奥入瀬、十和田湖、酸ヶ湯温泉

朝、6時に起きます。昨日、街を歩いたときはパチンコ屋かなと思っていた建物は、市の施設でした。地下に市場があるそう。

わくわく。

一周ぐるりと回って、

私はヒラメの刺身。

TPは市場のカレー。

カレーと刺身は店が違うので、別々の場所で食べねばならないそう。

目の前のお店でホタテの刺身!コリコリ!

やっぱり青森の看板は、とってもわかりやすくて良いと思います。

さあ、今日も予定がいっぱい。奥入瀬渓流を歩いて十和田湖、そしてバスで戻って酸ヶ湯温泉旅館に泊まるそうなのです。

さ、太宰読もうと思ったら、リュックの中を探しても見つからず、荷物を全部出して探したら内ポケットに見つかったのでひと安心。

バス「みずうみ号」は、八甲田山を通り、ぐんぐんと上へ向かいます。

途中途中で、トイレ休憩があるのも何だかうれしい。(私が、ぶす2人組からお手洗い割り込みされた!と言うと即座にTPが、俺も!ぶす2人組がバスを降りるときにグイッと割り込んできたとかおしゃべりして)

山へ、山へ。途中で、弟一家と両親が泊まったという宿も見えました。馬門岩というバス停で降ります。ここから歩いて十和田湖へ行くらしい、緑が深い。

ただ、十和田湖から下りのバスも少なく、時間があまり無いそう。とにかく、せっせせっせと歩きます。私の履いているモンベルの登山ズボンが雰囲気を盛り上げます。

歩いても歩いても、湖は見えません。

ふと時計を見ると2時間も経過していますが、まだ湖が見える気配すらありません。「90分くらいって言ったやん」などとTPに八つ当たり?

ふっと、ツアーの団体さんたちに入られて、TPと離れ離れに。それでも、十和田湖を目指します。

滝。

歩いて歩いて。10キロくらいは歩いたような気がする!十和田湖

これが十和田湖か!寝転がって空を見上げると、ツーッと涙が。幸せだ、心からそう思いました。父もここには来たらしい。歩いて、この湖に来られたことがうれしい。

一軒だけしか食堂が開いていないので、そこで昼ごはんです。

TPは青森名物のバラ焼きなるものを。

私は十和田湖名物のヒメマスの塩焼き定食を。団体さんも多いけれど、一人旅の女性も数人居て、格好いいなと思います。

バス停の売店で、やっぱり!いい街はパンフレットの重しが石!

地ビール十和田湖のほとりで。(TPはリンゴジュース)

山を下るバスに乗ります。社内アナウンスが充実しています。右手をご覧ください、と言えば車内のひとが全員、右を見ます。

バスで1時間ほど。酸ヶ湯温泉に到着です。今日はここに泊まります。味噌おでんと書いてあったら食べずにいられない、300円。

2人で1泊2食付き、19800円、我が家の旅行にしてはとんでもない贅沢価格です。TPは宿の受付で「入湯税は明日の朝お支払いいただきます」みたいなことを早口で言われて、うっかり「え、明日の朝お風呂に入ったら、その分の入湯税を払うということですか」と尋ねると、受付のおばさんの呆れ顔「入湯税は、必ずお支払いいただかないといけないもので」とか言われて、呆然としています。「誰も払わんとか言ってないのにね!」と慰めたりして。そんなことより、お土産屋さんで日本酒を買ってみます。

古い古い旅館。これが、酸ヶ湯温泉か。廊下をビニールスリッパ履いて、女性専用の浴槽に向かいます。

 

控えめに言っても最高。酸ヶ湯温泉のお湯と、窓から差し込む夕日。全身が湯に溶けて、肩の力も、駆け上がるように早歩きし続けた奥入瀬渓流も、夜行バスからの移動続きの旅も、全てが溶け出して行きます。

最高やね、と晩ごはんをいただきます。

お刺身、おいしっ!ナスも、銀ムツも。

日が暮れきる前に、TPと近所を散歩してみます。歩いても歩いても山を下るだけなので、日が暮れきる前に戻ろうとUターンします。

TPは売店で、リンゴ味のポテチとシードルを買っています。私は缶ビールと日本酒をちびりちびり。今日も太宰を読みながら眠ります。夜、もう一度男女混浴の風呂の、女性専用時間を狙って入ります。男女混浴時間帯に浴衣のまま覗いたときに、目隠しの塀の隙間がバッチリ見える場所に中年男性がじっとこちらを見据えて待機していたので、混浴は諦めます。20人ほどの女性たちは、皆無口で、ボーッと湯船に浸かっています。酸ヶ湯の養分が深呼吸するだけでも健康になりそうなほどの濃度で、身体に染み込んできます。

 

深夜、TPは起き出して、もう一度温泉に入ったそう。広い湯船で、たったひとり、酸ヶ湯独り占めだったそう。