満腹空腹

ＴＰが誘ってくれて池袋へ遊びに行って、久しぶりにポケットティッシュをもらいました。約２０年も前、東京に遊びに出てきたころは、ポケットティッシュだけでティッシュは買わずに済んだほどもらえたような氣もしますが、どうやったかいな？

村上ラヂオ2: おおきなかぶ、むずかしいアボカド (新潮文庫)

村上ラヂオ2。Ｍ文庫から取り出して読んだ本は、何かが足りないと思っていたところの何かをくれるようなエッセイ本でした。電車に乗って、池袋へ行って、喫茶店に入って、帰ってくる。その間、文字のひとつひとつの並びと、その空氣が染み入る、こんな本を読みたかったんだっと大声で誰かに言いたいような本。ちょっとだけ大きな声で、ＴＰにもそう言ってみました。

余命3カ月のガンが消えた1日1食奇跡のレシピ

余命3カ月のガンが消えた1日1食奇跡のレシピ。お仕事の日の昼休み、この本を買って読んで、家に帰ってからも読み続けていると、どうしてか食欲が失せました。とりわけ何だか、昼ご飯が食べたくない。食べたくないんじゃなくて、食べなくていいという感覚？少しの間、身を任せて身体の言うとおりにしていますが、自分の輪郭をつかむことができそうな感覚に、秘かな喜びを感じます。野生？それとも今だけ？これまで何度も訪れた、お腹をちゃんとすかせたい感覚。いつまで？

ＴＰがさり氣なさを装って池袋へ誘ってくれたのには、理由がありました。ジンギスカンを食べたかったようです。私は夕方になってもどうしてもお腹が空かなかったので、ごめんねと家に帰ります。ジンギスカンってそんなに食べたくなるものなんだな。子どもの頃から馴染みがなかったけれど。晩ご飯は、奮発して牛のお肉を買って、塩だけでジュッと焼いて、モヤシを添えました。その美味しいこと！また今度、羊をお腹いっぱいに食べたくなったら、ジンギスカンへ行ってみたいかも知れない。今は行きたいと思っていないけれど、きっと行きたくなる日が来るだろう、そう思っています。