弾丸で

岩手旅行、3日め。今日はどんな一日かな?ドーミーの朝食は、地元料理がたっぷりです。盛岡冷麺や、瓶丼。今日は花巻へ行って、宮沢賢治記念館へ行くらしい。

今日一日を、健康的に楽しむために、控えめに、おいしいものをチョイスします。

おや?TPはたっぷりと揚げ物を取った後で、さらに盛岡冷麺、ヨーグルトなどお替りに行っています。「今日の予定は気にせんで、まずはゆっくり朝食を楽しもう」とか言い始めました。

ん?

岩手は、電車を一本逃すと大変とか言っていたのに。

やっぱりねー、ゆっくりと朝食を取ったら、一本電車を逃しました。でも、これはこれで。ここで私の持参した、時刻表が大活躍です。

まず、この線に乗って。

銭形平次のふるさと筑波町?を通り過ぎて、

一旦、日詰駅で下車します。

そこで乗り換えて、花巻駅へ。電車を一本のがしたので、もうバスは一時間後です。まずは観光案内所に行って、花巻散策について情報収集しますが、バスを一時間待つしかないようです。

まずは一服。もう一度観光案内所へ行くと、宮沢賢治の弟が経営していた喫茶店がすぐ近くにあるとのこと、いい情報ゲットと駅の待合所へ行くと、TPが目をキラキラさせて「新花巻駅に行こう、門が釜石線に乗りたいって言いよったやん?それで…遠野も行ける」と興奮しています。そりゃー、ちらっと、釜石線?乗ってみたいなーとか、遠野?遠野物語の遠野に行きたいなーとか言っていたけれど。よっしゃ、まずは新花巻駅へ!

釜石線

お?花巻らしくなってきました。新花巻駅からは、すぐに宮沢賢治記念館行きのバスがあって。わずかな待ち時間で、大谷派菊池雄星派?

バスを待っていると、雨が降ってきました。

バスに乗っていると、雨が強くなってきました。

バスを降りると、雨は止みました。

うへ。367段の階段を上がるらしい。雨ニモマケズ、のひとことひとことが階段横に張ってあって、あ、め、に、も、ま、け、ず、と登って行く仕組み。海外からの旅行者は早々に上がるのを諦めています。

ふぅ、死ぬかと思った、猛暑で、足もパンパンで、汗だくで。

とにかく館内は冷房がキンキンなのが、いい。

賢治が、いかに多角的に研究を重ねていたのかが、よくわかります。

絵まで描いていたのか。

石も大事。それでも、最後の最後まで続けていたのは、農業のことと、物語の創作。

新花巻駅から遠野駅へ行くことになったから、バスもないのでタクシーへ。

「この線路は、賢治さんの時代もあって、当時の橋桁がまだ残っているそうです」と女性ドライバーさんの説明。次はどごいぐの?と言うので「新花巻駅から、遠野です」と答えると「弾丸だねー、それなら、このまま遠野まで行っちゃいましょうよ」と言うので大笑い。それでも、タクシーで行けば1万3千円くらいらしい、それもアリかも知れません。一瞬、夢を見たような。

釜石線に乗って、遠野駅まで。

今夜は「平泉駅」とやらに泊まるらしいので、遠野駅での滞在時間はわずか1時間30分です。観光案内所で「遠野の雰囲気を味わいたくて、弾丸なんですけど」と相談すると、レンタル自転車を進めてくれました。「ママチャリと、電動とあるんですけど、案外平らな道なんで」「じゃ、ママチャリで」とTPが勝手に決めてしまいます。とにかく時間がないので。

自転車を漕ぎ出してすぐに、ママチャリ後悔。平らな道ったって、距離が、片道25分、往復50分だから!ちょっとした勾配でも、クタクタになります。それでも風を受けて漕ぐ自転車、最高です。

遠野物語の場所で、伝承園へ。

汗をふきふき、伝承園で昼ごはんを食べます。急に、大雨が降ってきました。天気が不安定です。

昼ごはんを食べて、伝承園をじっくりとめぐります。

遠野物語の授業を受けていたな。柳田國男が調べて書いたと思い込んでいたけれど、佐々木喜善さんという方が民話を伝えてそれが大本だと知ります。

石の神様に手を合わせて。

カッパ淵へ。徒歩で。

遠野では、ホップを育てているらしい。

カッパ淵、河童が今にも出てきそうです。

時間が無いので、またママチャリに乗って、猛ダッシュです。アメリカ人の家族から「ソーリー」とか言われて電動自転車で抜かれて。

汗だくで、遠野駅に戻って自転車を返して、再び花巻駅へ。釜石線。この電車を逃したら、2時間後になるから。

花巻駅から、北上駅まで。コンテナ車が普通に走り抜けます。

東京でもまだ残っている、古い駅舎で使われているレールを利用した駅。

今晩のお宿は、

平泉駅らしい。TPが、少年の頃から憧れていたらしい中尊寺のある街。

てくてく歩いて、今日のお宿へ。平泉、平ぺったい。

旅館、舞鶴へ。

新しい建物です。「新しいですね?」と宿の方に尋ねると、「えぇ、新しいと言えばそうなんですけど、5年前かな?建て替えて、そこからコロナで」とのこと。

窓を開けて、平泉の空気を胸いっぱいに吸い込みます。まずはビールを。瓶ビールを注文して、このあたりにはコンビニも無いらしいので、瓶ビールで乾杯した後で、ひとりで酒屋さんへ行ってみます。

あ、虹。

虹の写真を撮っていると、犬の散歩をした方とか、庭の水やりに出てきた方などが「虹」とそれほど驚く風でもなく、虹を見上げています。このあたりには、虹がよく出るのでしょうか?酒屋さんに着いて、缶ビールを買って外に出るとまだ虹がくっきり、「虹が出てますよ」と若い女将さんに言うと「え?見たい見たい」と外に出て「教えてくれてありがとうございます。おじいちゃん、虹よー」と虹を見て、笑い合います。

平泉。何ていい土地なんでしょう。宿に戻ると、TPはもう共同浴場に入って汗を流していて、私もあわててちゃぽんと入って汗を流します。

食堂へ移動して、晩ごはん。(左から、ウニ豆腐、チーズ和えのウニ乗せ、イカ軟骨のピリ辛、など)

あれ?この旅館は、ものすごく料理がおいしい旅館ではないかしら?

シェフが運んでくれる、一品一品が、しみじみと、身体に染み込むようにおいしい。(コーンの冷製スープ)

ポークシチュー。

汁物。同じ旅館に宿泊する方たち、どのテーブルからも「おいしっ」「どうしてこんなにおいしい?」「最高」の声が漏れ、ひとり客の方も、顔から幸せが溢れ出ています。今夜の宿は、一泊二食付きなのにふたりで1万7千円くらいらしい。お料理だけでも納得の値段なのに、宿泊までできるしあわせ。

デザートは、シャインマスカットとぶどうゼリー、胡麻餅。腹いっぱいで「あー、おなかいっぱい」「あー、食べた食べた」と言いながら部屋に戻り、夜空を見上げながら、畳の上の清潔なお布団で、小説を読んだりしながら、すぐに眠たくなって、すぐに眠りました。ぐうぐうぐう。平泉って、何だか平ぺったいところ、どこまでも景色が見えて、山もあって、緑が鮮やかで。虫の声が響き続けています。