もう今日はいったい何日だろう。でもやっぱり、日本に帰らないわけにはいかないから、早起きして宿をチェックアウトします。無人のカウンターに鍵を置いておくだけ、色々と情報を教えてくれたKさんに「ワーホリ、楽しんでくださいね」とメッセージを添えて。
昨日下見しておいた、セントローレンスマーケットで朝ごはんを食べます。「ベーコンサンドイッチが有名」とTPが言うので、それらしきものがある店で。コーヒーまずっ。カナダにきてこんなに香りのないコーヒーを飲んだのは初めて、これならティム・ホートンズの方がいいわ!
まだ朝なので、観光客の少ない市場をウロウロ歩きます。今回はあまり買い物をしなかったな、赤毛のアンのマグカップと、たまたま見つけたリュックだけ。
カナダの人参は、ほぼゴボウの太さだということを知って、
パンを買って持って帰ろうか悩んだけれどカチカチになるだろうから諦めて、職場へのお土産にチョコやクッキーなどを買って。あ、私、働いてたんだった。戻ったら仕事があるんだった。忘れとったわ、今の今まで。
TPが「しまった!」どうやら、セントローレンスマーケット名物のベーコンサンドイッチは、朝食を食べたカフェじゃなくてマーケット内のテイクアウトの方だったらしい。「中国の団体が、みんな食べてる。しまった」私はTPがあまりにも可愛そうで「そっちも食べたら?もう来られんよ」と言ってみますが、さすがにお腹いっぱいだそう。外に出て、朝食のカフェの写真を取っていたところ、テイクアウトの店とカフェの店の名前は全く同じ、つまりTPが食べたベーコンバーガーも、その有名店のベーコンが入っていたのだとわかって、二転三転して、とにかく良かったやん。
さよなら、トロント。
昨日、下見しておいたしチケットも買っておいたので、空港行きの電車に乗ると、アナウンスも無く電車はスーッと走り出します。
初日と、翌日のシャーロットタウン行きの飛行機、今日。もう3度めのトロント・ピアソン国際空港、勝手知ったる我が家。待合室になぜかスズメが入ってきてしまっています。出発を待つ間、生ビールを飲んでみます。隣りのテーブルでひとりで食事していた韓国人風の女の子が、スマホ片手に、もう食べ終わりそうなハンバーガーの最後の部分を床に落としてしまって呆然としています。生ビールについていた紙ナプキンを手渡してみると、じっと私の顔を見て、とてもうれしそうにお礼を言ってくれます。しばらくして、サンキューと言いながら小分けしたクッキーとチョコバーみたいなお菓子をくれます。私は、小さいことで交流できたことがうれしい。ありがとう!とお礼を言います。
いつの間にか離陸した飛行機で、また機内食。ホットティーと頼んだらウィスキーが出てきたので飲みます。通路側には、日本からの団体旅行の女性。TPが「すみません、お手洗いに行くときに通していただくかも知れません、なるべく回数減らしますんで」と挨拶すると「ダメよ、膀胱炎なっちゃう」と快く席を立ってくれそうです。
ぐうぐう眠ったり、起きたりを繰り返していると、またカップヌードルタイム。今度はちゃんとスープがありました。全部食べてみます。カナダ、本当に行ったんだろうか。嘘だったんじゃないだろうか。でも足元には確かに花柄のリュックがあるし、TPのリュックの中には私の使い古したリュックがある。座席上の荷物入れには、職場へのお土産もある。どこにもたどり着かない飛行機に永遠に乗っているんだと言い聞かせて、永遠と思える時間を過ごします。