真っ暗な街、静かな夜

ドーミーインでの朝風呂。4時45分に起きて、バスタオルを持ってエレベーターで最上階に上がり、温泉にちゃぽんと浸かります。じーーーっと温まってから、着替えて出発です。

 

05:52 小樽発→06:37 札幌着

06:48 札幌発→10:58 釧路着

釧路からバスに乗って、アイヌコタンのある阿寒湖まで。今日の宿はTPが夕べヘロヘロになりながら予約してくれた、阿寒湖近くの民宿です。

14:50 釧路発→16:50 阿寒湖着

f:id:monna8888:20201113054331j:plain夕べ、コンビニで買っておいたおむすびを食べながら札幌行きの始発電車に乗ります。

f:id:monna8888:20201113061538j:plain

小樽から札幌へは約40分ほど、ようよう白くなりゆく。左側にずっと見え続けている海から、朝日が上がって、出勤やら通勤やらのひとたちの顔、顔、顔を染めています。このひとたちは毎朝のように、朝焼けと共に出勤や通学をしているのかな?雪の日なんかは仕事に行きたくないだろうな、でも海を見ていたら励まされるかも知れません。

f:id:monna8888:20201113092244j:plain

札幌からJR特急おおぞら1号・釧路行。おおぞらの、最初の「お」にアクセントがあります。大島、とか近江とかのアクセントに近い、おぉぞら、と車内アナウンスは発音しているようです。JR乗り放題の切符は、水戸黄門の印籠のよう。どの線にもどの特急にも乗り放題降り放題です。

昨日の夕方、ホテル近くの紀伊國屋書店で、佐藤泰志の小説を買おうとしていました。「あの、北海道出身の佐藤何とかさんという方の文庫で、ほとんどの小説が映画化されていて」せめて作品名とか…と検索してくれている新人店員さんと、すぐそばで聞き耳を立てている先輩店員さん。私は、あっと思い出して「そうだ、そこのみにて光輝くという小説があったはず、それは買いたく無いんですけど」と大きめの声で言うと先輩店員さんがすっ飛んで来て「佐藤泰志ですね」と新人さんと検索を代わって調べて下さいます。「そうでした!佐藤やすし。泰然のタイと…」「こころざしです」頼もしい先輩店員さんが検索してくれたものの、この書店には在庫が無いそう。新人店員さんに「では、北海道出身の方の小説を読みたいんですけど」と伝えると、目をパッと輝かせて「小樽出身の方で、最近出版された文庫があります!お持ちしますね」とすぐに持って来てくれました。表紙を見てつい「これ系か…」と小さくつぶやいた私はバカ。ちゃんとあらすじを読んでみると、薬膳と出てきて面白そうだったので買ってみます。新人店員さんも喜んでくれます。「ご旅行ですか?」と聞かれて「はい、初めての北海道で」「楽しんでください」「本、教えてくれてありがとうございます。楽しみです」「ありがとうございます」などといい時間を過ごして買った本を、昨日の夜から夢中になって読んでいます。何て可愛らしい小説なんだろう。デパートの化粧品販売スタッフが主人公で、仕事の人間関係の悩みやら、就活の悩みやら、そして小説の中のおいしそうな料理やら、とにかく可愛らしい世界の物語に没頭して、釧路までの移動で読み終えます。 

f:id:monna8888:20201113103546j:plain

さて、TPはどうしても帯広で豚丼を食べたかったようですが、今回は予定にはまらず、泣く泣くカットしているそう。せめてもの、帯広駅を通るときに「もし、この駅で降りて、豚丼なるものを食べていたとしたら」という妄想をしてみたり。

f:id:monna8888:20201113111119j:plain

朝の11時頃、釧路駅に到着しました。地元のひとも、観光客も、ほとんどひとが歩いていません。

f:id:monna8888:20201113113045j:plain

TPが「勝手丼食べよう」と言うので、本当に勝手に、ウニ、タコ、白身魚を中心に丼を完成させます。贅沢…タコが美味しいのでタコだけお替りします。初めて食べた八角という刺身も美味しい。

f:id:monna8888:20201113114657j:plain

f:id:monna8888:20201113122021j:plain

人通りの少ない街。

f:id:monna8888:20201113123933j:plain

駅前の大通りを、川まで歩きます。

f:id:monna8888:20201113124618j:plain

「北海道水よ!」と持参の水筒に水を汲んで。

f:id:monna8888:20201113132323j:plain

ほとんど店は開いていません。炉端焼の店を探してみるもののどこも営業していません。ぐるっと街を歩いて、ヤマダ電機へ。TPはロッテがCSに出場するものだから、デーゲームの野球をせめてラジオで聴きたい、ロッテのHPでもNHKで放送があるって書いてあった、とのこと。ガラガラの店内で、TPは携帯ラジオを買っています。私はぷらぷらと店内を散策してトイレへ。「トイレリフォーム+家電同時購入プラン、お支払いはなんと!月々3,000円X120回払い」という張り紙の「120回払い」にえっ!となります。120回払うってことは、返済完了まで10年かかります。この土地の方たちに響く売り文句が120回払いだとしたら、景氣は大丈夫なんだろうかとか想像してみたりします。

