。ドン・キホーテで白いミシン糸と細いゴムを買って、家に帰ってパソコンを開いてネット検索を重ねて、どうやら「さらし」の布でマスクを作ると良いらしいと知って、ちゃんとアイロンを当てながら作るとかなり本格的なマスクが作れるとわかって、ところで我が家にはもうさらしは無い(布巾にして全部使ってしまった)ので近所の手芸用品店に行って「さらし、ありますか」と言うと「売り切れちゃったんですよー」とのこと。そのままバスに乗って、隣町の日用雑貨店へ。「さらしの布ってありますか?」「無いんですよ」その店でアイロン台を買って(どうしてもアイロンが必要なときは、バスタオルの上でかけていた)、アイロン台を肩から提げて、またバスに乗って東急ハンズへ。「当面の間、休業いたします」の張り紙を見てハッとします。緊急事態だったんだ!ふと周囲を見渡すと、確かに人が少なく、まるでSF映画のよう。

 

とぼとぼと家に帰ってネットで「さらし」と検索したところ、4900円とか、13000円とか、考えられないような値段になっているので椅子から(あ、違った座布から)転げ落ちそうなほど驚きます。ふと、さらしは呉服屋さんならあるかも知れない、ネットで歩いて行ける場所の呉服屋を検索して、恐る恐る電話してみます。「すみません、ちょっとお伺いします。そちらに、さらしの布は置いていらっしゃいますか?」「ちょっとお待ちください、在庫を確認して参ります・・・ございました」「良かった、ちなみにおいくらですか」「えーっと、1300円に消費税でございます」とのことで、15分後に伺いますと電話を切ります。

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念願のさらしを手に入れてからの私の動きはすごかった。動画を見ながら、布を切ってはアイロンをかけ、少し塗ってはアイロンをかけて、ていねいに作り続けます。TP、見てろよー。氣がつけば、狂人の部屋状態になっています。

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このクオリティーなら文句ないだろ。

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さらしは縮むので、洗って、アイロンをかけてみます。中の当て布も塗って。

 

私は、自分の才能が怖いと思いました。動画を真剣に見ながら、こんなに完璧なマスクを作ることができるだなんて。TPは仕事で疲れていたのか「昨日よりクオリティー上がったね〜」と笑っていたけれど、それほど嬉しそうじゃありません。

アイガー・サンクション (字幕版)

アイガー・サンクション (字幕版)

  • 発売日: 2015/03/04
  • メディア: Prime Video
 

晩ごはんは、自家製チャーシューの薄切り、キャベツとキュウリのサラダ、ご飯。TPが録画していた昔の映画を観ます。どういうわけか殺し屋が、山登りする映画。おじいちゃん監督が若い頃に撮った映画らしい。

 

それにしても、私は最強のミシンを手にして、ものすごく興奮しています。これから何作ろう!同時に、興奮してうっかり外を出歩かないように、自分に言い聞かせます。とにかく、緊急事態宣言が出ているんだから、うっかりはダメよ、門。