涙を浮かべて

朝、TPが起こしてくれました。「一緒に行けそう?」と。毎日の通勤で退屈しのぎしたいTPと、今日しごとに行けるかどうか不安な私の利害が一致。早めに家を出て、ロッテリアハッシュドポテトだけ食べて、アイスコーヒーをテイクアウトして、駅のホームで手を振って分かれて、電車に乗ります。

 

ものすごく早く出たはずなのに、出社してみると、始業の20分前で驚きます。どこで時間が消えたんだろう?ぼんやりぼやこさん。

まだ朝早いので、タイムカードを押してオフィスに入ってみると、お母さんの介護で在宅を増やしているはずの親分が出社しています。「おはようございます」と言うと「心配したよ〜、体調、大丈夫?」と言うので(たった1日半休んだだけだけれど)、「はい、何とか。でも、こころがポキっと折れて」と答えた瞬間、親分は目に涙をパーッと浮かべて「もしかして、〇〇?」と特定の部署の名前を出します。うん、とうなずきます。親分もいわれのない、幼稚な理論で責められて苦しかったそう。悪いひとじゃないけど、面倒くさいよね、と言い合います。

 

元はと言えばその部長が、パワハラがひどい、心を病んで辞めるひとが増えているからと私は派遣されたのでした。草の根運動で、少しずつパワーを分散してきたつもりでした。それなのに、実はミイラ取りがミイラになったのでした。ただ、それは完全にその部署のせいではない、他にも色々と問題が見えているものの、まだまだパワーを分散できない自分に失望しただけのこと。それほどの器じゃないのに、おちょこサイズなのに。

 

そんなことより、意地悪なひとは「大丈夫ですか、顔色悪いですね、顔色悪いってマスクしててもわかります」とか言ってくるし、優しいひとは「私がわがまま言ったから門ちゃんを苦しめたんじゃないかって」と言ってくれるし、大人なひとは、目を合わせてうなずいてくれるだけなおしゃれさ。どちらにしても、ただ「急にすみません、体調不良でお休みいただきます」と1日半休んだだけのことなので、大したことではありません。

 

みんな違ってみんないい。私は喫煙所でばったり出会った20代元上司に「こころがポッキリと折れて、1日半、休んだんですよ」と言うと「〇〇部すか?」とすかさず言われて、こっくりとうなずいて「〇〇部とか、いろいろ」と濁して答えるダダ漏れさ。こんなに〇〇部長は評判が悪いのに、よくがんばって働いているなと思うと、氣の毒な感じもしてきます。でも同情は禁物、他人事です。まずはオレのウツを何とかせねば。これからは、ポキっと折れる前に、何とかせねば。骨折したことはないけれど、骨折するとその部分はより強くなると聞いたことがあるような、ないような、です。