f:id:monna8888:20201113140654j:plain

これからの旅程のことやら、宿のことやらTPが検索するのでヤマダ電機内の無料Wifiがつながるというカフェでひと休み。何せ、阿寒湖行きのバスが出るまでに1時間30分ほど時間があるので。ゆーったりと、ネット検索してこれからの旅程を話したりします。

f:id:monna8888:20201113144640j:plain

ヤマダ電機を後にして、駅横のバスターミナルへ。私たちの待つバスが来ました。

f:id:monna8888:20201113154113j:plain

釧路空港も通ります。

f:id:monna8888:20201113154155j:plain

朝、小樽から札幌に移動するときに見た朝日は、夕日になって沈んで行きます。

f:id:monna8888:20201113170116j:plain

そこから2時間。普通の路線バスに乗って、ぐったりと寝たり起きたりを繰り返して、ようやく到着した真っ暗な街。降りる時にふと振り返ると、アイヌの鉢巻をしたおじいさんがすぐ後ろの席に座っていました。思わず、あっアイヌの方だと目が輝いてしまってニコッとすると、おじいさんもニコッとしてくれます。そして降りたバス停では、まだ17時前だと言うのに、さすが北国、日はとっぷりと暮れて、道民のソウルコンビニ、セイコーマート(セコマ)だけが光っています。セコマで缶ビールを買ってみます。

f:id:monna8888:20201113171059j:plain

真っ暗な道を歩いて5分ほど、昨日予約した民宿へ。家族経営かな?娘さんらしき方が部屋に案内してくださいます。ほとんどのお客さんは、阿寒湖の釣り客だそう。

f:id:monna8888:20201113173846j:plain

素泊まりなので、晩ごはんを食べにアイヌコタンまで徒歩10分。雪が固まっているので、慎重に歩きます。寒い寒い、昨日よりは寒い。

f:id:monna8888:20201113174436j:plain

夜のアイヌコタン。映画「アイヌモシリ」で見たままの景色。いくつか土産物屋を覗いて、少し買い物をして、お目当ての「ポロンノ」というアイヌ料理屋さんは開店時間の18:30になっても、玄関は開いていてもひとが出てきません。何度か呼びかけてみましたが、誰も出てきません。お土産物屋さんが言ってたっけ。「このあたりは、18時くらいから晩ごはん食べるから、店も閉まりますよ」とのこと。本当にどの店も次々閉まります。

f:id:monna8888:20201113184505j:plain

雨も降ってきました。お隣りの丸木舟へ。まず、入り口でしっかりと手の消毒を済ませて、おでこでピッと検温を受けて入店。北海道はとにかく、どのお店でも検温されるので感染症対策はバッチリだと思います。

f:id:monna8888:20201113184751j:plain

私は、エゾシカ肉のスープカリー。向かい席のTPとはビニールシートで隔たれているので、ちょっとしたお喋りでも「はっ?何て言った?」「聞こえん、もう一度」「えっ?何だって?」と老夫婦のようなやり取りを重ねます。

f:id:monna8888:20201113185250j:plain

TPはエゾシカ肉のどんぶり。スープカリー、最高です。ホロホロのエゾシカ肉、牛に近い味。店の中では、変わり者だという店主の作ったCDがエンドレスで流れています。少しだけ賛美歌のよう。

f:id:monna8888:20201113192912j:plain

19時過ぎですが、どの店ももう閉まりかけているので、TPと阿寒湖に出てみます。明日の朝、9時発の遊覧船に乗ろう、そう言い合います。民宿には、温泉があります。トイレは共同だけれどそれが何さ。今日はとにかく時間がある。民宿で、清潔そうなシーツにくるまれて、ゴロゴロしてテレビ見たり本を読んだりしながら、ゆっくり過ごそう。阿寒湖は寒いので、ズボン下のパッチを履いて、ヒートテックを着て、モンベルのおじさんジャンパーの上からモンベルの折りたたみダウンジャケット(ババアに見えるので何度か捨てようと思っていたけれど捨てずに、今回持参したもの)、手袋とマフラーの重装備で完璧に寒氣を抑えられています。成功したわ、今回の冬服。さあ、明日はどんな日?どこに行くんだろう?わくわくしながら、宿に戻って缶ビールをまた開けて、共同トイレで用を済ませて、外の喫煙所で一服して、また部屋に戻ってキンドル君にダウンロードした佐藤泰志小説を読んで…好き勝手に過ごします。TPは明日の旅程をヘロヘロになって検索してくれています。よっしゃ、いいルート見つけた!とか、半日巻けた、とか言っちゃってる。真っ暗な街の静かな夜。