阿寒湖から北見、そして網走へ

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朝風呂、阿寒湖の温泉。やっぱり朝にチャポンと温泉に浸かると、目がパチっと覚めます。朝温泉、最高です。TPはこれから2日間の宿をネット予約してくれていました。そのどちらもが、まさかのドーミーイン!おいおい、贅沢だなーと言って笑ったりします。今日は網走まで。明日は稚内まで。北へ北へ、これから北上するのです。長距離を。長い距離を移動しても、最後にドーミーインが待っとうって思ったら、たしかに頑張れるわ。

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夕べ、TPがセコマで買っておいてくれたおむすびを食べて、民宿をチェックアウトします。釧路で買った昆布粉をお湯で溶いて飲んでみます。うめー。

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朝9時、チケットを買って遊覧船に乗り込みます。

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わ、富士山みたい、素敵な山が見える!(阿寒富士)

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船の上は寒い寒い、レッグウォーマーをズボンの下に履くバージョンと、ズボンの上に履くバージョンで耐寒度を比較します(ズボンの下が圧勝)。

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同じ民宿に泊まっていたひとたちもいるでしょうか?阿寒湖は釣りが盛んらしい。民宿の玄関にも長靴や全身ゴム長が干してありました。それにしても寒い。TPは手袋もマフラーも持っていないので、私の持参しているスカーフを真知子巻きにしてやると「温かい」とか言って喜んで寒風に耐えています。

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とにかくこの遊覧船は、最高だと思います。大きなフェリーが鬱蒼とした細い水路に入って行くのは、迫力満点です。途中で、マリモ展示観察センターのある島で下船したりするので、見どころ満載。(マリモの最後、頭が爆発して死ぬということは知りたくなかった)

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遊覧船を降りて、再びアイヌコタンへ。木彫りのスプーンなどを買ったりしながら、最後にマツネシリ民芸店という店へ。入ろうかどうしようか迷っていると、お店の方が「どうぞ、見ていくだけでも」と声をかけてくれて、入ってみたところ、とても素敵なスプーンや茶さじがあったのでじっと眺めていると「その辺の、全部自分が彫ったんです」とのこと。お店の方は、買うか買わないかではなく、ひとに興味があるようで「どちらからいらしたんですか」「ここまでは車ですか」「釧路からバス?私達も買い物するときには釧路まで行くんです」「えっ、青森からバス?失礼ですけど、バス代はおいくらくらいですか」など、会話が弾んで、私が買おうとした木彫りの茶さじを、実はフクロウをデザインしたんですと教えてくれて、ふと、フクロウと言えば「アイヌモシリという映画、観てきたんですよ」と言うと「あっ、そうでしたか!あの主演の男の子は、このお隣りのアイヌ料理の店の、妹さんの息子ですよ」などととても喜んで教えてくれます。そう、昨日、そのアイヌ料理の店に行ったけど開いていなくて入れなかったと言うと、遊びに行ってたんでしょう、今日も遊びに行ってたし。戻ってきたら言っときますね、すぐ遊びに行く、とのこと。とても良い買い物時間が過ごせました。店を出てTPが、遊びに行ってたんなら、そりゃー、何にも言えんね、遊びなら何にも言えんわと感心しています。店の開店時間なんか守る必要ない、好き勝手に過ごすひとが勝ち、みたいな言い方でs.

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そうだ、TPのグッジョブがありました。ネットで検索する限り、阿寒湖と釧路の往復バスしか見つけられたなかったのに、阿寒湖と北見の往復バスを見つけていたのです。お陰で、同じ街に戻ってまた北上する必要が無くなりました。それでも1時間以上の移動。TPは買ったばかりの携帯ラジオで、NHKの放送を聞こうとしているけれど、どの局でもホークス対ロッテ戦は流れていないとガッカリしています。

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北見。私は「北見のハッカ」ファンなので、この北見ハッカ記念館に、寄れたら寄りたいなと思っていたのです。それが今回、バスの終点で短い時間ですが立ち寄ることができました。

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ハッカ記念館の建物の、可愛いこと!

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そだねー。北見はカーリングの街だもんねー。

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電車の本数は多く無いので、無理やりにハッカ記念館に行ったものだから昼食はバタバタで買ったスーパーのお弁当です。TP:知床鶏の親子丼、門:山菜おこわ。北海道に来てから、どうも「白ごはんが美味しい」「野菜がおいしい」「素材がそもそも美味しい」ということに目覚め始めています。TPはただのお惣菜の親子丼に「鶏肉がおいしい!」と大感激しています。私もひと口もらったけれど、たしかに鶏の味が濃厚でおいしい!!!

