大分駅へ、3回行ったり来たり

朝ごはんを、TPママが用意してくれました。TPパパは、TPに「俺の遺産」とアダルトDVDの入ったダンボールを渡していましたが、TPは受け取ったフリで実家に置いたまま。毎回帰省する度のお約束、TPパパからの遺言らしきものをTPパパのお布団横で聞いているTP。どんな心境なのでしょう。

今日は、明日から仕事のTPをまず見送って、次にTP弟Sちゃんを見送る日。私はもう一泊して帰る予定です。TP家のお隣りの方が育てている、ぶどうが見事です。おすそ分けしていただいたとのことで、昨夜食べたところ、甘くておいしい。4人でSちゃんの運転する車で出かけようとしたところ、エンジンからキュルキュル音と焦げ臭い匂い。これはダメだと急遽、タクシーで駅まで。

いつものように、ドトールでお茶してお喋り。時間になって、TPを、TPママ、私、Sちゃんの3人で見送ります。ばんざーい、ばんざーいとバスを送り出すと、ニコッとうれしそうに私たちを見つめているTP。さては、ばんざいで感動したな?

Sちゃんが、今すぐ家に帰らなと言い出します。え?それなら自分も荷物持って来たらよかったのに、と言うと、俺もそう思ったとのこと。バスでTP家に戻って、今度はバスに乗ってすぐまた駅に戻ります。TPパパ、本日二度目のお見送り儀式、布団の横でSちゃんも何度目かの遺言らしきものを聞いています。

「ときわの食堂で食べるんよ」いつも、Sちゃんが帰京するときには、大分の老舗デパートでランチするらしいのです。「最近、値段が上がったわ」などとSちゃんとTPママは勝手知ったる我が家のように、注文するメニューも決まっている様子。私は五目麺を頼みました。

本日、大分駅二度目。Sちゃんを見送って、帰りのバスをベンチで待ちます。TPママと、ゆっくりお喋りします。ママは、Sちゃんのことが心配。でも心配されるのもつらいだろう。借金をせずに、暮らしているだけで十分ですよね?などとお喋りします。

家に帰ると、TPパパが起き上がって待ってくれていました。「おい、ビール」とのことで、ご相伴に預かります。TPパパ、今日も全然食べない。鶏の唐揚げの皮を、少し食べただけ。心配。

ビールを飲んで、自室でまた布団に横になったTPパパ。私も、昼寝させてもらいます。1時間か2時間ほど、ぐっすり眠ったでしょうか。朝からの小雨が、だんだんと強くなってきました。
私とTPママは、明日、私が福岡に戻る早朝のバスやタクシーを検索し始めました。すると、どのタクシーも早朝の予約は受け付けておらず、検索する限り、どのタクシーも電車も、明日の在宅勤務の始業には間に合わないことがわかり、ふたりで途方に暮れます。「もう、今晩、帰るしかない」そう決めて、さぁ今晩も俺のヒストリーを語ろうとお喋りする気満々のTPパパが起き上がってきました。TPママが「門ちゃん、今日、帰るしかないって」タクシーやら電車やらあらゆるところに電話してけれど、明日の早朝、大分駅に向かう足がない。TPママは、歩いたら50分にまで食いついて、歩けないかとまで考慮してくれます。するとTPパパは「わしは、大分駅のことはよう知っちょる、今すぐ送って行け」その最中、TPとパソコンでオンラインでMEETがつながりました。「あっ、TP、帰り着いた?」と3人で大はしゃぎ。いつもの古いアパートのお部屋ツアーも実況してもらって、やがてTP弟のSちゃんにもつながって、家族四人プラス私で、わいわい手を振り合います。TPパパ「TP!あれ、見たか?(例のアダルトDVD)」「見た(うそ)」「(手でグッドのマーク)」おいおい、嫁の前だぞ。まだまだ帰りの電車には時間があるので、TPパパとも、あれこれお喋りします。いつも楽しみに見ていたお相撲のことは「あー、相撲はもうわずらわしい!」いつも横になっているときに何を考えているのかと聞くと「何も考えちょらん」もっと身体が悪くなったら、近所の老人ホームへ行くつもりだとか、あれこれ。そして、十回目?かというくらいの遺言タイム(その時々で違う、TPをよろしくなとか、健康でとか、あんたの天下やねとか)になり、次は上で会おうと言うので、「お父さん、死ぬのって怖いですか?」と尋ねると「(ピュッと天をさして)あっと言う間よ」。それなら良かったと思わずニコッと笑うと、TPパパもニヤッとしてくれます。なーんだ、怖くないならいいじゃん。どうせ誰もが全員、いずれ通る道。

とにかく、はよ行け!とTPパパが言うので、追い出されるように、バスに乗って大分駅へ。本日3回め。もう、TPママもフラフラでしょう。晩ごはんは、ロッテリアでママが好きだというエビバーガーを食べます。

やがて時間になり、喫煙所で一服してきますと言うと、ママは着いて来てくれました。喫煙所まで100メートルくらい、TPママも足が痛いかと思い、人気のないところで携帯灰皿で一服していると、噴水が急にライトアップされてものすごい量の霧が吹き出されます。「きれいですねー」「これならタバコの煙も隠れて、ちょうどいいわー」「本当ですねー(すみません)」うっとり。

ママは入場券を買っていて、ホームまで見送りに来てくれて。すみません、ご馳走になってビールをたくさん飲ませてもらって、帰り際には私の愛飲するタバコまで、ちゃんと銘柄を覚えて下さって、何箱もお土産にいただいて。

ぐっとなりながら、約2時間。今から福岡に戻るとメールすると、Mちゃんが明日、仕事が休みだからと、家に来てくれるとのこと。やったー!希望が出た。博多駅へ。

地下鉄に乗って、実家へ。家の外の壺に入れっぱなしの鍵を使って家に入ります。母は、居ません。4連泊中の大旅行中だから。ヒャッホー、実家にひとり、久しぶり。のびのびとシャワーを浴びて、父の死後に母が買ったソファーに座って、缶ビールを飲みながらくつろぎます。今日はもう遅い。日付が変わりました。早く寝て、早く起きて、明日も在宅勤務、がんばろー、おー!