別府へ

朝起きると、母の人見知りは終わっていました。夕べ、持ち手を修繕した旅行かばんを見て、TPにも「上手く行ったやん!ありがとう」などと言っています。

それにしても実家のひとたちは、いつも時間がグダグダ。何時に出発するのかも曖昧です。父の遺影と位牌を紙に包んで、お寺に持って行くお菓子や果物、花も準備して、弟が借りてきたレンタカーに乗って出発です。平服でいいよと母が言うので弟は黒いジーンズと黒いTシャツ、「何ねあんたの格好!あんまりやろう」と早速母からディスられています。この日のために黒いズボンと、黒い革靴を用意してきていたTPはほっと胸をなでおろしています。

12時から法要だと言うのに、12時10分に叔父と叔母が駅に到着するそう。お寺の近くの空き地で一服します。オリジナルの家族たちも、ひとりは天国へ、ひとりは東京へ、ひとりは結婚して家族を持って、母ひとりが実家に残っています。だから久しぶりに会うと、持て余します。

母は、耳が遠くなっています。私が右側から近づいたのに気づかず、立ち上がってどこかへ行って「あれ?お姉ちゃんは?」とか言っています。弟一家が車で迎えに行った叔父叔母も到着して、お坊さんもいらして、良い声のお経が始まります。焼香をしたところ、その煙で私がむせて、咳が止まらなくなります。法要の席を抜けて外に出ます。そこに父が居るような気持ちがします。

外で聴くお経もいいもんだな。

一周忌が無事に終わって、弟妻と電車好きの甥っ子は電車で大分へ。残りのメンバーは車で大分へ。牧のうどんで昼ごはん。

牧のうどんは大入り満員。

私は子どもの頃から丸天が好き。

さ、いざ別府まで。

こうして叔父叔母と旅行するのも、年齢的に最後かも知れない。車内で母はずーーーっっと喋り続けています。「あそこの温泉、便秘に利くよ、一発よ」温泉を飲んだら、おもらしした話し、祖母の介護で大変だった話し、私と夜中に温泉に行った話しなどなどエンドレスです。

旅館に到着して、叔父叔母と母、弟一家と私とTPの2部屋、母は「部屋見た瞬間にがっかりしたよ」とか言うので、予約してくれた弟に対してひどいと思います。

3連休で、別府はどこも満室だったのです。弟よ、探して予約してくれてありがとう。夕食前に露天風呂、いいお湯!

夕食のお刺身で、九州に居るんだなと感じます。それにしても、妻の家族と親戚のなかでTPはどういう感情でしょう?自分の居場所が無いように感じるかも知れません、でもTP、何とか耐えてくれ、明日はTPの実家、スイッチ!

部屋に戻ると甥っ子が、旅館で借りたボードゲームをしようと誘ってきます。ボードゲームなんかしたくないけど無理やり参加させられます。それが思いの外、楽しい。弟一家と私とTPで大盛りあがり。ゲームの後、TPと旅館の周りを散歩します。明日は大分市へ行くので近くの駅の電車の時間も調べます。そして、満月。

亀川駅のすぐ近くに公衆浴場を見つけます。明日の朝、入ってから出発しよう!

さらに進むと漁港があります。すてき!夜の漁港。近くの駐車場で、若者たちが車2台で透明の液体のようなものをせっせと車に運んでいるのでシンナーか何か盗んでいるのでは?と写真を撮ろうとしてTPにやめとけ、と注意されます(が、念のため車の写真は撮っておきます)

住宅街で、洗濯物がのびのびと干されている様子を見て、心が広々とします。旅館に戻るとまだ夜の10時だというのに弟一家は爆睡しています。朝から色々ご苦労さん、車を運転してくれてありがとう、弟も色々と思うところがあるでしょう。兄弟がおって良かった。弟もきっと姉がいて良かったと思っていることでしょう。