お土産物語

夕べ、義弟のSに「明日、東京駅で集合する?それともウチに来る?ウチに来たら、厚焼き玉子サンドが食べられるよ」と言っておいたら、朝、来ました。

「どうぞ」と出したはまの屋パーラー風玉子サンド、自慢の一品、義弟もTPママも喜んでくれています(おそらく)。

地下鉄を乗り継いで、東京駅へ。

予約したスカイバスに乗り込みます。それにしても、昨日も今日もいいお天気、よかったねーと言い合います。

TPママがどうしても行ってみたいと言っていた、東京スカイツリーへ。地べたにおしりをついて記念写真を撮ります。すると、TPママ、急速にスカイツリーへの興味はなくなって、買い物に走る!これまで、ヨタヨタと私やTPの腕をつかんで歩いていたのに、買いたいものがあると、タタタッと駆け寄って買い物している!笑点の雷おこしを買って、うさぎのカステラを買って。

TPママがどうしても買いたいという「ごまたまご」は、反対側のビルにあるらしい。TP、使いっ走りにさせられる!急に足の悪い老女になって、私と手をつないで待ち合わせ場所のバス停でTPを待ちます。「遅いなー、何しちょるんやろか」とか言っちゃって、きっと汗だくで駆け回ってごまたまごを探しているTPには、とてもじゃないけど聞かせられない。義弟Sが、スカイツリーを背景にもう少し写真撮ろうと言ってもTPママ「もういいよ」と断る!TP、ついにごまたまごの紙袋を掲げて戻って来る!

「次はどこ行くの」「浅草」。TPママが行きたいと言っていたので、スカイバスで向かいます。バスを降りた途端に「どこ行くの」「浅草」「またバス乗るの?」「いえ、少し歩きます」

浅草寺へ。「ものすごいひとやね」と言いながら歩く参道、TPママと手をつないで歩いていても、バッグやら人形焼やらの店では私の手をパッと振りほどいて駆け寄る!そして何だかわからないクジ引きにもタタタッと駆け寄ってクジを引いて、アニメキャラクターのアクスタが当たったら「何ねこれ、いらんなー」と言う!

人混みをかき分けて、何とかお参りを済ませます。浅草寺から階段を降りるのも「よいしょっ、よいしょっ、よいしょっしょ」と手すりをつかんで大変そうです。

商店街を抜けて正面まで戻ります。私がかまわぬで手ぬぐいを買っていると、TPいわく「門ちゃん、何であんなもの欲しがるんやろう」とか言っていたらしい。そしてまた、雷おこしの店でTPママ、商品に駆け寄って動かなくなります。

さ、お昼ごはんにしましょう。「昨日の美容院のお礼、今日の昼と、夜は私にご馳走させて」とのこと。それでも、年金生活のTPママは2千円以上のランチは「高いなー」と入ろうとしません。大通りを端まで歩いて、電気ブランのレストランへ。「門ちゃん、ビール飲んだら?」遠慮なくいただきます。「お義父さん、何歳で最初の心筋梗塞になったんですか」「48やね」そうか、私はTPパパが病気になってからしか会っていないので、その前の人生が遠く感じます。

浅草の田原町から、またバスに乗って。スカイバスの方が、観光が楽かなと考えていたものの、足が悪いお年寄りには、かえって上がり下りが辛いよう。今回は1階があるバスが来たけれど、次はどんなバスが来るかわかりません。

上野で下車します。バスを降りた瞬間「次はどこ行くの」「上野ですよ、西郷さん」すべて、何度も打ち合わせたことで何なら直前にも上野の西郷さんですよと伝えていますが、思うに都会の情報量が多すぎるんでしょう、さらに自分で組んだコースじゃないから、目の前のことが曖昧なのでしょう。どちらにしても、上野駅に到着です。私が「一服するけん、西郷さん待ち合わせで!」と喫煙所に駆け出そうとすると「いいよいいよ、待つよ」とのこと。

いよいよ西郷さん。TPママは「西郷さんとハチ公」と何かの情報が混線したようなことをつぶやいています。「西郷さん、かわいらしい顔しちょるなあ」

また手をつないでアメ横へ。菓子屋を見つけると手を振りほどいて駆け寄っています。「これ、◯ちゃんに買おう」315円の餅菓子を2袋お買い上げ。アメ横を通り抜けて、休憩のためにお茶しようとしても、どこもかしこも満席、またスカイバスに乗ります。今回も1階は入れないと言われたものの「母が足が悪いので、そのへんでいいので座らせてもらうことはできますか」と尋ねると、快く座席のあるカーテンを開けてくれ、普段は使われない席に座ることができます。「門ちゃんが何でも聞いてくれるから助かるわぁ」バスの1階からは、日本橋、丸の内、皇居の石垣、十分に東京観光ができます。TPママはちらっと見ながらも、ところどころでウトウト。

ゴールの東京駅。TPママがまだまだお土産を買いたいと言うので、駅の構内へ。洪水のような人混み、みんなヘトヘトです。どうしても買いたいものが見つからない様子、TPと義弟Sに「1000円以内で、箱に入って見栄えのするもの」を探してもらって写真に撮ってきてもらうことに。壁際でふたりで待っていると「あのひとたち、何しよるんやろう、遅いなー」「二人とも優しいんですね、一所懸命探してくれているんですよ」「それにしても、東京ばな奈ってよう売れるなー。もう東京ばな奈でもいいかな」ようやくTPたちが戻って来たら「東京ばな奈にしようか」とか言うので全員ズコーッとなります。何とか説得して地下に降り、銀の鈴のすぐ近くに、TP兄弟おすすめのお土産がありました。「かりんとう?好かん」すぐ近くのお店で小さいおせんべいが10枚、千代紙の箱に入ったものが660円。「お義母さん、これどうですか?」試食が無いので小さいものを買ってその場で食べてもらうと納得したようで、3箱買って、少し考えてまた1箱買っています。「門ちゃんありがとう。これいいわぁ」喜んでくれたようです。江戸折り紙 – 富士見堂 安くて軽くて、お手軽なお土産です。

みんなでウトウトしながら電車に乗って新宿に戻ります。「降りるの?」「はい」「ここどこ?」「新宿です」TPママが「みんなでごはん食べよう、ご馳走させて」と言うけれどまだ17時。500円くらいのうどん屋を見て「ここは?」と言うので、もう今日は帰りましょう、解散!と駅で別れます。今日、TPママは義弟Sのアパートに泊まります。ふたりでどんな感じで過ごすんだろうとTPと話しながら帰ります。

家に帰って、TPママが買ったお菓子をコンビニから宅配便で大分に送ります。それにしても、TPママの足を直せる名医はいないだろうか。東京で、一緒に暮らしませんかと言うつもりだったけれど(TPと話し合ったわけじゃないけれど、その可能性を尋ねてみたかっただけ)、足の様子を見ると、とてもじゃないけれど都会で暮らさせるのは可哀想だと思ったし、あれほどお土産を気にするのも人生初飛行機での上京を友人やご近所さんにあれこれ宣伝して、いろんなひとから電話をもらって励ましてもらったからです。お義母さんが作り上げたコミュニティを、取り上げることはできない。それでもワンチャン、可能性だけ尋ねてみようかな。美容院も受け入れてくれたし、もしかすると「いいよ」と言うかも知れないので。