由布院に戻ってきたんだ

朝6時に起きて、昨晩作っておいたハムと野菜のバゲットサンドを食べて電車に乗ってバスに乗って成田空港まで。飛行機に乗って大分空港まで。今回の帰省では、大分のTPパパ・ママを湯布院温泉に招待したいとお誘いしましたが、断られたのでTPとふたりで行きます。大分空港のレストランで、国東半島の海岸を眺めながら昼食を食べます。

大分空港から由布院駅までは高速バスで約1時間。ひとり1550円。すぐに景色は、いかにも九州の山々、緑いっぱいのしっとりとした眺めに変わります。帰ってきたんだ〜!


あの道もこの道も、じーちゃんばーちゃんが何度も連れてきてくれた道、母と何度も歩いた道。今回の大分帰省は、福岡の両親には何も言っていません。父からの電話で大分帰省をチラッと匂わせたところ、それなら別府に知り合いのホテルがあるからそこに俺たちも行ってみんなで一緒に泊まればいいやん、などと言い出したので、向こうのお父さんはホテルとか泊まらんやろうし、ご両親との時間が減るけん失礼やないと言っても、何で?ほんのひと晩だけですぐ帰すし、みたいな感じだったので。そんなことを振り払って歩く由布院の道、メイン通りを抜けてTPが「山下清って、行こうよ」と言うので湯布院夢美術館 - 山下清原画展へ。山下清の原画は何度か見たことがあるけれど、どれも色が褪せていてそれほどじゃないかと思っていたところ、この美術館には小さい作品がこじんまりと、それなのにたくさん、愛情たっぷりに展示されていたので入館した瞬間から、うわ〜っ!となります。自由を求めて、生きるために絵を書いて切り貼りをしながら16年間も放浪した清のその覚悟と環境に、胸が熱くなります。


今日の宿はネットで予約していた「ほたるの宿・仙洞」。金鱗湖に近くて、20代の頃、母と来たことがある宿のはずだけれど、チェックインしてみると記憶にあった「朝ごはんが最高の宿」とは違っていて、何度か立ち寄り湯として入ったことはあるけれど、TPと結婚するからと大分に集まって、その帰りに立ち寄った宿だったことが、記憶の底から立ち上がって来て驚きます。


リュックを下ろして、どこを歩いても。

山を見ても川を見ても。

金鱗湖から流れる水は透明で、夕日はとっぷりと暮れて行って、どこを歩いてもすぐに木陰があって、いつでも由布岳が町を見守ってくれていて、鳥も魚もゆったりとくつろいでいて、やっぱり由布院に来て良かった〜と溶けます。

温泉にゆっくり浸かってから晩ごはん。

品数は豊富だけれど甘くてお菓子みたいなおかずがいくつかあることが残念、それでも、TPが「最高やない?」TPも学生時代に何度も来た由布院、それぞれの思い出が交差しています。「TPママを連れて来たかったね」「由布院に来られて良かったね」などと話しながら、大分牛旨っ!とか温泉最高!とか言いながら。


早起きしたので、晩ごはんを食べると眠りたくなっていました。テレビの音を小さくしてベッドの寝転びながら、TPが夜の探検隊として近所を散歩に出る氣配を感じながら、いってらっしゃ〜いと思いながら早々に眠りにつきます。九州に戻ると時間が長くなる。特に由布院では。商店街で買った綿のズボンも良かった、ずるずると長いスカートを履いて来たけれど成田空港の荷物検査で「Do you have a drink?」と英語で話しかけられて、私は何人と思われたんだろう?と思ったりしたけれど。眠りこけながら、色んな夢を見ました。家族や職場のひとたち、みんなが幸せに暮らしている夢。アハハッと笑ったり、体が溶けてリラックスしているのを夢の中でも感じていました。