朗希の酢

6時起床。今日は、中尊寺を自転車で観光して、午後から新幹線に乗って帰る日。

お風呂にちゃぽんと浸かって、朝ごはん会場へ向かいます。

美しい!旅館、舞鶴の朝食はシンプルなのに美しく、さらに小鉢ひとつずつの味付けが違うのがいい。酸っぱいのとか、塩っぱいのとか、味わい深いものとか。大量のキャベツ千切りも、宿泊客の身体のことを考えてくれているようで幸せになります。自家製っぽいごまドレッシングで、ペロリです。

今朝、気がついたことは、この旅館の突き当りは天窓になっていることです。

チェックアウトして、リュックを背負って、徒歩7〜8分?平泉駅に向かいます。昨日、缶ビールを買った酒屋さんの店構えにご挨拶「おはよーございます」。

今日は、今日こそは、電動一択!そうTPに宣言して、200円プラスで電動自転車を駅横のレンタサイクル店で借ります。座席が低いと力を込めて漕げないので、位置を上げていると、レンタサイクル屋さんのおじさんが渋い顔をします。「ちょうどいい位置に合わせてんだ。電動だから関係ねー」とはいえ、低い位置で漕ぐと不安定だから、自分の好みの高さに合わせます。

まずは「無量光院跡」。奥州藤原氏の三代目が建立した、その跡地だそう。緑のふかふかが目にも鮮やかです。

続けて「高館義経堂」義経終焉の地として供養塔が祀られています。そして何より「夏草や兵どもが夢の跡」が、まさに、この場所だそう。本当に、兵どもが、夢の跡だなーという景色です。

可愛らしい祠があったので写真を撮ります。

途中の資料室には、独創的な木像があります。お参りをして、再び自転車を漕ぎ出します。小高い場所にあるから、ママチャリじゃなくて電動自転車にして、本当ーーに良かった。

スイスイと自転車を漕いで、わずか数分、中尊寺へ向かうと、武蔵坊弁慶のお墓があります。弁慶らしい、でっかいでっかいお墓。手を合わせます。

中尊寺へ入ると、誰もが掃き掃除をしています。どうりで、隅々まで清潔です。ありがたいことです。あちこちに、紫陽花まで飾られています。

中尊寺の本堂というところで、釈迦如来に頭を下げます。

「不動堂」

金色堂」の覆堂(金色堂を覆っているらしい)。はっきり言って、心動かされました。金色堂の仏様は、誰もがゆったりした丸顔なのです。ぽっちゃり、福福しい。

須弥壇の上にご本尊阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩、左右に3体ずつ地蔵菩薩が並び、最前列には持国天増長天が破邪の形相でこの仏界を守護しています。この仏像構成は金色堂独特のもので他に例を見ない貴重なものです。(中尊寺HPより)

金色堂を出ると、芭蕉さんがこちらを見つめていました。

「釈迦堂」の石積み。

私はやっぱり、もう一度、金色堂を見たい。

すぐお隣の施設でお手洗いを済ませて、アイスコーヒーなんか買って、金色堂をもう一度見たいと考え続けます。

そして、チケットには一回限りとは書いていないので、もう一度見ました。TPは、え?もう一度?と驚いていました。目に焼き付けて。てくてく歩いて、中尊寺の小高い山を降り、再び電動自転車で出発です。

「平泉文化センター」レンタサイクル屋さんでもらった地図通りに立ち寄ってみたところ、まさかの土砂降りに。どうやら岩手県はゲートボールが盛んだと見ました。電車で移動しているときも、この文化センターでも、ゲートボールをしている年配の方をたくさんお見かけします。土砂降りだけれど、新幹線の時間もあるので、ずぶ濡れ覚悟で自転車に乗り込むと、ゲートボール選手たちのおじいさんが「あと30分で止むよー」「待てねーか?」と声をかけてくれますが「電車の時間があるので、ありがとうございます!」と飛び出します。これ以上濡れようがないほどにズブ濡れて。それでも、レンタサイクル屋さんで、リュックだけは無料で預かってもらっているので、デジカメと手帳などをJ便のナマハゲエコバッグに入れていたのは助かった!

毛越寺」入場料を払って、入ります。声が聞こえないほどの大雨。ズブ濡れでTPが「厚かましいお願いなのは承知ですが、そこの置き傘、ちょっとだけお借りしてもよろしいでしょうか」と頼んだものの、受付の方は顔を見合わせて「無理ですねー」とのこと。30本は放置されている傘、借りられながっだ。しかたねー。ズブ濡れで、毛越寺を巡ります。

おや?座椅子ほどの大きさのキノコが!

お地蔵さん。

お地蔵さんに100円玉を入れてお参りしたお陰でしょうか?突然、ピタッと雨が止みました。帰りに受付の方がズブ濡れの私とTPを見て「雨止んで良かった」と大きめの声で会話していましたが、知らんぷりして通り抜けます。(私は心が狭い)

そんなことよりも、電車の時間が迫っています。急げ急げ!

平泉駅の手前で、大きい橋が見えたので「ちょっとだけ寄ろう!」とTPを誘って全力で電動自転車を漕ぎます。ものすごく大きい橋だったので、きっと大きい川だと思って行ってみると、水流の少ない川でした。TP、鼻で笑っています。

でも、寄り道は楽しい。平泉の街を一望できます。

レンタサイクルを返却して、レンタサイクル屋さんのおじさんから「どこで雨宿りしたの?」と声をかけてもらって「文化センターで」と答えて、一ノ関までの電車に乗ります。TPは、Tシャツを着替えています。私も着替えようかな?と思ったけれど、猛暑のせいでしょうか?すでに乾きかけているのでちょい濡れのまま電車へ。TPは旅行前から少しずつ読んでいる「銀河鉄道の父」を持参して、少しずつ読んでは、プッと吹き出したり、大笑いしては、笑った箇所を見せてくれます。私は速読派ですが、TPはじっくり読む派。

一ノ関駅。裏側は再開発中。

一ノ関駅売店でまさかの「佐々木朗希のお酢」を見つけて、大喜びします。今回の岩手旅行で、大きい目的のひとつ、朗希が地元大船渡で恋しいものとしてインタビューに答えていた、酢の素。しばらくは売り切れ状態だったそうですが、ここでは「何本まで買えますか?」と尋ねると「何本でも」とのこと、大喜びで4本買います。これで、この異常気象の猛暑を乗り切るぞ!

西口の方が、賑わっている様子。

一度止んだ雨も、また土砂降りです。岩手旅行、最後のランチは立ち食いそばです。

(うまくもなく、まずくもない、いえ、ちょっとまずい寄りの、普通よりちょい下の立ち食いうどん)

そして、新幹線はホームに到着しました。

コンビニで買った缶ビールを飲みます。おつかれさま。

TPは乗り込んだ瞬間から、爆睡しています。私は景色を目に焼き付けたくて、ずっと起きています。

昼に一ノ関駅を出発したのに、家に着いたのは夕方。お土産をうっとりと眺めます。

昼寝して、晩ごはん。ぐったりと身体がくたびれているので、そうめんと、玉ねぎスライスだけ。なぜ玉ねぎをスライスしたかと思えば、朗希の酢を使いたかっただけのことです。朗希の酢は、自分まで完全試合できそうな、160キロを投げられそうな気持ちになるほど酸っぱくて、疲れも吹っ飛びそう。大、大満足の岩手旅行でした。