朝起きると、ＴＰから二択を迫られます。高知に来て、どうやら次の朝ドラは高知出身の牧野富太郎という植物学者がモデルになっているとのこと、その牧野さんの植物園があるので、これから高知駅に戻って、ゆっくりめぐるコースと、足摺岬へ行くコース。悩むわー。生物学と、景色。ふと、景色は永遠にそこにあるものではない、そう思って「足摺岬やな」と言うとＴＰおどろく。まさか片道２時間の路線バスで行く方を選ぶとは思っていなかったらしい。
そうなると、すぐに宿をチェックアウトして中村駅へ急がねばー！安宿の朝食もちらっと見てみたものの、思い切って食べないことにして（それほど食べたいものもなかったので）後ろ髪ひかれるように駅へ向かいます。
それでもお腹がすいたのでバスの運転手さんに「バスの中で、お弁当食べたりしちゃだめですよね」と聞いてみると「大丈夫ですよ、こぼしたりしなければ」とのびやかなお答え。じーん。弁当を買って乗り込みます。
四万十川の、つがにめしだって！！！わくわく。
ところで、同じバスに桂浜からの帰りのバスで一緒になった夫婦がいます。行動パターンが同じなのでしょうか？足摺岬まで２時間もかかるバスだから、四万十川をずっと左手に見つつ海まで、そこから海沿いの家々、商店街、ひとびとの暮らし、病院、銀行、あらゆる生活の場を通り、途中で運転手さんが「お手洗い行くならここで」とスーパーで降りてしまって短い休憩が入り、港町、何度も上がり下がりして、もう足摺岬かな？と思うほどの絶景、ジョン万次郎の生誕地（ＴＰは街の看板の「ジョン万生誕の地」を見てツボに入ったらしく大笑いして、俺も今度からジョン万って呼ぼうとか言って）、バス同士のすれ違い待機時間もあり、同じサイズの全く同じ見た目のお婆さんが買い物カートを引いては乗り、降り、乗り、降りて行きます。一瞬も飽きない、暮らしの風景が見えるバス。
突然、足摺岬に到着しました。ジョン万の銅像が出迎えてくれます。「ジョン万！」
足摺岬は、指で数字の３を出したときに、中指から周るのが良いと案内のおじさんに教わります。中指に行ってみると、ドーン！太平洋！って言うか、地球、ドーン！！！
人差し指には灯台（左手で３を作った場合）、
薬指にも岬！！！
海、というよりも空。脳みそが、コトッと音を立てて傾くような感覚がありました。
そして地球が裏返ったような、空から自分を見ているような感覚が。
ここまで２時間、帰りのバスまで１時間、せっせと３本指の薬指へ。
そして３本指の人差し指へ。
下を覗いて、
金剛福寺へ。弘法大師の開いたお寺だということ。汗をかきながら駆け巡りました。帰りのバスに乗り込んで、どういうわけかＴＰが、ペットボトルを捨ててくるとバスを降りた瞬間、バスが閉まったので思わず「あー」と叫ぶとすぐにドアを開けてくれた運転手さん、行きと同じ方です。すみません、と言いながら慌てて戻るＴＰ。もう発車時間なのに、どういう勘違いをしたのか知らん？
また行きと同じ道を、崖っぷちすれすれに戻るバス。
漁港。そして、途中でバスが停車したかと思うと、運転手さんがこちらに来てくれて「ゴミ、捨てて来ましょうか？」と仰います。ＴＰがペットボトルを捨てたがっていたのを見ていてくれたのです。何と親切なお方だろう。高知を、ますます好きになります。
２時間かけて戻った中村駅で、また売店でお惣菜を買って食べます。駅前に食堂はありません。本当に、足摺岬へ行って良かった。
電車に乗って高知駅へ。まるで我が家のように戻る。
くろしお鉄道から、
ＪＲ？何線でしょう？途中で、貴重な列車とすれ違って写真を撮ります。
海沿いを通るからうっとり。
どういうわけか、隣に座った２歳くらいの女の子と、にらめっこ大会を繰り広げて、二人してキャッキャと大笑い。
高知駅で、コーナンというショッピングセンターを冷やかして、思わずキャンプ用品売場へ。ＴＰは腕時計を買っています。
勝手知ったる我が家のごとく乗る路面電車。
本日のお宿にチェックインします（またおもてなしクーポンをもらいます）
ひとやすみひとやすみ。
歩いて、龍馬の生家へ。理想的な窓辺があったので写真に撮ります。
残念！フクちゃんの横山隆一記念まんが館は、改装中でした。警備員のおじさんが、休館中だよと声をかけて下さいます。
路面電車に乗って、
とっぷりと、夕日は沈んで、
龍馬の生家へ。
こういう風に、客人をもてなしていたのでしょうか？
鏡川。龍馬が泳いだ川。ＴＰはあちこちめぐりたいと路面電車を待つ間もあちこち駆け回っています。私はそれを喫煙所で一服しながら待っています。
とにかくお腹がすいたので、すき焼きと、
くじらの唐揚げ、
かつおのタタキ。
ＴＰと安藤桃子の映画館を探し回りますが、見つかりませんでした。
ホテルに戻って、珍しくアイスクリームを買って食べます。
イヒヒ、私はコーナンとやらで、キャンプ用の焼き網とコップを買いました。
今日も、星が綺麗です。すっかり、高知っ子になって、高知の夜空をうっとりと眺め続けます。
