TPの実家へ

朝4時起き!TPの日程表では、帰省の費用を抑えるために格安バスで成田まで行って、格安航空に乗るらしい。

眠たすぎて吐きそうになりながら東京駅へ。

昨日の大雨の影響でしょうか?まだ朝の5時台だというのに、東京駅のみどりの窓口はどこも長蛇の列。どうしても移動しなければならない人たちが、文句も言わず、辛抱強く、列に並んでいます。

格安航空のゲートでは、大阪行きの便、北海道行きの便で最終のご案内と、20人から30人ほどのひとの氏名が読み上げられています。しばらくすると、時間を大幅にオーバーしているからとゲートを閉めるアナウンス、ご了承くださいとのこと。大量に読み上げられた氏名を持つひとたちは、間に合ったのだろうか。私はそんな恐ろしい思いは絶対にしたくないので、空港へは、絶対に早め、早めに到着したいタイプです。

本屋さんで買った小説を読み進めます。すごく、面白い。この言葉をここに当てる?という驚きがエンターテイメントになっているのに、登場人物の感情は手に取るようにわかる、当時、求められがちだったであろう「父親像」と、湧き上がるような愛情とで悩んだり、悩まなかったりの、そのやりとりが、全てエンタメ。

いざ飛行機に乗ってみると、九州は近い。飛行機に乗るまでが、遠い。

九州の色。

駅前では、鶏が金の玉子を産んでいます。バスに乗って「ただいまー」TP家の玄関ドアを開けます。

先日、東京で送別会をしたTP弟のSちゃんは、私たちお兄さんお義姉さんが来るのを心待ちにしているはずなのに格好つけているのでしょうか?寝転がっています。それでも「遅かったね」と言うので、待ってくれていたんだなと義姉は理解します。お義父さんは、やっぱり細くなっていて、頭の部分は頭蓋骨がはっきりと見えるかのようです。お義母さんは元気そうだけれど、少し細くなっています。ただいま、帰りました。すでに昼ごはんを済ませて、後は眠るだけというTPパパを何とか寝かしつけて?4人でランチを食べに出かけます。私とTPママは、なでしこ御膳。TPは鯛茶漬け丼と鶏香味ソースセット。Sちゃんは、贅沢ステーキ御膳。TPがごちそうしようとすると、絶対に断ってしまうTPママ。Sちゃんは、どっちでもいいよと口を出すだけ。口じゃなくて財布出してもいいんだよ!

ランチから戻って、TPパパの、脳梗塞の麻痺の残る会話を聞き取ったり聞き取れなかったりしていると、TP弟Sちゃんが、墓参りに誘ってくれます。兄、義姉、弟の3人で、Sちゃん運転の車(TPパパがSちゃんに、やる、と言ったらしい車)に乗って、道にもたっぷり迷いながら、TP家の墓へ。次に入るのは誰かな?この時代、お墓は、もしかすると要らないものかも知れません。管理費も誰が払うのか問題も、いずれ出てくるでしょう。

道に迷ったので、長いドライブを終えて帰宅すると、家の前でTPママが待ってくれています。遅くなりました!買い物へ。

九州だな。

大分だな。

TP家だな。

おやおや、楽しそうな会話が聞こえたのでしょうか、TPパパは杖をついて起き出してきて、家族全員が見える位置に座って、まずは己の話しを聞いてもらいたいとTPパパヒストリーをいつものように語り始めるものの、誰もが何度も聞いた話し、やがてTPとTP弟がふたりで会話し始めると、自分も混ぜてもらいたいのか、無理やり入って行っています。オリジナル家族の、その美しさ。誰もが色々あって、今一瞬の、元のオリジナル家族の時間。TPパパは、中学時代に自分を慕ってくれたひと?(名前を呼んで話しかけてくれたらしい)を今さら思い出して、会いたいなどと言っています。その感性は、なぜかTP弟Sちゃんに色濃く残っているよう、ふたりともどうしてでしょう?過去、自分に親切なひとが今でも自分を思っているかのような白昼夢を見ているフシがあります。TPママも私もTPも、あきれたように呆然とするだけ。いつまでも、彼らの夢が続くといいな!

Sちゃんは事あるごと、母親に「あのケーキ、切って出してやってよ」「タクシー呼んだがいいよ」などとテキパキ指示を出していて。(姉の私は、母親をこき使うもんじゃない!と睨みをきかせる)外に出ると、満月で。とにかく、帰省してよかった。TPパパの現状も見られたし。

TPが、前から歩いてみたかったという夜の街を歩きます。

繁華街の八百屋で、インゲンが安かったので2パック買います。

さすが、繁華街。若者を中心に、たくさんの人々が繰り出していて、お祭りのように賑やか。

ジャングル公園で、ひとやすみ。

ホテルに戻って、大分の街を眺めます。

明日も早起きなので、眠らなければいけないのに、まだまだ夜更かししたいような気分。光石研がテレビに出ています。私は「とっておきの青春」というドラマの光石研が大好きすぎてずっと応援していますが、もう30年近く前にTPがたまたま出会った光石研さんに「僕の知り合いがファンで」と声をかけてくれたところ「今に見てろよ」と伝えてくれと答えてくれたそう。今に見て、うれしいです。大分の夜です。