才能がある

早起きして新宿発の電車に乗ります。キャンプだ!

1時間30分も電車に乗って、山だ!

奥多摩駅だ!

橋だ!キャンパーたちがゾロゾロ歩くのについて行って、キャンプ場で受付を済ませます。

河原のキャンプ場、石がゴロゴロしているので足首をひねらないよう注意して歩きます。

川の水もキレイ、味見してみるとミネラル豊富な甘い味。

適当な場所を見つけてテントを張ります。今日はここが我が家だ!家で練習した甲斐あってだんだんと上手に張れるようになっています。セリエだかセリアだかで買った緑色のレジャーシートがやっぱり便利、ユーチューブとやらで調べて参考にした甲斐あって荷物置きに重宝します。軽いし畳むと小さくなるしで、2枚持って来ています。レジャーシートを敷けば敷くほど我が家の庭が広がる感じがします。

拠点もできたし、まずは近所を歩いて散歩をしながら昼ごはん、晩ごはんの買い出しをしましょう。徒歩7〜8分のところにお肉屋さんやら、もう少し歩くとコンビニやらあります。初心者なので昼ごはんはカップラーメンにします。

受付で、TPはやかんと飯ごうをレンタルしています。それぞれ400円とか500円とかです。とにかく、最初は道具を増やさずに、借りたり、足りないなと思ってもその不便さを楽しんでから、必要な道具を見極めようと何度も言い合います。普段用の小さいリュックしか持っていないものだから荷物は最小限にするしかないのです。

 

9つにパカパカと割れる着火剤200円、薪900円。シェラカップ200円も買います。持参のマッチでTPは火起こし、着火剤1個使ってすぐ火が消えて、もう一度挑戦して今度はちゃんと焚き木が燃えます。外で食べるとカップラーメンすらおいしい!持参の割り箸で食べます。

 

一瞬、雨が降ったので焚き木をテントにしまって、テントに避難します。蒸し暑い!

 

雨が止んだので、水着に着替えて川に入ります。冷たい!最初は裸足で川に入ってみたものの、苔でつるっとすべるのでキーンのサンダルを履いたまま、川に入って肩まで水に浸かります。泳ごうとすると、強い水の流れにあっと言う間に流されそうになるので、足を踏ん張って熱い身体をスイカのように冷やすだけの川遊びです。キャンプ場はほぼ満員、川の縁で遊んでいたママさんたちが「水着必須だったね」などと言っていたとTPが教えてくれます。ヒヒッ!

TPはテントの中でいつの間にか昼寝しています。朝早かったけんね、おやすみ。私は自分用の焚き火が欲しくなって石を集めてかまどを作ります。そして、着火剤を使って火起こしの自主練を重ね、薪をたっぷり使って火遊びをします。楽しい!そして、持参のレジャーシートに寝転がって昼寝します。石やら何かが背中に当たって面白い。

 

昼寝から目が覚めたら、また歩いて近所の温泉施設に行きます。そこも満員。芋の子を洗うようにして露天風呂でたっぷり汗を流します。

 

ご近所を歩いて、肉屋さんで、鶏もも肉100グラム(一口大に切ってもらった)、味噌漬けのホルモン150グラム、味噌漬け豚バラ100グラム、豚バラ100グラムで860円。別の肉屋さんでウィンナー1本150円を4本。

テント、いえウチに帰ってまた火起こし。「あれ?かまどが2つになっとう!何で?最初からあったっけ?」今さら驚いているTP。「しかも薪が減っとう!さては、、、」イヒヒ。TPは子どもの頃にカブスカウトに入っていたと言って飯ごうで持参の米(2合)をやかんに汲んである水で研いで、ごはんを炊いています。

「ちょっと硬かったな、後5分早く火から下ろすべきやった」とか言っているけれど、これはこれでおいしいよ!家からトースターの網を外して持って来ていたけれど、火にかけるとみるみるねじ曲がってしまったものだから、TPはまた受付で使い捨て焼き網を買って来てくれます。100円。そして私が使い過ぎて足りなくなった薪を半分買い足しています。380円。着火剤も追加、200円。(すんませーん)

 

100均の火ばさみで肉を焼いて、飯ごうの中蓋に取って食べます。おいしいのなんの!味付けナシの肉には、持参の塩を振って。1日くらい野菜なくても良いでしょう。

薄々感じていたけれど、もしかすると私にはキャンプの才能があるかも知れない、いや、キャンプを楽しむ才能があるかも知れない。シェラカップにコンビニで買ったウィスキーを入れて、やかんのお湯でホットウイスキーにして飲みます。夜空を見上げます。昼間たくさん居た、家族連れのひとたちは半分くらいに減っています。日帰りキャンプらしい。残ったひとたちは、男性のソロキャンパーも多いようです。誰もが、それぞれのかまどで火を起こしながら、お酒を飲んだりタバコを吸ったりスマホを見たり、好き好きに過ごしています。折りたたみチェアー、米軍みたいな折りたたみベッド、火吹き棒、カップ、彼らのこだわりの道具たち。

 

私が持って来たものは、100円レジャーシート2枚、100円火ばさみ1本、家にあった軍手1組、何より大事なのが洗いもの用ゴム手袋と小さく切ったスコッチナイロンたわし。そのそのすべてが完璧に役に立った。温泉で下着も着替えたし、山登り用のズボンはあぐらもかけて便利だし。「完璧やな」そう声に出します。以前K君とキャンプに行ったとき「椅子は絶対あった方がいいですよ」とTPに言った後で「門ちゃんは地べたでもいいやろうけど」と私に言ったK君。仰る通り!

 

まだ少し蒸し暑いので、レジャーシートにTPと寝転がって、持参の赤い手帳に今日買ったものや、やったことを書きます。人混みを避けて端っこの方にテントを張ったけれど、トイレが結構大変。TPが持参したランタンをかざして、夜のトイレに行きます。他の方のテントの紐に足を引っ掛けて大事故にならないよう、石ころで転ばないよう、ゆっくりと。

 

まだ夜の9時。それでも、明日の朝は絶対に早起きしたいから、もう少しウイスキーを飲んで、早めにテントに入って、眠ることにしましょう。川の音、野鳥の声、風の音。遠くに聞こえる花火の音。どうやら私には才能があるみたい(自己申告)。