朝起きると、ごはんは自分たちでサンドイッチ買ってくるけん用意せんでいいよ、そうTPが言っていたのにTPママは可愛らしいおむすび、あさりのお味噌汁など用意してくれていて、泣きそうになります。門ちゃん、昨日は眠れた?ごめんねーと。あらためてお母さんに「お母さん、昨日は心配かけてすみませんでした」とあやまります。「でも、お父さんが上に上がったら、いつか笑い話しになるわー」と言うので3人で笑います。
今日は東京に帰る日。お父さんが寝ている部屋に入ると、あからさまに寝たフリをしているTPパパ。「おはようございまーす」と声をかけるとパチッと目を開けて、今起きたばかりの芝居をしてくれています。お仏壇に手を合わせて。「門ちゃん」ムクッと起き上がったパパ、布団の横にはお人形のHちゃん。「門ちゃん、覆水盆に返らずぞ・・・昨日はTPを門ちゃんによろしくって言ったが、これからはTPに門ちゃんをよろしくって言うわ」あははっと4人で笑います。ん?お盆をひっくり返したのはお父さんでは・・・?とは言わずに、どうもお世話になりましたと家を出ます。
バスに乗って大分駅まで。TPママが「門ちゃん、よく知らんひとと喧嘩したりするん?」「喧嘩?そうでもないと思いますけど」「お父さんが心配しとったわ、門ちゃんいつか刺されるんやないやろうかって」と言うので、TPパパめっ!とまた腹が立ちます。お父さんこそ、いつか刺されるかもよっ!バスではTPとTPママが隣りの席に座って会話しているのを眺めるのはしあわせ。母と息子の時間を邪魔したくない感じ、いつかTPひとりで帰省しても良いのかも知れない。駅前のドトールで、空港行きのバスの出発時刻まで3人でお茶を飲みます。
温泉に行けて良かったね、今度は一緒に由布院に行きましょうね、とお喋り。「お母さん、お母さんはいつか引っ越しとか、東京とか、嫌ですか」と聞くと「私はどこでも平氣、どこでも生きていけるわー」と即答。もしも、お父さんが先に天に召されたらお母さんと一緒に暮らせる日がくるんだろうか。でも、口約束だけになるから言わずにおきます。たっぷりお喋りして、やがてバスの時間になって。TPはバスが出発してもお母さんを探して立ち上がっています。
大分空港で、大好きな九州のかしわめしがあったので買って食べます。それから、職場へのお土産にざびえる。
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飛行機の離陸を待ちながら、TPとずーーーっとお喋りをします。TPが今回の収穫は、門ちゃんにTPが子どもの頃から疑問に感じていたことをわかってもらえたこと、そう言います。無口だったことを自閉症、自閉症と言われてますます口を開けなくなっていたこと、自分よりも頭が良いと思われていた弟の通知表がTPよりも評価が低かったから、そんなはずないと親が学校に乗り込んだこと、昨日だって鉄輪温泉に行こうと言って調べていたのに結局は熊本に行こうと決められたこと、熊本には行かないってわかっていながら運転していたこと、高校生のときはテニス部に入れと言われたことやら、大学に受かったら勝手に学生寮に申し込まれていたことなど、お父さんにガチギレされた後ではビンビン胸に迫ります。あたしは、自分の父とは、本氣でガチ喧嘩したからもうなんとも思っていないけれど。高校生の頃、いつものように、そのときはあまりにも理不尽にバチバチと叩いてきたので「叩きたいならいくらでも叩けばいいやん!そのかわり、どれだけ叩かれても、こっちの心は1ミリも心は動かんけどね!」怒るひとがどれだけ叩いたって、本来の目的とは異なる、本当に言いたいことはそうやないやろ?と涙ながらに訴えたその日から、父は一切私を叩くことはなくなったっけ。私もTPパパにそう言えば良かったんだろうか、殴りかかろうとしたような感じだったっけ。でも、ここはフィールドが違うから。そんなことを思います。それにしても、TPは受け止め方が果てしなく、TPからも色んなことを発見できる、「もうこうなったらさ、一切話しを聞いてもらえんなら、こっちがもっと自由に生きていいってことやね」などと言っています。氣にせんでいいよ、と何度も言ってくれます。いやいや、やっぱり私が悪いんや、とか言いながら。それにしても、TPんちってパンチあるよね、などと言って笑いながら。いつものアパートに戻って、ただいまーと帰ってきました。