眠ったり起きたり眠ったり起きたりしながら朝の8時過ぎ、ジャムジャム号は秋田県の大曲駅に到着しました。キオスクで買ったおむすびをホームで食べて、すぐに角館という駅に移動です。TP計画では「新幹線に何度か乗るかも」とのこと、急ぐなどの時間的な理由ではなく、時刻表を見ると本当に「ほぼ新幹線しか」走っていない路線が!何ということだ!
こまち。わずか数分で角館駅に到着します。
武家屋敷に向かう途中、この町出身の新潮社の創設者を記念する図書館があります。
Yonda?
感激ー!角館(かくのだて)という場所に私は来たいとも行けるとも思ったことがなかったけれど、来てみてびっくり、ものすごく美しい場所。
武家屋敷の通りには、武家丸(ぶけまる)がじーっとしています。
はしゃいで、冷やし甘酒なんか飲んじゃいます(おいしいったらない)。
入館料を払って一番大きい武家屋敷に入り、その家に出入りしていた画家(解体新書の挿絵)についての絵物語を真剣に読みます。
ところで、秋田県のたんぽぽの綿毛は、私がこれまでに見たたんぽぽの綿毛よりも背が高いような気がします。
角館の駅前でもらっていた地図を広げてTPが、どうしても桜並木の方を歩きたいと言うので、桜なんかもう咲いていないのになぜ?とは思ったものの行ってみると!川沿いで、木陰になっていて夢のような道です。これなら何時間でも歩けそう。それなのに突然TPがシャックリが出始めて「さっきあそこを通ったときさ…ア゛ッー!」「これから醤油蔵に行って…エ゛ーッ!」と語尾が雄叫びになるので恐ろしくてなりません。自販機でお茶を買ってペットボトルの向こう側から背を丸めて飲んでもらいます。すぐ治った。
安藤醸造へ。
寒こうじ、というものをまぶしたキュウリの試食があまりにもおいしくて、こうじを書いたかったけれど、まだ初日、荷物を増やしたくないので泣く泣く諦めます。
そろそろ昼ご飯。稲庭うどんと、比内地鶏の親子丼がセットになった定食を食べます。美味しい!
喫煙場所から、ぼーっと眺める角館の駅。山を背負ってのどかだ。ここからはまた新幹線に乗って、田沢湖駅に行くらしい。
旅程係、いえ、旅の隊長のTPは新幹線に乗っても忙しそうです。
田沢湖駅で新幹線を降りたら、今度はすぐにバスに乗って山へ。乳頭温泉とやらに行くらしい。バスで数十分。途中の高原で、ぜったいにキツネの子どもだろうという生き物を見ます。キツネの子は草原の真ん中でひとり、風に吹かれながら遠くを見ていました。黄金色の毛をなびかせて。
「ちょっと!これ、ふきのとうやない!?」きっとふきのとうが伸びたものだと思う。今からでも、もいで、天ぷらにして食べられないだろうか?
それにしても、乳頭温泉の日帰り入浴はすばらしい時間でした。と言いたいところですが、ブナの木をただ眺めながら露天風呂でうっとりしていると、小さい虫が頭や顔の周りをつねにブンブン飛び回って、とてもじゃないけどゆっくりできない。その分、内湯でゆーっくりして、またバスに乗って田沢湖駅に戻ります。
秋田県の田沢湖駅から発着するバス、座席の上下に波打っている配置が、ものすごく不思議だと思います。どうしてもこの設計にする意味があったのでしょう。
行きにキツネの子どもを見た草原を、帰りもしっかりと見てキツネの子どもを探しますが、もういませんでした。
田沢湖駅で、明日のバスの時間などを確認します。「わるいごはいねーがー!」包丁をぶん回す練習をします。
今日は田沢湖駅の近くで宿泊するそう。田沢湖駅から徒歩3分ほどのスーパーに立ち寄ります。移動、移動でくたびれたので、もう晩ごはんもビールもここで買っちゃいます。
この街の風景のどこかに、本日のお宿が。(素泊まりひとり3500円だって!)
馴染みのある、和室に清潔なお布団。
全室禁煙と聞いてビビっていましたが、宿の方はとても親切で外用の灰皿を貸してくれました。夕焼けを眺めながら一服していると、遠くから、お婆さんの集団が仲良くおしゃべりしながら近づいて来ます。どれだけ眺めていても、なかなか近くならないほどのゆっくりさ。やっと近くに来たと思ったらスナックのあるビルにそれぞれ出社されて行きました。夜の女たち、どうか今夜も商売繁盛しますようにと陰ながら祈ります。
今日はもう温泉に入ったから、共同浴場は使わずに、共同トイレだけ使って、お布団に寝転がってテレビを見るだけ!ぜいたくな時間!秋田県のあちこちに、クマの出没情報があるそう。もし出会ったら、キックするか、それとも頭と首筋を両手で抱えてアルマジロポーズを取るか、悩みどころです。