どうってことない

monna88882013-02-16

トンレサップ湖の川下りは、6時半に宿まで迎えに来るというので待っているとトゥクトゥクがやって来ました。次から次へと宿を巡ってあっと言う間にギュウギュウ。道を行けども行けども船着き場は見えない。それでもどこから歩いて来たんだろう?というような人、人、人の数です。40分ほど走ってようやく着いたボート乗り場で、白人の人たちは係の人から荷物運び代を強引に請求されて納得行かないけど払うしかない顔で、支払っていました。

カンボジアでは、どんどん物売りの人や物乞いの人から声をかけられる。特に日本人男性のTPは、他の誰よりもロックオンされてターゲットになっている。そんな光景を見ているうちに、そうだ、買いたいものがあれば値段を聞いて買う、パッと見てお金を分け合いたいときに渡す、そのシンプルなルールで行こうと心に決めます。アンコールワットでも水頭症の子供を抱えたお母さんがいたので、近くの人に「彼女は本当のお母さん?」と尋ねると「そうだよ。でも昼は警察がうるさいから夕方だけ来てお金を集めてるんだ」とのこと。少ないお金でも花のような笑顔をくれて、赤ん坊にも触らせてくれたお母さん、物乞いも立派な仕事だと思ったっけ。

船乗り場では、押し売りの嵐。見たことないような丸い揚げパンを2個1ドルで買ってみました。噛めば噛むほど不思議な味わいが湧いて来るパン。ボートは1時間遅れで出発、船の中では少年がちょうど良いタイミングでパンやらジュースやらビールやらを売りに歩いて、ときどき外に出てすれ違う魚釣りの人たちに手を振ったり物思いに耽ったりしている。彼と二人でミルキーを食べたりボートの屋根に登ってボーッとしたり、船尾で船のおじさんたちと煙草を吸ったり、景色を眺めたり。

朝出発したボートは、いつまでも着きません。船が黒い煙を吹き上げて止まってしまうと、船のおじさんたちは鎌を持って川に飛び込んで、スクリューに巻き付いた魚取り網を何度も潜って切り取っています。誰も驚かないし、急かさない。TPは舳先でひたすら風を受け続けています。

ジャングルのようなところを抜けて、突然街が開けたと思ったらそこがプノンペンでした。小田原みたい。予定より2時間ほど遅れて到着し、まずはてくてく歩いて宿探し、ロイヤルGHでは最後のひと部屋20ドル。もうここにしちゃおう。宿の人が明日ならもっと安い部屋に移れるよと言ってくれましたが、明日はホーチミンへ行くと伝えると、バスを予約してくれました。ひとり14ドル。荷物を置いて外へ出ると日が沈みかけています。シェムリアップと違うところは、ものの値段はドルよりもリエル単位で言われること。近くの露店で水やビールやコーラを買うと、おばさんは紙に書いて一生懸命計算していました。屋台街で隣りの男の子から何の葉っぱだかわからないものが添えられたゆで卵の食べかたを教わったり、焼きそばを食べたり、焼き鳥を食べたり。砂ズリ1本1000リエル。

ナイトマーケットは、地元の人のお祭りでした。一生懸命にピアスを選ぶ女の子たち。サトウキビジュースを1000リエルで買ってゴザの上で飲みます。TPがデヂカメで写真を撮っていると、見知らぬ男3人が目配せしながら近づいていました。ジェスチャーでカメラのポーズを交わしているので、TPにカメラ狙われてるよと教えてそーっと逃げます。いざとなったらエルボーしよ、そう思いながら早歩き。逃げ込んだ近くのカフェのテラスで、TPはグラスビール、私は大きいビールと頼むとウェイターの人が目を丸くして、大きいビールをシェアしなさいとのこと、やって来たのはピッチャーでした。へへ、でかいですねと言うと、もう一杯行く?と言われてイエイエと慌てて首を振ります。物売りの少女がミサンガを売りに来たので、彼女がつけているものと同じものを買う。2個4000リエル。ありがとう!とニッコリ笑顔でこちらまで嬉しくなります。私はカンボジアまで来て、買い食いしてビール飲んで、ちょこちょこ買い物して、ほとんど日常生活と同じだな。

トゥクトゥクで宿に戻ると、「ごめんなさい、バス取れなかった。26軒の旅行会社に電話したけどダメだった、お金は返すね」とのこと。あらまあ。この国で氣がついた大きなことは、みんな歩くペースが遅いということです。私たちだけが早歩きなので後ろ姿でも旅行者とバレます。ゆっくり、ゆっくり歩くようにしてみると、明日のベトナム行きバスがキャンセルになったことくらい、どうってことないように思えるのが不思議。・・・いや、どうってことあるな、こりゃ。



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