朝5時起き!夕べから、荷物を整えているのですぐに出発できます。ホテルで借りたドライヤーの風量がとっても弱くて、昨日たっぷり洗った洗濯物がすっきりとは乾いていません。手ぬぐいに包んで、リュックに入れます。TP「臭っ、Tシャツ一枚死んだ」昨日買った石鹸は香りが無かったから、仕方ないでしょう。

そんなことよりも!昨日、行けなかった地元のひとたちが行列を作る食堂に、朝6時に行ってみました。なかなか開店しないので、お隣の女性に時計を見せて指差して、疑問みたいに首を傾けてみせると、紙に英語で、彼女たちは6時から6時半の間に店を開けると思う、と書いてくれました。テリマカシーだよっ。やがて軽トラックが、荷台に竹籠やタッパー、ステンレスの容器、ホーロー洗面器に竹のザルが被せてあるものをたっぷり運んで来ます。どんどん並べられて行くお惣菜。

開店した!英語を書いてくれた女性に、身振り手振りでどうやって注文するか尋ねると「スパイシー、ノットスパイシー」と教えてくれます。30分も行列に並んだので、食堂では食べずに、持ち帰りにします。「テイクアウェイ!」と言われたので「テイクアウェイ」と答えます。ホーローの洗面器を指さしてくれるので、私は頷くだけ。首を一度も横に振ることなく、何となくお弁当は完成しました。持ち帰り弁当2つで90K。

まだ温かい弁当を持って、駅へ。ホームにいたお掃除している男性にジョグジャからジャカルタ行きのホームを尋ねると、ここに停まっている電車を抜けると教えてくれ、出発間際で発車ベルが鳴っている電車に入って、抜けて、ひとつ向こうのホームへ。

夕べチケットを買っていたTAKUSAKA号は、走り出します。そしてお弁当は、しみじみと美味しい。TPは何度も「おいしっ」と言っています。鶏肉煮物、ジャーキー(何らかの肉)、青菜炒め(何らかの葉野菜、苦め)、そぼろカレー、煮卵、厚揚げ、煮凝り。お弁当に煮凝りがはいっていたのは初めてですが、出来立てのお惣菜、大満足、またジョグジャに行くことがあったら、絶対に買って食べたい。


今日は6時間もかけて移動するので、途中の喫煙問題を密かに心配していたものの、喫煙者の勘で、駅に停車したら、ホームでタバコを吸う現地のひとたちがいるはずと見込んで、実際にそうでした。1回めはトイレに水を注入する作業のある間。斜め前の不良ぽい青年たちもホームで一服しているので、彼らがいる間は私も携帯用灰皿で一服。

(TP、何か書いてる)

二度目は、電源の点検。ホームに男たちがわらわら降りて一服し始めたのを見て、私も一服します。

あと1時間で到着。食堂車に行きます。料理長が、任せとけ!みたいな感じでフライパンを2つ使ってジャンジャンと作ってくれたものは、ナシゴレン(TP)と、Sep Soiみたいな料理(私)です。

ジャカルタに近づくに連れ、線路際にものすごい量のゴミも増えて来ました。途中の水田の地域でも、プラスチックゴミは大量に、どこにでもあったけれど、都心のゴミはその量が違う。高架下では、少年たちがタイヤに座ってタバコをプカプカ吸いながらトランプをしています。壁のない家ではおじさんたちがトランプとお札を広げて何かゲームをしています。ジョグジャでも、三輪タクシーで夜を過ごすひとたちをたくさん見かけて、出稼ぎかな?とか思っていましたが、都会に近づくとと、もっと路上のひとたちが増え、一度も洗濯したことがないようなTシャツを着ているひとたちも増えて来ました。

到着時刻どおり、駅に着いたけれどジョグジャで切符を買ったときに伝えた駅名と違いますが、ここが終点だと言うので、降ります。やられた、Gambir駅という知らない駅が終点だった。ひとまずローカル線に乗るのは現金じゃダメと検索していたので、e−moneyというカードを買いたくてコンビニっぽいところで「イーマネー」と言うと首を横に振られます。改札を出ると、トントンと女性が肩をたたいて「イーマネー」眼の前のコンビニを指さしてくれます。さっきの会話を聞いてくれて、心配して見守って着いてきてくれたってこと!まるでいつもの私のような行動、テリマカシーと言ってコンビニでイーマネーカードを買って(店員さんと意思疎通できず、よくわからない金額で買った)外で一服します。(植木鉢みたいなものが灰皿)

