賢治と啄木、啄木と賢治

一泊8000円台の宿でも、朝ごはんが付いています。ありがてー

早起きして、駅前からバスに乗って、今日は盛岡駅へ。そしてそのまま盛岡に泊まるそう。ワクワク。

「いぐか?」「いぐ」岩手県に来ると、なまっていない方が恥ずかしい感じ。盛岡にいごうじぇ!

なかなか車の数も多い。高速バスは途中の道の駅でトイレ休憩がありましたが、何とわずか3分!

時間通りに盛岡駅前に到着し、TP予定表の始まりです。まずは「光原社」へ。賢治の書籍を出版した会社だそうです。こないだ読んだ小説「銀河鉄道の父」でも、賢治が出版するくだりが面白おかしく描かれていました。もう一度読みたい、読み返したい。

北上川を渡って、材木町へ。

賢治に挨拶をして、光原社へ向かうと、

ちょうどオープン前でした。

いい場所。喫茶店が有名とのこと、民芸品を中心とした店内、アイスコーヒーを2つ注文します。ふと見ると、立派な蜘蛛の絵の色紙が飾ってあり、山下清と書いてあるため、写真を撮ろうと色紙に席の近いTPにカメラを渡して撮ってもらおうとしたところ「すみません、すみません」「すみませーん」と店員さんが、店内の撮影は禁止と✕マークのジェスチャー。こちらこそすみません。

この雰囲気にあこがれて、ひとりで来店している女性たちもいましたが、テーブル席に案内されて、後から入ってくるひとが「今、満席で」と断られているのを見て、「相席でも」とか「カウンターでいいです」と腰を浮かせて店員さんに伝えていらっしゃったものの「大丈夫です」と断られて、かえって気まずそう。わかるわー、でもこういう雰囲気の時こそ大胆にふんぞり返ってコーヒーを楽しみたいもの。

材木町を後にして、大通りを歩きます。啄木新婚の家

啄木がわずか三週間ほど暮らしただけの家だけれど、この建物自体が貴重らしく、屋根の修理中です(職人さんたち、カッケー!!)。

あ、梅が落ちている。

高校時代の、国語の先生の「いしかわたくぼく」とこもった声が蘇ります。彼女は「たやまかたい」「れもん」「さとうはるお」「こうだろはん」「あんやこうろ」「くにきだどっぽ」と、飴玉を口に含んだような声で授業をしていました。とにかく作家の関係性を時代を追って授業していたようですが、あまり雑談はありませんでした。

また大通りを歩いて「石割桜」の看板を見て、立ち寄ります。本当〜に、石を割って育っている桜。

櫻山神社の看板を見て、立ち寄ります。巨石!

中津川を渡り、

赤レンガ(辰野金吾(たつのきんご)とコンビを組んだ岩手出身の葛西萬司(かさいまんじ)が設計を担当、とありますが、その金吾の小説を読んでいます。「銀河鉄道の父」と同じ作者!)

歩いて、ござ九へ。

ワクワクが止まらねー、金物屋さん。TPがどうしても食べたいというわんこそば、直接お店に行って1時間半後の予約を取ります。TPはここ数十日、わんこそばわんこそば言っていました。実際にネット予約や直接電話して予約しようとしたけれど団体さんでいっぱいとか、スマホがないと予約できないとか言われて、どこも予約できなかったようなのです。可哀想なTP、最後は盛岡駅地下のチェーン店でわんこそばを食べると言っていたものの、私は何としても本店で食べさせたかった。

猛暑と、空腹をこらえつつ、「ふかくさ」へ。川沿いを歩いているときに見つけて、立ち寄ってみます。

山下清の絵を、写真に撮れなかったのがちょっと悔しかったので、絵に描いてみます。

「ふかくさ」の前には川。

降りてみると、モンシロチョウ。

「ござ九」で買った三角コーナー(150円)、昭和の年代物でしょう、何に使おうかな、小物入れにしようかなと眺めます。

まだ、わんこそばまで時間があるので、雑貨屋さんへ行きます。「ここだけのごあいさつ」を買ってみます。

いざ、わんこそばへ!

お椀を積み上げるコースだと3900円、お椀は下げられるけれど自分でマッチ棒で数えるコースだと3300円。3300円一択でしょう?と始めてみたものの、やっぱりわんこそばを数えるのは大変、途中でよくわからなくなってきます。私は、女性平均とされる40杯を超えて、55杯でギブアップ。TPは、めざせ100杯とがんばっていたものの100杯を軽く超えて、どんどん食べ進めます。130、140。だんだん怖くなってきます。後ろの席のガタイの良い若者が「160杯」でギブアップした声を耳にして、さらに食べ進めて150、160。だんだん、自分の夫とは思えなくなってきます。170、180。ようやくお椀の蓋を閉じるTP。店を出ても「どうせなら200行きたかった」と言うので、ドン引き。

「啄木・賢治 青春館」へ。

くるみの文鎮(南部鉄)と、文庫本を買ってみます。店員さんのかわいいこと!文鎮について質問すると、一所懸命に答えてくれます。「花巻出身の作家さんで」「明日、花巻に行くんですけど、どうしましょう」「どうしましょうかね」でも店員さんがとても素敵だったので、この店で買うことにします。

さあ、今日のホテルにチェックインしましょう。私は、あまりの暑さにダウンして、先にロビーへ。TPは、岩手名物の福田パンを買いに行くと言って、ひとりで出かけて、定休日だったと撃沈して帰って来ます。大笑い。

今日のお宿は〜

「ドーミーイン!」まさか今日がドーミーだったとは。早速、汗みどろの洋服や下着を無料の洗濯機で洗濯して、20分100円の乾燥機にかけて、さっぱりします。大浴場にも入って。私は昼間の蕎麦で腹いっぱい、TPも珍しく晩ごはんを食べずに、ドーミー名物、夜食の夜鳴きそばだけでいいと言います。(やっぱり180杯もわんこそば食べたからかな。怖かったな、どんどん食べて、お腹が破裂して死ぬかな?と思ったな)TPは風呂から戻って「びっくり、3.5キロ体重が増えとった」と言います。でしょうね、と思います。どちらにしても、今日は早めにチェックインしたし、ゆっくりと、読書を楽しみましょう。ミシマ社のミシマさんの本を、一気に読みます。いいな、旅行はいいな。旅行はいいな!