盛りだくさん

6時30分に、宿を出発。今日の予定。

7:53七日町駅-8:30湯野上温泉駅 9:00バスで大内宿。

朝ごはんは、唯一開いている吉野家で朝食セットを食べます。

今回もTPの調べてくれた旅程が頼りです。

会津若松駅のお隣り、七日町駅まで歩きます。途中の神社で旅の無事を祈ります。

本当なら、街歩きの観光地。鶴ヶ城と、白虎隊の記念館は前に行ったことがあるので今回は通り過ぎるだけです。

こじんまりとした駅。

おおらかな落とし物コーナー。

今朝は、霧がかかっています。会津若松っていつもこんな感じなのでしょうか?

湯野上温泉駅に到着します。お野菜が安くて、買おうかどうしようか迷って、買わずに我慢します。まだ旅の初日だ。

起き上がり小法師が山積みです。

大内宿行きのバスは30分後。足湯に浸かっていると、鉄道写真家という男性から声をかけられます。9時の電車が来たら、紅葉を背景に足湯しているところを撮影させてもらえないだろうかとのこと。残念ながらバスの時間と重なるため辞退したところ、紅葉だけでも撮影してくださることに。さすが写真家さん、私とTPが足湯をしている引きの画面で、まるで「そうだ、京都行こう」みたいに写してくださいます。こちらからメールをしたら写真を送ってくださるそう。楽しみ!

駅の売店でコーヒーを買うと、くるみ羊羹をつけてくれます。

バスで山道を15分。降りる時に前の座席に帽子を見つけて「どなたか帽子お忘れですよ」と声をかけると忘れ主が現れます。いかにも帽子を忘れそうな方。それにしても、一歩降り立った瞬間、ここが大内宿かっ!何て風情のある場所なんだろう。菊が見事です。

大人気という「三澤屋」というネギそば屋さんへ。本日は三連休初日、混雑が予想されるので今予約するしかないとのこと、10:15の予約を取ります。その時間まで1時間ほど、大内宿を歩き回ります。

何だか、とってもいいところ。

天国みたいだ。

おや?あんな高いところに人が?

山の斜面にある石段を上がってみると、絶景とはこのこと。

山の中腹に、すてきなお社があります。お参りします。

何だ?マメコバチって!?

わらの中で育つ蜂?

「日本奥地紀行」という本があるそう。読んでみたい!

江戸時代の町並みの中、ものすごく可愛い女性がいました。

写真も「撮っていいよ」とのこと。その佇まい、憧れるー!手作りの甘酒を買います。軒先で商売してみたい。パン箱に味噌を並べてみたい。新米も買いたいけれど荷物になるので我慢します。

昔からよく土産物屋にある発泡スチロールの刀を見つけると必ず「隙あり!」とTPの頭をポコンと打つことにしています。今回も「隙あり!」「痛てっ!」

豆ごはんの素を買おうかな、と裏返してみたりします。

あっという間に10:15。ネギそばを食べに行きます。他のテーブルで、誰もが天ぷらを頼んでいるので、真似して注文します。その天ぷらのおいしいこと!人参、カボチャ、青菜をムシャムシャ食べて、最後に残った丸いものは饅頭!

ネギで食べるなんて変なの。がんばってネギも残り7センチくらいまで食べましたが、あまりにも辛いので最後は残します。

見事な菊。運んでいらっしゃる女性が「今年は特に、丸くできました」と教えてくださいます。

店を出て、戻りのバスを待ちます。連休で、大渋滞。朝イチに来て本当に良かった。

湯野上温泉駅で、撮り鉄の方が一般の乗客に「すみません、電車に乗られますか?それとも電車を撮影されますか?撮影されるんだったらもう少し後ろに。頭が写ってしまう」などと言っているので、言われた方が憮然として「どうして俺だけ?他のひとたちも写るでしょうが」と言い返しています。すると、やってきた電車から、中国からの団体客がドーッと降りてきて、あっという間にホームがぎゅうぎゅうの満員になったので、イヒヒと思います。私は、ひとが写っている写真の方が好き。

ネギそば屋が思ったよりも1時間早く食べてしまったものだから、TP予定も1時間前倒しになります。11:36発、会津若松駅まで。

誰もが紅葉に目を奪われています。

巨大な観音様が現れてドキッとします。

12:58猪苗代駅到着。TPが最初「ちょっと歩くけど」と片道4キロの野口英世記念館へ徒歩で行こうと提案、いいよと答えたものの、たまたま立ち寄ったインフォメーションで、レンタサイクル。16時までにご返却ください、とのこと。1台500円。

スイスイーッ。やっぱり自転車はいいな。漕いでも漕いでもなかなかたどり着きません。歩いて行っていたらと思うと、ゾゾーッ。

ようやく施設に到着して、まずは裏手の「感染症ミュージアム」へ。

私はこれまで感染症のことをあまり真剣に考えたことがありませんでした。これほどまでに人類に影響がある病なのかと愕然とします。

当たり前だけれど、スペイン風邪も、HIVも、エボラもコロナも鳥インフルエンザも、なんでもかんでも感染症なんですね。

「過密な家畜の飼育」にドキッとします。もう玉子が高いとか言いたくない。

「ゆべし」なるものを食べたくて土産物屋で買って、すぐ食べます。食べ終えた空き箱を捨ててもらおうと、もう一度土産物屋に戻ると、バーコードを当てられそうになって「ゴミです!」と慌てます。

続いて、野口英世記念館。生家が残されていて、中に入って見物します。

こじんまりとした記念館だけれど、来館者の誰もが笑顔で、のどかです。きっと三連休の初日だからでしょう。

英世さん。。。相当な努力を積んだのですね。頭が上がりません。

絵まで描いていらしたのですね。素朴ないい絵ですね。

裏手のお土産屋は、廃業でしょうか、夜逃げでしょうか?