駅員さんに2度尋ねても、ここから今日の宿のあるコタ駅までは地下鉄も電車も無いとのことで、別の駅員さんに尋ねると、この駅にはローカルトレインは止まらない、まずこの道をまっすぐ歩いて「ヒストリカルテンプル(巻き舌)」が見えたら、少し右に曲がって(と腕でジェスチャー)、「カルテドラルッ(巻き舌)」を抜けたら、コタ駅までの電車があると教わります。わかりました、ヒストルィカゥルテンプルを抜けて(駅員さん、大きく頷く)、カルテドラルッを通ったら、トルレインステション(駅)で、コタね!と聞き返して、大きい頷きをもらって、歩いて出発します。雪だるまの帽子が見えたのでこれが歴史ある寺院だろう、と思います。

教会が見えたので、これがカテドラルだろうと判断します。30分歩いたね。ローカル線があるという駅までたどり着いても、改札がさっぱりわからないので駅員さんに「コタ駅に行きたい、入口がわからん」とつたない英語で尋ねると「オーケー、まず階段を降りる、シューッと(ジェスチャーで高架下を抜ける)、階段を上がる」と教えてくれます。コタ駅行きの電車に乗るときも、ガリッガリのおじいさんが「英語喋れる?」みたいな感じで自分はガイドだと言ってくれたけれど、断ったのにしばらくして急に肩をトントンとされたものだから私が驚いて「ギャーッ」と叫んでしまって、ごめんごめん、ガイドはいらん、ごめん、ジャンガジャンガジャンガジャンガ・・・みたいにワチャワチャしたけれど、とにかく電車には乗ります。30円くらい。

ある程度混み合っていた電車で、そこだけ空席があるところがあると思ったら、ホームレスのひとたちが座っている場所でした。消毒液を肩から下げた駅員さんがやってきて、ホームレスのひとたちが座っているところを重点的に消毒しています。

20分ほどで到着したコタ駅、改札の駅員さんに今日のホテルの住所と地図を見せると、バイタクかバスで行った方がいいとのこと。バス停で、係の方にホテルの住所を見せると、まずは12番に乗って、3つ行ったら降りて5番に乗り換えたらいいと言います。(この時点でもTPは、歩いてホテルまで行こうと誘ってくれていたけれど2.4キロくらいあるそうなのでワンチャンバスで調べさせてと言った)12番の電車では、降りるバス停の名前を係員のひとに書いてもらった紙を周りのひとに見せて「ディスバス?」と聞くと、頷いてくれるひとたちの中に「これ」と声が聞こえます。振り向くと、粗品そっくり。「あれ?日本語?これって言った?」と日本語で聞くと、ニヤッと笑って、イヤイヤみたいに手を振ります。粗品君含め、バス停を尋ねた彼ら彼女らが、目的のバス停に到着するまで熱視線で見守ってくれているので安心です。TPが停車ボタンを押そうとすると粗品似くんが「ノー」と言ってくれ(壊れているというより、押さなくても全バス停に止まるらしい)、バス停に着くと粗品似くんが「ここ」と言い(あれ、ここって言った?日本語やない?と聞くと首を振ってニコニコするだけ)、見渡すと近くの方たちみんなが頷いて降りろと目配せをくれます。降りたら目の前に到着していたのであわてて乗り換えた5番バスでも念のため地図を見せると、スカーフ姿の女性たちが、逆、逆、みたいにみんなで話し合ってくれ、次で降りて引き返せと言います。「逆?」と言うと、頷いてくれます。私、ほとんど日本語しか喋っていないのに、意思疎通ができる不思議ったら。テリマカシー。乗り換えて戻るバス停では、その会話を聞いていたらしい係員さんがスマホで検索してくれていたらしく、2つめで降りると教えてくれます。テリマカシったらないよ、本当にインドネシアのひとたちに助けられっぱなしだよ。

