IKEAデビュー

朝、ひと仕事してからTPとデート。高円寺の、行列ができる天ぷら屋さんの行列に並びます。

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1時間は並んだ、持参した老眼鏡をかけて本を読みます。

しゃぼん玉 (新潮文庫)

しゃぼん玉 (新潮文庫)

 

 乃南アサの描写力!本当にしゃぼん玉のような世界、何より両親を車ででかけたことのある懐かしい村がでてきて嬉しくなります。

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天ぷら屋さんのおじさんの愉快なこと。並ぶ間にお手洗いを借りるときも、ニコッと微笑んでくれます。名物だという玉子の天ぷらを揚げるときには、歌舞伎の見得をきってくれ、ギャラリー(お客)たちもワーッと手を叩いて盛り上げます。

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高円寺。その昔TPと暮らした街。貧乏すぎて、本を買えずにどうしても読みたい本は貸本屋で借りていたっけ。1000円以上のランチなんて食べようとも思わなかった。どこを見ても軽く泣きそうになる街。

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試しに住んでいたアパートを訪ねると、更地になっています。TPは「あ〜、こないだ来たときにはあったのに」とがっかりしています。私は「もう無いってことがわかって良かった」と言います。

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今日のデートプランには何と、IKEAが入っていました。立川まで電車に乗ってIKEAの巨大なビルを目指します。イケアとかコストコとかって行ったことないけん行ってみたい、そうつぶやいたことを聞き逃さず次回のデートに組み込んでくれるTP(このひともしかして私のことを好きなのかしら?)。

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おままごと用のキッチンセットがあって、欲しくてたまらないけれど部屋が狭くなるからグッと我慢します。

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私は、運命的な買い物をしました。シンク下に敷く、透明のマットです。滑り止めにもなっていて、ロールタイプで切って使うもの。これまでシンク下にはその時々で、新聞紙やら包装紙やらキッチンペーパーやら敷いていましたが、鍋を出すとき、漂白剤のボトルを取り出すとき、米びつを引き出して米を軽量するとき、いつも下の紙が、べろーんと垂れてきて、小さなストレスが積み重なっていたのです。この滑り止めマットがあれば最強!

もうひとつは、スチール製のかごです。重ねられるらしい。これも、今までストレスだったシンク下の洗剤たちを寝かして放り込むのに最高!滑り止めマット2本、スチール製かご3つで、2000円くらいでした。

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たっぷり遊んでくたびれたので「晩ごはんはレトルトカレーとかでいいよ」と言うので本当にレトルトカレーを買ってみます。いい奥さんは彩りにたくあんを乗せて、パセリなんか振っちゃって。イケアって楽しいところだったな。また行きたいな。それにしても立川を歩いているひとたちは、ほとんどがカップルか家族連れだったな、みんなキャップをかぶっていたり、洋服も冷え取り生活をしているような綿とか麻とかのチュニックやワンピースばかり、友だちが多そうなひとたちばっかり。ひとりものや外れものには肩身が狭いような街でした。