解体屋

monna88882014-03-14

いろいろと不平不満や憎々しさ、混乱や重たい氣持ちをたっぷりとしみ込ませた、お勤め先のビルが立て壊しになる今、もう二度と同じ景色を一生見られないのかと思うと、何だかビルが本当に可哀想に思えて来ました。どれだけの数のサラリーマンたちが床を踏みならし、暗い顔で出勤し、ため息をたっぷり吸い続け、数々の退職者を見送ってくれてきたことでしょう。裏庭にはウグイスも蝉も落ち葉も椿もいるのに建て替え工事の間みんなどうするんだろう。消える景色をたっぷりと目に焼き付けます。


これいる、いらない。これはどこ行き、これは解体とバリバリ引越し作業をしていると、年下上司が遠くからわざわざ私の元に丈夫な段ボール箱を持ってきて、これ解体お願いしますと言います。あたしは、うまれてはじめて、男性からカチカチに固い大きな段ボールの解体をたのまれた。思わずいいっすよと引き受けたあとで、一緒に作業していたOさんに、おじさん扱いされた驚きを伝えると、それが彼なんですよ、一瞬ときが止まったよねと言うのであははっと笑いました。男女平等!喧嘩上等!


汗だくになって段ボール解体を終えると外部からいらした上品な上役がそっと、女性陣にホワイトデーのゴディバを配って下さいました。さすがだねぇー、氣が利くわぁー、すっごい嬉しい、とあちこちで花が咲きます。とりあえず、女性にはチョコレートか花を与えておけばそれだけで株が上がるでしょう。段ボールを与える人は株が下がるでしょう。プラマイゼロでゼロになって新しい街へお引越しします。そして今日は金曜日!