お父さん、おはよう！何だこの朝ごはんは？私が買って帰った蓋付き容器もすっかり実家に馴染んでいます。
アフターでこの状態ですが、何とかお客さまをお迎えできる程度には山積みだった台所を片付けできました。
私はＴＰを迎えに空港まで。天神で乗り換えるため地下道を歩いて、
空港の到着口で待ちます。
久しぶり？に再会したＴＰは、全然久しぶり感がなく昨日まで会っていた感じ。腕を組んで歩きます。まずはＰＣＲ検査、予約しておいてと言ったつもりでしたが行き違いで予約していないとのことで受けられず。訪問看護師の方たちとすれ違わないようにしましょう。
地下鉄に乗って家に帰ると、父母の友人の、銀行窓口Ｓちゃんがもう一度来てくれていました。父からもらってずっと手帳に挟んでいたというお手紙を見せてくれます。お宝はすぐ後ろにあるよと、銀行を辞めないでもうちょっとがんばってごらんという意味らしい。Ｓちゃんは「お陰でちょっと出世しましたよ」と名刺まで用意してくれ、父宛の手紙も持ってきてくれます。有り難いったらない。
やがて訪問看護師のＫさんもいらして、今日も脈やら血圧やら計ってもらって、Ｋさんちょっと首をひねったりしています。そして全身をきれいにして下さいます。「お父さんと仲良くていいですね、ウチは喧嘩はしないけど全然仲良くなくて」「私も前まで仲良くは無かったんですよ、仕事の相談とかしたら急に仲良くなっただけで」などと会話。同世代、尊敬するＫさん。
どやどやと、弟妻の両親と兄、京都の叔父叔母、弟一家と揃って、和室でご挨拶。ＴＰのこと誰かちゃんと紹介してくれたかしら？心配。皆、寝てばかりの父に挨拶してくれます。当初は全員でどこかお食事に出かけようと言って集まった皆ですが、父が起き上がれないので和室で、お持ち帰りの食事やらビールやらで乾杯。父にも乾杯すると、看護師のＫさんが「お父さんにも、焼酎を含ませてあげましょうよ」と提案して下さり、口腔ケア用スポンジに焼酎を含ませて、父の舌にちょんちょんと乗せてみます。表情はやわらかい。
和室は狭いので、それぞれ好きな場所で食事を取ったりビールを飲んだりします。やがて、いつの間にそうなったのか知りませんが皆、有名なフルーツパフェを食べに行くと言って居なくなります。弟とお嫁さんは家の契約がどうこう言って出かけてしまいました。私と伯父はパフェなど食べないので、ふたりで父の側に残ってお喋りします。父のつけている３年手帳を見せたり、子どもの頃の思い出ばなしをしたり。「こいつは、どっちかというと、あんたのことばっかり話しよったように思う」イヒ、弟より私の方を氣にかけてくれてたってことだな。「それにしても、こいつにこんなに人脈があったとは意外。それがわかって良かった」とのこと。いい時間。
やがて、弟夫婦が戻ってきて。父が少し苦しそうな表情なので熱を計ってみると３８．５度。これは高い方なので看護師さんに電話、熱冷ましの座薬を入れることと、まずは保冷剤でクーリングのアドバイス。保冷剤を脇の下や頭の下に入れて様子を見ます。「座薬、誰が入れますか？ジャンケン？」と言うと、伯父と弟は首を振って大笑いしています。「あっはは、かなわんな」３０分ほどして母たちが「パフェ、おいしかったー」と帰って来たので座薬は母に入れてもらいます。父、安定する。親戚たちは皆、それぞれホテルに戻って行きます。父に挨拶をしながら。
夕方、訪問医療の先生がいらっしゃいました。酸素のチューブから、マスクタイプの方に付け替えて下さいます。「皆さんでの集まり、成功したそうでお父さんもお喜びですね」
晩ごはん、ＴＰとふたりで、ふくちゃんラーメンまで歩きます。残念、８時に閉店しています。まだ緊急事態宣言中だからでしょうか、どの店も開いていません。仕方ないのでハローデイで刺身や寿司など買って帰ったところ、家の中が沈んでいます。「看護師のＫさんと、先生から、今夜がヤマって電話があった」と突然母が言うので「何で？さっき何も言っていなかったやん」弟にも尋ねてみると「知らん。今までの経験やない？」とそっけない。「何で？もっと説明して」と言ってもふたりとも知らんぷりなので、急に腹が立って「ふんっ！」と言って、バタンとドアを閉めて、父の部屋へ。ＴＰはバタンバタンと私が怒る音を聞きながらも、そっと寿司を食べていました。何か頭に来る！
ちょっと冷静になって、下に戻ると弟が私がバタンバタンと怒ったことに怒っていて、何でお前は自分を抑えられんのかなどと大きい声を出して、母は「私があんたの話しをちゃんと聞かんやったから怒ったの？」などとメソメソ。
すべてがイヤになった！私はＴＰにそう言って、もういい！東京に帰る！葬式にも出ん！と荷造り。ＴＰ「落ち着けって。まずは落ち着いて、冷静になってみ」とか言って。頭に来たまま、ビールを飲んで、さらに頭に来て、泣きます。「お父さん、あと２日はがんばってくれるやろ？今晩がヤマとか絶対無いよね？」と心で父に訴えます。
訴えたまま、いつの間にかふて寝してしまっていました。
