サイケでマサイ族

左目に新しいレンズが入ったTPと、眼科へ行きます。「すっごい、世界が輝いて見える」「でも端っこの方にね、レンズの端が見える、三日月みたいに」「あの看板の文字も読める」「俺、マサイ族になった氣分や」「昨日は怖かったー」「あれを乗り越えたって思ったら自信になった」などなど、初めてこの世に生まれてきたひとのように、世界が見えて感激している様子。本当にヨカッタね!

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春ですね。病院の待合室で、昨日TPと同じ白内障の手術を受けた外国人男性が、声をかけてくれました。「一緒ね、一緒に昨日ね」どうやら彼も、世界が輝いて見えることに感激しているそう。何と三重県からいらしているとのこと、車椅子の奥さんはどうしても手術の様子を見たかったから通訳と言って付き添ったそう。「すごかったわよー、ほんの小さい穴から、ピュッと取り出して、徹底的に洗うのね。残っているモヤっとしたのも、ちょいっと吸い出して」彼らいわく、海外ではその病院での白内障手術の様子を動画で公開しているのに、日本はまだまだ隠している、徹底的に検索したらこの病院だけが最新の治療だったとかそういうことを教えてくださいますが、ところどころ聞き取れなかったのではっきりとはわかりません。旦那さんは、ペルー出身のミュージシャンで、来週は左目も手術するとのことです。あなたたち(奥さんと私)もやったらいい、世界が変わるよ!と言われました。

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診察を終えて、スパゲッティを食べます。TPがレンズの端が見えると言ったのは、たまにそういうひともいるけれど、やがて見えなくなるらしい。「怖かったー、万華鏡が何十分も」「いや、万華鏡じゃない」「サイケデリック?」「そう、サイケデリックな映像、ウルトラQみたいな」

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肉の模食から目が離せない。

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手術後の保護グラス、UVもカットしてくれる。

ファントム・スレッド (字幕版)
 

 手術後初めてのDVDは、ファントム・スレッド、監督はPTA(ポール・トーマス・アンダーソン)です。最っ高!好きな美術館を、たったひとりでゆっくり一周したような満足感を得ます。上品で、全てのカットに意味があって。徹底的に静かな映画なのに、吹き出して笑えるようなシーンもあり、ちゃんとセクシーで、ちゃんと意地悪で、悪意の裏の裏までお見通しで、でもそこを超えた連帯感みたいなものも貫かれていて。人間を多面的に転写したような映画、音楽もステキで・・・何より恐怖が。

犬猿

犬猿

 

 例の事件のことは頭から追い払って役のひととして観ようと思ってもやっぱり、チラつきます。犬猿。「悪い役」を周りがやらせ過ぎたのが良くなかったんじゃないかな、だんだん自分も本当に悪いひとにならなきゃと思っちゃったんじゃ、とか思いながら。とはいえ映画はさんかくの監督だそう、さんかくは3人、ばしゃ馬さんとビッグマウスは2人を徹底的に集中して描いていたけれど、これは4人を徹底的に描いてあります。集中して観ました。(最初、騙されて早送りしてしまった)

 

兎にも角にも、TPの目の手術が終わって、検査結果も良好で、これで私も安心して仕事に戻れます。パソコンを開いて少しだけおしごと。明日は水曜日、ゆっくり休んで早く残りの風邪菌を追い出したい。