憧れの登別

ぐうぐう寝ているとTPが「門ちゃん、門ちゃん、今日の予定やけどさ、札幌でスープカレー食べて、ウポポイに行くつもりやったっちゃけど予約がいるって。だけん、登別に…」「のぼりべつっ!?行く!良かったー、登別温泉、憧れの場所やったっちゃん」とガバっと飛び起きて、昨日買っておいた朝ごはんを食べます。私はフランスパンが好き。バゲットが好き。明太クリーム入のフランスパンを食べて、朝温泉にまたチャポンと浸かって、出発です。

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安く泊まった宿からは、コンテナ車が見えます。どこから来て、何を運んでいるんだろう。

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旭川札幌間は乗客が多いので、指定席にしてみました(北海道フリーパスは、6回まで指定席を取れるのです)。09:47→11:19 1時間32分。

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札幌にはわずか2時間の滞在。到着したその足で、スープカレー屋さんに入ります。

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そこで衝撃的な出会いがありました。私は我が家の麦茶ポットを洗うのが嫌いで、深いので毎年うんざりしていました。それが、このウォーターピッチャーなら背も低いし、きっと洗いやすいだろう。

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せめてメーカー名だけでも書いていないか、底からデジカメで写真を撮ります(が、結局わからなかった)

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たっぷり待って、やっと出てきたスープカレー。TPの方のハンバーグスープカリーを覗くと、なんとまあ、スープがほとんどありません。1センチくらいしか入っていないんじゃないかしら?「ねえ、店のひとに聞いたら?これがいつもの量ですかって」と言っても、TPは店に迷惑をかけたくないのか首を横に振ります。何で?何で聞かんと?と私は首をひねります。思ったよりも時間がかかったので、札幌の滞在時間は残り40分。

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時計台に入ってみます。

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とっても可愛いじゃないの!時計台は地味だと聞いていたけれど、とっても可愛いのでファンになります。

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北海道新聞の、

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キャラクターが可愛い。

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早足で「テレビ塔、見た」「大通り公園、歩いた」みたいにチェックポイントを駆け巡ります。が、あと少しですすきのが見られる手前で、私は残り20分で駅まで戻れるのかが不安になってTPと揉めます。「間に合うって」「もういい!ひとりで行ってよ。すすきのは、もういい!」「わかった、じゃあ駅に戻ろう」「TPだけ行って来たらいいやん!」と人通りの少ない路上で揉めて、JRのフリーパスとデジカメをTPに渡して、駅のホームで待ち合わせることにして、私だけ駅に戻ります。

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発車の2分前、汗だくのTPがホームに駆け込んで来ました。ザマミロ!と心でつぶやいてニヤけます。ほっ、先に戻ってきて良かった、あんなに汗だくになってまで観光したくないやい!TPは、決めたことは最後までやり遂げたいタイプ、私は富士山に登るとしてもくたびれたら頂上まで行かずに戻るタイプ。旅行疲れもたまっていたのでしょう、軽く揉めた後はまた仲良く隣に座っていざ出発です。

13:27→14:42 1時間15分。登別。あの温泉の素で有名なあの登別に行けるのか!うれしいったらない。

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登別駅に着いて、しばらく駅前でぼーっとしていると「登別温泉行き」のバスが目の前で発車してしまったものの、落ち着いてインフォメーションの方に尋ねると、10分後にまたバスは来るし、バスチケットも往復で買う方が安いことがわかってひと安心。

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20分ほどバスに乗ると、憧れの登別温泉に到着しました。

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もうくたびれたので行かんでいいと言っていた登別地獄谷ですが、TPに誘われて渋々歩いて行ってみたところ…

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最高かよ!あまりにも絶景、視界をはみ出す、とてもカメラには収まりきれない初めての景色に圧倒されて大興奮します。

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最高やね!地獄の中央まで歩いて、また地獄の入り口に戻ります。これからは、地獄と名の着く場所は全部行こう、そう決めます。そして登別温泉の銭湯があったので入って(3種類の温泉とサウナ、ジャグジーまで付いている渋くて豪華な銭湯)、たっぷりと温まって、外のベンチで待ち合わせます。土産物屋で熊笹茶を買います。「熊笹って、北海道中のどこにでもある、あの笹ですか?」と尋ねると、「熊笹は背が高い笹で、淵が無いもの。熊も食べるから熊笹なんですよ」とのこと。おそらく北海道中どこにでもある背の低い笹は、淵があるので熊笹では無いんだとわかります。

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登別温泉で温まると、もう上着もいらないくらいポカポカになります。「門ちゃんに、登別行こうって言ったとき、最初に何て言ったか覚えとう?『良かったー、ウポポイとか行きたくなかったっちゃん』って言ったとよ。ひどかろう?」と言われて、たしかにひどいと思います。ウポポイはキラキラし過ぎていそうな、私には眩しすぎる施設に思えるのです。それよりも網走とか、釧路とか、登別とか、稚内とか、阿寒湖とか、北見とか、少しさびれていそうな、雰囲氣のある方が好きなのです。せっかく計画してくれているTPには悪いけどさ、仕方ないですね、こればかりは。

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登別、最高だった。

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今日は千歳駅に泊まるそうです。

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どうあがいても、どう反抗しても、明日は絶対に、南千歳駅で乗り換えて、新千歳空港に行くようです。

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2300円くらいで泊まれる宿とは思えないレベルで。GoToの恩恵だけれど遠慮しながら泊まります。感染者が増えているというニュースを見てから、TPは札幌駅ではなく、千歳駅に最後の宿を予約していましたが、それがとても良かったと思います。

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やはり、周りの店が開いていないので、ホテルのすぐ下にある居酒屋へ。

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あれ?安いのに美味しいじゃないの。

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ついに石狩鍋、よく小説やエッセイで目にはしていたものの、食べたことなかったから嬉しい!美味しい!TPはザンギ定食。ザンギも美味しい!

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ましけ漁港直送の、遠藤水産。壁には「新聞にも取り上げられました!東京初進出」とあり、なんと新宿西口に支店があるそうなので帰ったら絶対に行こう。もう永遠に旅行していたいと思ったけれど、日常に戻ったら戻ったなりの楽しみもあります。

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今回の旅行荷物は、上出来でした。少ない荷物で、9泊10日を過ごすことができました。

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ホテルの歯磨きの「ハミガキ」の明朝体にもうっとりします。居酒屋にカメラを忘れて取りに戻ったりしたけれど、店員さんが「カメラですか?良かったー、わざわざ取りに戻っていただいてありがとうございます」とか言ってくれるので、うれしくなります。北海道の店員さんは本当に皆さんとっても感じよく、ひと言ふた言、声をかけてくれたりしたっけ。コンビニでタバコを買うときも「これ、一番人氣よ」とか「アメスピ、薄くなりましたね」とか、「地域クーポン、使えないんですよー、ごめんなさい。オーナーが申請はしてるんですけど、まだ許可が降りないみたいで」とか。タメ口で答えてくれるのもうれしかったし、スーパーの店員さんとお客さんが「喉に水がヒョイッって入っちゃってさ、声ガラガラ」「わかる、年取るとね。食べるのも飲むのも命がけよ」「そう命がけ」とお喋りしているのも見ていて幸せでした。今日もトップニュースは北海道の感染者が増えているとの報道、ごめんなさい、でもどこでも幸せな対応をしてもらいました。貸し切り状態の観光地もいくつもあったので、せめて心でお礼を言って、また繁盛するように祈ってみます。たっぷり旅行させてくれた北海道さん、本当にありがとうございました。