バス停で降りると、そこは地球の歩き方の地図からも、持参のホテルの地図からも外れている地区でした。何となく高架下を歩けばいいかと思い、途中で警察のひとに尋ねるとホテルに電話してくれ、この道路沿いをずっと行くと良いと教えてくれます。20分歩いて、30分歩いても、ホテルに着きません。ブオンブオン対面から走ってくるトラック、バイク、乗用車、歩道は蓋がガボッと外れているので歩けない、車道を歩くのにもくたびれて、少し道を曲がって大通りを歩きます。何度もすれ違うひとたちに地図と住所を見せるものの、誰も知らないと首を振っています。誰も見かけなくなってきた頃、路上カフェにタバコを吸ってたむろしている青年たちがいたので、地図を見せると、最初はうぜーな、あははみたいに鼻で笑われ、知ってる?俺知ってる、みたいな間があって、誰かが逆方向だと言います。嘘でしょ?もう1時間も歩いています。テリマカシと言って、逆に戻り始めてしばらく歩いていると、さっき道を聞いた高校生くらいの男の子がバイクに乗ってヘイッと声をかけてくれ、座席をトントン、ここに乗れ、と言ってくれます。思わず、あー、ありがとうとTPと言って、高校生の後ろに私、その後ろにTP、何て気持ちのよい青年なんじゃと3人乗りでバイクは走り出します。よくテレビで見るような大量のバイクの道、轟音、危険なカーブ、クラクション、ここで死んでも仕方ないとTPとも同じことを考えていたら、まさかの最初に降りたバス停に。私が見せた地図には、そのバス停の名前が書いてあったので、そこだと思ったそう。後から仲間がバイクで追ってきてくれ、その辺のおじさんに、私たちのホテルの地図を見せては一所懸命、尋ねてくれています。TPもその集団に近づいて。私とふたりになった運転してくれた高校生A君がが「チナ?(チャイナ)」と言うので「ジパン(日本)」と言います。インドネシア語で何か質問してくれているけれどわからないので、「ボルブドゥール、ジャカルタ、ジパン」と伝えます。あー、ボルブドゥールね!みたいな感じで。どれだけ待ったでしょう、不良少年のB君とC君がスマホをかかげて、ナビするぜ!みたいに戻ってきます。おじさんが教えてくれたらしい。そこからは、またTPとノーヘル3ケツの暴走、B君C君はスマホをA君に見せながら先導、めちゃくちゃ飛ばさないとかえって危ないのがジャカルタ、爆音、轟音、クラクション、運転手A君がインドネシア語で、もうすぐだよと言ってくれたと思ったら、私たちが予約したホテルが見えていました。ありがとう以上の言葉がもうありません。バイクを降りて、不良少年A君、B君、C君に心からお礼を言って、せめて写真を撮らせてと頼んで、私が持っているもので渡せるものは日本のタバコ、アメスピだけ、1箱で本当ごめんと渡して「ジパン?」と喜んでくれ、手を振って別れます。彼らのキラッキラした目と、到着した時に我が事のように喜んでくれた笑顔を目に焼き付けて、どうか神様、彼らが充実した人生を送ってくれますようと、心から祈ります。

TP「いやー、何をお礼しようかと思いよったら、門がタバコ渡してくれてよかった。やっぱり物が一番いいもんね」「お金にしたら、彼らの無償の行為が汚されるような気がして」

そんな思いでたどり着いた宿は、一歩入った瞬間から、カビ臭い宿でした。部屋に入ってみると、ドブの臭いがする宿でした。

完全に予約失敗したな(ここに泊まろうと言ったのはわたし)。私はまず、コンクリのバスルームでシャワーを浴びます。カビだらけだからとにかく急いで。ベッドに潜り込むとどういうわけか身体がかゆくなります。そして、別の宿に移ろうと決めてパソコンで検索をしてみますが、TPはシャワーを浴びて、テーブルで何やら書き始めています。「臭い」と言うと「そう?俺は気づかんやった」とのこと。何ておおらかなひとだようっ!私はとにかくこのひと晩をやり過ごそうと、眠るしかない、でも臭くて眠れない、ホテルのひとに臭くて眠れないと言うと芳香剤を持ってきてくれ、シャワールームと、エアコン周りにたっぷりと芳香してくれます。スコールです。

ホテルのすぐ隣りが、コンビニってのは助かりました。店員さんにカップ麺を2つ見せて「ディス、アンド、ディス、ウィッチイズGOOD?」と尋ねると、すぐさまそっちと指さしてくれた方を買います。TPもどこから来たのと尋ねられてジャパンとか答えています。

壁際のテーブルは細いし、椅子も1つしかないので、持参のレジャーシートを広げて、夕食を食べます。

臭くて眠れないけれど、青年A君、B君、C君たちが無償のホスピタリティで送り届けてくれた宿やし、手ぬぐいを顔に巻いて、痒いのを我慢して、何とか眠ろうと努力します。TPは細テーブルで何かを書き続けています。眠れないので外でタバコを吸います。神様、せめて今日一日、私の嗅覚をどっかに放りだしてください、ドブの臭いの部屋よりも、カビの臭いの廊下の方がまだマシ、ドアを開けて空気を入れ替えて、窓ははめ殺し、それでもあと数時間したら朝が来る、そう信じて。ジャカルタでは猫もひとも、安心しきっています。この街でゆったりと暮らしている街ゆくひとたちを眺めながら、長めの一服を何度か繰り返して、あきらめて、眠りに落ちます。