ご利益

ウザが正社員になるかどうか、人手不足もあって誰も判断できず試用期間が4月まで延びたとは聞いていたけれど、まさかの5月に入っても隣席にいるので心底ガッカリします。この頃のウザは発熱で休んだかと思えば堂々と20分遅刻してきてスマホ三昧、若手を誘っては2時間の昼休みと厚かましいったらありません。とうとう我慢できずに、こっそりと総務の女の子に「◯◯君って、社員になるんですか?」と尋ねたところ「まだ正式発表はしていないんですけど、5月の半ばが最終出社になったと聞いています」とのこと・・・・・・・ひゃっほーい!


ファミマでお氣に入りの弁当を買って、最近見つけた昼寝できるベンチでひとり、嬉しさを噛み締めながらランチ。誰も来ない、誰も座らないベンチはやっぱり誰も座らないから砂埃で汚くて、背中が砂だらけになります。


思い返せば、ウザは「田舎の両親や親戚が、僕が東京のこういう業界で働いているって言っても、誰も信じてくれないんです。だから親とか親戚とか、職場に呼んで見せて安心させたい」と総務の女性に申し出るほどのツワモノ。自分のITスキルが高いから開発に回されたなどと言っていましたが、開発のひとたちからは「あまりにも理解してもらえなくて血管が切れそうになる」との嘆きも。そのくせ、ゆくゆくは開発のひとたちを束ねるマネージャーになりたいなどとほざいていたっけ。誰かが注意するとすぐ裏で手を回して「僕は期限を守っているのに上が理解してくれない、部署を変えて欲しい、誰かに相談したい」などと言って回っている、そんなことも小耳に挟んで。その全部が、もうすぐ、終わる。同時に、彼を憎々しく思った時間が両肩にのしかかって情けない氣持ちになります。たかだかビッグマウスの小心者にどうして振り回されるんだろう、これからの人生で何度もこういうタイプと接するだろうに、どうして頭を切り替えられないんだろう。こんなとき、親分なら何て言うかな。「自意識過剰だよ。あなたのことなんて、誰もなんとも思ってない」とビシッと言うんだろうな。自意識過剰は、ウザに始まったことではありません。


それでもやっぱり、うれしい!縁切り神社のお陰です!