新宿19:40発。途中休憩、海老名20:45、静岡遠州23:10、三重鈴鹿1:20、加西3:55、大山6:15、宍道湖7:50、出雲市8:40着予定。サービスエリアやパーキングエリアに停車するたびに、つい降りてしまいます。そのうち喫煙所で運転手さんとも仲良くなって、あれこれおしゃべりします。どうやら出雲は大雪らしい。
雪でバスの到着も遅れて9時、出雲市駅に到着します。TPが「とにかく、目の前のすき家に入ろう」と言うので、すき家で朝食、玉子かけご飯。
本日のお宿、ドーミーインは出雲市駅の目と鼻の先です。
まずは出雲大社へ行くそう。ドーミーインにリュックの中身だけ(着替えやら)を預けて、一畑電車へ。
ガタンゴトン、ガタンゴトン。
30分ほどで、出雲大社の駅へ。
婆ちゃん爺ちゃんと母と、婆ちゃんの妹とか誰がいたんだろう、とにかく私は18〜19歳くらいで、祖父母や親と旅行するのが恥ずかしいお年頃だったのに行かないという選択肢もなくて、弟も大学の寮に入っていて、結局は婆ちゃん主催の?(婆ちゃんはいつも突然、前日に「島根行こう」とか「岡山の西の横綱」とか「甲子園」とか、そういう風に車に乗ってあちこち出かけていた時期がありました。
長い年月を経て、再びの出雲大社。
オオクニヌシノオオカミさんがつむいでくれたというむすびのお力ある場所で。
私は「どうか氣の合うひととご縁をつないでください」楽しくのんきに過ごせるひとと、何ならすぐ離婚したって全然問題ないので、さっさと出会わせてほしいと強く願ったことを覚えています。で、結果としてTPと、それぞれ実家で育った年月をとうに超えた長い期間、どういうわけか氣が合って、喧嘩してもまた笑って楽しくのんきに暮らせていることに、まじで感謝、まじお礼参りをします。
とにかく、めちゃめちゃ大きいしめ縄が有った、と思ったら、隣の敷地でした。これこれ。でも当時の記憶の10分の1!
おみくじをひきます。ほっ、これは吉とか凶とか無いタイプ。
出雲阿国さんという方のお墓参り。
歩いて、2キロほど?稲佐の浜へ。絶賛護岸工事中。
こういう、何てことない道を歩くのが生きる喜びベスト3に入っています。
割子という器に入った三段重ねの蕎麦を頼んで、上から順番に食べます。生玉子の入ったお蕎麦を食べて、残った玉子を次の山芋に混ぜて食べていたところ、いつもメインディッシュを最後に残すタイプのTPは、生蕎麦から食べているから驚いて「TP!玉子と山芋のお蕎麦、たっぷり汁が余るよ、それを最後に何もない蕎麦に混ぜて食べるっちゃない!?」と緊急報告。TP「あっ、そっか!そういうことか!」あわてて玉子から食べ始めても、もう後の祭り。たっぷりと玉子と山芋が余りそうでもう一枚蕎麦追加で、何とか事なきを得ました。あぶないあぶない。こんなにしっかり香りのある山芋を食べられる機会は最近無い、長芋とは違う香りを最後まで全部味わえないところだったよ。
お蕎麦屋さんのすぐ近くの珈琲屋さんでテイクアウト、店主の方はとても豆に自信がある様子、確かにおいしい!冷めたら甘くなると教えてくれたけれど本当にどんどん甘くなって感激します。今度は電車じゃなくバスに乗って、出雲市駅へ。
出雲市駅に戻ったら、今度は電車に乗って、どこへ?
日本海がずーーっと見えています。子どもの頃から爺ちゃん婆ちゃん母父弟親戚たちと何度も車で通った、日本海の景色が。
らとちゃん、大田市のキャラが出迎えてくれました。
バスに乗って、世界遺産だという石見銀山へ行ってみると、まんぼう閉鎖中です。そうだよねと言いながら、ただそのへんを散歩しようとしていたところ、受付の方がガラッと小窓を開けて「何かお困りごとでも!?」とのこと、いえ、入れないのは承知で散歩するだけと伝えても「どこにも入れませんが」それでも?まだ商店街なら開いている店もあるのでそちらの方が良いんじゃないでしょうか!?とのこと。すみません。せっかくここまで来たから、ただ歩きたいだけでとは言わずに、黙礼して受付を通り過ぎます。
へへ、確かにそうよね、うっかりこんな時期に旅行なんかしちゃった私たちが悪いよねとTPと笑いながら、石見銀山の方へ。雰囲氣だけでも。静かな町並み、民家の間のチャボとか鶏が広々した敷地で飼われています。
ゆっくりと坂道を上っていると、TPが「精錬所跡」という看板を見つけて、
「どこにも入れんって言われたけん、入れんっちゃない?」と言っても、そこは入れました。「決めつけてごめん!入れたね」と喜びます。私はもう、ここを日本のマチュピチュとか思おう。入れただけで良かった。
古民家の方へ。
古民家の並ぶ通り、地元の方だけしか歩いておらず。ふと、世界遺産の街を、ほぼ観光客ゼロでゆっくりと、私とTPだけで歩いて見て回れること、ものすごく幸せなことなんじゃないかと思います。ぜいたく!
それでも身体は芯から冷えて帰りのバスに乗って(行きと同じ運転手さん)。
ワンマン運転の電車を降りて、
本日の宿(ドーミー)にチェックインします。私はもう芯から冷えて寝不足もあってぐったりしているので、
TPはひとり、晩ごはんを買いに宿で教わったスーパーへ(とにかく広くて大きいらしい)、
TPは「すごかった」と目をキラキラさせて帰って来て、写真を見せてくれ、買ってきたという戦利品、20%引きのお惣菜4つとおやつらしきもの、2リットルのお茶、などを広げて「これ、全部でいくらやったと思う?」と言うので「…700円くらい?」と答えると「…正解!安かろう?」とのこと。すごいね、これだけいっぱい買って700円って安いねとか言います。
そうこうしているうちに、ドーミーならではの夜鳴きそば。これで安心して熟睡できそうです。出雲に宿泊しているだなんて、嘘みたい。夢みたい。