猪苗代駅」なので「猪苗代湖」なるものを見たい、近づきたい。それなのに、遠くから気配は見えても湖の近くに行く道が無い。

あぜ道、砂利道を何とか抜けて、ようやくサイクリングロードへ。それでも猪苗代湖は遠くにかすかに見えるだけです。

そろそろ日が暮れて来たので、急いで駅に戻りましょう。私が目安にしていた神社を通り過ぎて、一軒家を左に曲がろうとしたところ、TPははるか先を、どんどん進んで行ってしまっています。「TPー!TPー!」とあらん限りの声で叫んでみても、行き交う車の音にかき消されて、届くはずもありません。TPは、来る時には渡らなかったはずの橋まで渡って、ついに見えなくなってしまいます。「ばか」と思いながら、ゆるゆると追いかけると、ようやく1キロ先の信号で、ニコニコと私を待っています。「曲がり角、過ぎたよ」と能面の顔で言って、またあぜ道、砂利道を通って何とか自転車を返却。

つぶれたスキー用品屋さん。「何か、はしゃいどったっちゃろうね。行きがけに曲がり角とか全然見てなかった」わかる。自転車に乗るとはしゃいでしまうよね!

15:58、JRで郡山駅へ。

16:35、郡山から福島駅へ。イトーヨーカドーで「赤ペン」と「あおさ」「ビール」を買います。私のバカバカ!どうしてプロッキーを忘れて来たのだろう。持参の手帳に「旅行に赤ペンは必須」と書きつけます。

赤ペンが無いと、地図に◯したり、コンパス時刻表に線を引いたりできないので。

「今日の宿は」ジャンッみたいな感じで、本日の宿泊先がアパホテルだと知ります。「でも、お高いんじゃないの?」と尋ねると「実は、三連休でほとんど宿が無かった」とのこと。でも門の誕生日旅行やし、だそう。実は実は、密かに心の中に影を落としている件、ちらっとパソコンを開いたら、私と他の部署のある作業が、今月から登録方法が変わって、税率が違うとの連絡が来ていたのです。そもそも聞いていないことだったのですが、それを元上司が修正してくれていると知ったのです。申し訳ないだけでなく、実は実は実は、私もあとひとつ締め切りのある仕事を抱えているのです。

だから、今日の夜はパソコン開いて仕事したい。

それなのに?と言うより、当たり前に旅行中だから、TPは「グルメの旅」として福島名物円盤餃子なるものを食べようと張り切っています。

一軒目、残念、売り切れで営業終了。

二軒目、閉店したらしい。三軒目、終業。四軒目、定休日。五軒目、定休日。六軒目、終了。七軒目、満席で数十分待ち。

ほとほとくたびれて、ひとまず目に入ったお店へ。店員さんたちは、まるで中学生?ほぼ子どもです。「もつが自慢なので、もつ焼きをおひとり一人前、注文をお願いしている」とのこと。

いか人参、480円。

円盤餃子1661円。

もつ焼き二人前1700円くらい。生ビール2つ1100円。おいしいね、と食べている途中でTPが「・・・ゼニゲバの匂いがする」と言い出します。何よ!せっかく楽しんでいるのにと思ったものの、お会計でびっくり。どう考えても5000円程度の注文なのに、7000円弱の請求、レシートをくれと言っても合計金額だけ。まさか最初に「(小さい声で)お通しです」と出された、小さいたくあん(壺漬け?黄色いやつ)が、ものすごく高いのか!

確かに味はおいしいはおいしいけれど、入って40分ほどで「ラストオーダーです」と言われたっけ。回転数を上げたかったのかな。とぼとぼと宿まで歩いてもどります。動じにTPの勘はするどいなと感心します。

 

アパに戻って、TPは移動疲れで、ぐうぐう眠ってしまいました。私は、思い切って仕事を始めます。神元上司、ふたつの部署の修正作業を終えたと連絡をくれています。心からお礼のチャットを返信します。そして同時頃、私も仕事を終えます。もう夜の10時。ほっ、これで、本当に三連休を楽しめます。神元上司は「今月は特に大変でしたね、また一緒にがんばりましょう」と返事をくれます。

アパホテルの大浴場に入って、さっぱりとして、福島駅の線路沿いを散歩します。せっかくTPが円盤餃子を検索してくれてふたりで楽しもうとしていたのに、私は仕事のことで頭がいっぱいだった、TPも「予定を変更してもいいけん、仕事を優先しぃ」と言ってくれたものの、せっかくの誕生日旅行なのにと心はどんよりしていました。それが今、ようやく仕事を終えて、気分さっぱり。責任感がどうのじゃない、私の心の持ちようで、いかようにでも対応出来たかも知れない、そう軽く反省したふりをしてみました。とはいえ、まだまだ初日!盛りだくさんのいい旅行やね、計画してくれてありがとう!とお礼を言いました。夜、友人や弟からお誕生日おめでとうのメールが届いていました。一日遅れで返信します。ありがたいことです。