映画『恋人たち』

monna88882015-11-18

TPもお休みの平日、朝早くに起こされて、眠たい目をこすりながら泣く泣くの思いで映画を観に出かけました。橋口亮輔監督の新作です。

Usual life (Special Ver)

Usual life (Special Ver)

恋人たち。絶対に映画館で観ると決めている監督の映画を、映画館の座席に座って観ることができることは、本当に幸せです。大入り満員。平日なのに。重たいテーマのときも、腹の底から笑わされるシーンのときも、怒りに打ち震えるような場面も、すべてに人の複雑な感情を薄紙のような心で感じている人だからこその、繊細で広い、恐ろしいほどの勇氣ある映画でした。ところどころで嗚咽を止めるのに必死になって、映画館を出てもまたワッと涙があふれました。3歩くらい歩いたらまたウッとなって、お昼ごはんを食べながら感想などをお喋りしているとまたウッとなって。今回TPは、目の前の展開をただ受け止めたという感想、それでもどちらも橋口監督への期待値は競い合うほど高いので、私があまりにも感激しているものだから、映画の中で足りないようなところを言い出しかねているような、遠慮しているような顔をしていました。この映画についてなら、何時間でも語っていたいような、そういう映画。映画が終わった後、客席では10人くらいの人たちから思わず拍手がこぼれていました。私も拍手をしました。

色んな哀しみを受ける心は、きっとおざなりにされがち。もっと鈍感に、もっと前向きに、もっと戦闘態勢で、もっと上へ上へ。そんな世界とは全く逆の、たっぷり悲しいことを感じて受け取っている人たちは、だからこそ大きい懐を広げて、羽ばたくことができるのかも知れない、この監督がうんと、幸せで豊かに人生を送ってくれますように、映画を観ながら何度も祈っていました。

ゲーテに学ぶ賢者の知恵 (だいわ文庫)

ゲーテに学ぶ賢者の知恵 (だいわ文庫)

ゲーテに学ぶ賢者の知恵。フランクフルトでゲーテさんの生家を訪ねたことで、ゲーテさんの凄みの一端を知りました。少しずつ、ゲーテさんの足跡を追って行きたい、本屋で目にとまった文庫を読みました。まずは初心者向けの本から少しずつ進んで行こうと思います。

福岡の両親が荷物を送ってくれました。お礼の電話をすると、父は「かーちゃんから殺されかけた」と言っています。どうやら、半額の牛肉を生焼けで食べさせられて、ひと晩中吐いたり、お腹を壊したり、寝込んだり、とのこと。父の身体が弱いのは何十年前からのこと、今さら誰も本氣で心配しないのが氣の毒でなりません。荷物の中には「うまかっちゃん」が入っていました。弟夫婦が入れてくれたらしい、何て嬉しい贈り物なんでしょう。無性にうまかっちゃんを食べたくなる日があるし、うまかっちゃんじゃなければダメなときがあるのです。東京という街の中で食べるうまかっちゃんは、優しいのです。