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北見駅の待合室で、お弁当を掻き込んで網走行きの電車に乗ります。約1時間。TPはやっぱり、ラジオを聞こうとしていますが、ホークス対ロッテ戦は聞こえて来ないとがっかりしています。

海炭市叙景 (小学館文庫)

海炭市叙景 (小学館文庫)

  • 作者:佐藤 泰志
  • 発売日: 2010/10/06
  • メディア: 文庫
 

佐藤泰志の小説をキンドル君にダウンロードして読みます。グーーっっと感動します。函館の街が脳内でまるっと蘇る。そして、言葉が適材適所に清潔に配置されていて、その並びでこちらの心を揺さぶる。数々映画化されているけれど、そのどれも退廃的なような自虐的なような雰囲氣ですが、小説の方は一瞬の輝きや生きようとする意思に満ちています。これは、すごい小説家だ。ちゃんと読みたい作家だ。 

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阿寒湖から出発して、北見、網走へと移動する日。そろそろ網走。あれ?何だ!?湖みたいなものが見える。

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網走湖って書いてある!本日の宿は、ドーミーインの網走店。網走と言えば、網走監獄。網走監獄博物館へは、ちょうど良いバスが無いのでタクシーを。

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タクシーに乗り込んだ瞬間、「すみません、NHKラジオを点けていただけますか?AMです。今日、CSのホークス対ロッテ戦が流れているかと」と言ってみます。運転手さんはすぐにチャンネルを合わせてくれたものの「プロ野球はやっていないですね。他の局も合わせてみたんですけど」と親切な言葉。TPは「もしかすると、コロナとかでCSが中止になったとか?」などと言っていますが私は「(ただ放送していないだけと思う。福岡とか千葉なら放送あるのはわかるけど、日ハムファンのこの場所で、ホークスの試合は放送されないと思う)」と思いつつ、TPが野球を聞けたらいいなと思っています。それよりもタクシー自体、ほとんど使わないのでドキドキです。ネットで検索していたとおり、1330円で到着しました。

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閉館まであまり時間が無いので、速歩きで巡ります。網走監獄博物館では、蝋人形がリアルで、ところどころでぎょっとしたり、キャッと叫んだり、涙ぐんだりします。雨が降ってきました。雨足は強くなってきます。持参の折りたたみ傘をさして、館内を早足で巡ります。

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敷地には色んな木々が。栗の木、栗の実。

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北海道を開拓するために、網走監獄に収監されたひとたちの命は削られて。いえ、むしろ開拓を進めるために網走に監獄を作ったのでは?

www.kangoku.jp

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感じることの多い博物館。来て良かった。

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網走駅まではバス。バス停で、一人旅らしき女性がバスを待っているので「こんばんは」と声を掛けます。彼女がとても話したそうだったので、ちらっと顔を向けると「網走駅までのバス停ですよね、バス来ますよね?もしこれでバス来なかったら詰んだわーって」「あと3分ですよね」「あと4分…」「旅行ですか?」「はい」「私たちも。遠慮しながら」「そう、遠慮しながら。北海道旅行決めてからどんどん感染者が増えて、何でこのタイミングでーって思いながら、第三波がとか言われて、あーって思いながら」「わかります」真っ暗な森の前のバス停に、時間通りにバスが来ます。「バス来たー!今日のうれしいことベスト3に入るわー」と言うので、プッと吹き出して笑います。かわいいひと。

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網走駅のひとつ先、バスセンターでバスを降りて、本日もドーミーインにチェックイン。7000円ほど払って、2000円の地域クーポン券をもらいます。ネットを立ち上げた瞬間に、ホークス勝ったとわかります。

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網走刑務所で作ったというお人形を買いました。一番、丁寧に作られた子を買って、飾って。

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ここ網走でも開いているお店は少ないようです。ネットで検索して評判の良い、炉端焼の居酒屋へ。いつの間にか雨は止んでいます。

f:id:monna8888:20201114182000j:plain五十集場(いさりば)f:id:monna8888:20201114183014j:plain

ぽちさんが、釧路の炉端焼がおいしいと教えてくれたのに食べられなかったのが悔しかったけれど、ここ網走で炉端焼を食べられる!!
まずは牛タンと、長天というものを頼みます。お、い、し、い〜!!!

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TPが頼んだ、本日のオススメ、ワカサギの天ぷら。あまりにもサクサクなものだから、悶絶します。これまで食べたワカサギの天ぷらの中で一番おいしい。霜柱を踏むようにシャクッとした歯ざわりに感激して、店員さんに「これ、本当においしいです。粉は何ですか」と尋ねると、最初は「ありがとうございます!でも粉は普通の天ぷら粉だと思いますけど」と言いながら、次の料理を運んで来てくれるときに「厨房で聞いてみたんですけど、炭酸水が決めてだそうです」と秘訣を教えてくれました。

 

 

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イカ、おいしい!味噌も爆発するほどの旨味、目ン玉も口に入れて味わいます。何ておいしい居酒屋さんなんだ。カニシュウマイも全部おいしい。(ぽちさんに感謝だ、炉端焼を食べる発想が無かった、こんなに美味しいものだとは思わなかった)f:id:monna8888:20201114225658j:plain

ドーミーインには、夜鳴きそばがセットで付いています。何とかお腹を空けて、夜中に食べる小さい麺。おいしい。今日も最上階の温泉にたっぷりと(2度)浸かって、サウナで汗をかいて、清潔なシーツで眠る喜び。今回の旅行のポイントのひとつ、網走監獄の見学。無理やりにでも行って、たっぷりと感じることがあって、本当に行けて良かった、そうTPと話しながら、でも明日は稚内やね、一日9時間の移動やね、でも最後はドーミーインが待っとうって思ったら乗り切れそうやね、とかお喋りします。明日は何時起きなんでしょうか?私はもう何も考えずに風呂入って寝るだけ。