朝、ＴＰを揺り起こして「今から会議が始まるけん、いびきかかんとってよ、ごめんね」と言って、まずは朝礼。そこから怒涛の労働で、そーっと寝室からの引き戸を開けるＴＰが「門ちゃん、お昼ごはんどうする？」と言うので共有カレンダーに「【休憩】昼休み」と書き込んでから、ＴＰとランチに行きます。
せっかくなので普段食べないようなもの、入らないような店。
一年くらい前に開店していたインドネシアのハラルフードレストランへ。まず驚いたのは「けっこう、アジアとか旅行されるんですか？」と日本人のおじさんが出てきて、メニューも無く、インドネシア人の奥さんが作っている料理で、メインをひとつ選ぶ定食、それが１５００円から、と言ったこと。せ、せんごひゃくえんから？
と思ったけれど、面白そうなのでＴＰはアヒルの唐揚げ、私はアヒルの唐辛子ソース乗せを頼んで食べます。
おいしいかどうかは関係ない。とにかく、まだ行ったことのない国（東南アジアで唯一、まだ行かずにいる国）インドネシア料理なのです。本場の方が作る、本場の味。メニューが無いものだからご主人は入ってくるお客さんたちひとりひとりに、メインを選んで・・・と、イチから説明、みな「高っ」と言う顔をしながらなんとなく席に着いてしまいます。食事の途中で「どうですか？辛くないですか？おいしいですか」とご主人が聞いてくるものだから誰もが思わず「おいしいです」とか答えています。日本人！
まずくもなく、それほどおいしくもなく、でも、アヒルの肉の歯ごたえがしっかりしていることが面白くて、たしかに１５００円の価値はある、そうおしゃべりしながらＴＰと帰ります。さっ、午後もお仕事。夕方、オンラインでの会議中にＴＰのイビキが「ズゴーッ」と聞こえてきた瞬間に私は自分の画面をオフにして、引き戸を開けて発泡スチロールのマッサージ棒をポンッとベッドに投げて、ＴＰがビクッとしてイビキが止まって、また画面と音声をオンにします。ふぅ、ＴＰにも迷惑かけているわ、在宅勤務は。
夜、ＴＰがＣｈｒｏｍｅでキャストした映画を観ます。ものすごく日本人的な映画、オムニバスの監督は豪華で、 ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノです。それぞれの個性がバチバチと、レオス・カラックスは日本人を大嫌い？とか、ポン・ジュノは予言？とか、ミシェル・ゴンドリーの目のつけどころ！とか興奮します。東京か。確かに、東京の映画です。
