あの素晴らしき七年

monna88882016-07-24

日曜日。寝ていたつもりなのに、寝汗をかくような夢をたっぷり見て、起き出して、畳の上であらためて眠りました。しばらくするとピンポンが鳴って、お届けものがありました。風邪をひいた最悪の体調で玄関を開けて、受け取ってみるとTPの同僚の人が冗談のように送ってくれるお中元です。たっぷりにペットボトルに入った北海道の水で煎れたコーヒー。すぐに氷を入れたコップで飲んで、お替わりして目を閉じて味わいます。


サウルの息子 [DVD]

サウルの息子 [DVD]

サウルの息子。TPが、廃人と化した私を見て何とか元氣づけようと思ってくれたのでしょうか、それともうんざりしたのでしょうか。DVDを借りてきてくれました。リアルっぽくて、それでいて白々しいところのある映画でした。それでもなお、主人公視点だけに特化したカメラには、圧倒されます。だけど、厳しい労働環境にある中で、主人公があちらこちらと自由に動き回っているのは、変でした。


あーあ、明日は月曜日。また遠いところまで通勤せねばならない。何より、風邪をひいて喉はぜーぜー、熱はカッカと上がって、頭はキンキン。それなのに眠ることができない。風邪って大嫌い。一度寝たのに、4時間後に起きてしまって悲しくなって、読みかけの本を読みます。

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

本屋で表紙を見た瞬間にキャッとなったけれど、キャッとなるまいと押さえて家に帰ってきたものの、Yさんのブログやら、たまたま出会った人たちからの評判やらでこれは読むべき本だと教えてもらって買った本は、途中まで読んで大切にしたい本だったけれど、今日のように「明日は絶対に会社なんて行きたくない!もう仕事辞めたい!一体あたしの人生は何だったんだ!」と氣持ちが暴力的になって納まらないときに、最高の、極上のユーモアを与えてくれます。本当に素晴らしい本。作者が接する全世代、作者が出会う全方向、作者が訪れる全世界のことが、まるでご近所へお買い物へ行ったかのように描かれています。イスラエル在住のユダヤ人だから。いつだって自国を離れるとユダヤ人だと言うことを世界中から認識させられるのだから。私だって東京の街に住んでいると、九州で育った自由な猿が悲しく思う瞬間がたくさんあるのだから。だから風邪だってひくんだモン。

夜中の起きて読んだ本は、驚くほどに私を励まして、笑わせて、じーんとさせてくれる本でした。出会って良かった。