熊野古道歩き

朝、5時過ぎにTPが起こしてくれます。朝ごはんは昨日、コンビニで買っておいたおむすび。TPは何やら肉の乗ったあんかけ丼を廊下にあるレンジで温めて食べています。

チェックアウトして、すぐ目の前の紀伊田辺駅のバス停へ。

眠たい!

今日は、いよいよ熊野古道へ行きます。終点まで2時間30分。熊野古道らしき山道に入ると、乗っていたひとが降りたり、民宿に泊まっていたひとが乗ってきたり、運転手さんは大忙しです。まず、絶対に整理券を取ってほしいことを、日本語と英語で一所懸命に伝えています。ふと見ると、回数券の案内が。熊野古道と並走するように走るバスは、乗車料金が目が飛び出るほど高いのです。試しに、行きと帰りの乗車料金を計算して、買ってみます。例えば6000円の料金が、5000円で買えるだなんて、お得だ!

運転手さんはとても働き者です。「ハリーアップ!」「ナンバーチケット!」「サンキュー」「ウェイトアミニット!」山道をくねくね、海外からの団体客が乗っては降り、乗っては降り。熊野古道のどこを歩くのかは、自分たちで決めるらしい。

TPがあれこれ調べてくれ、私たちは終点で降ります。

この神社でお参りして、この世とあの世の境を超えましょう。

それにしても、熊野古道沿いで暮らして、熊野古道の土地を耕して野菜を作るというのは、どういう心持ちなんでしょう、憧れます。

途中の、休憩所で手作りしそジュースと、コーヒーをいただきます。

このあたりでもお茶を育てているそう。無農薬だから大人気とのこと。

歩いて歩いて。木の根っこが、階段のようになっています。

シダ植物?ここまで2時間ほど歩いてきて、残り30分くらいでしょうか?TPとずーっとお喋りしていたけれど、あまりにも歩きやすい道で熊野古道をまだ身体に吸収していないと思えて「ここからは、無言の行で行こう」と提案、TPは「何で?あ、熊野古道を感じたいんやろう?」とのこと、二人して無言でじっくりと歩きます。

巨石。

「ちょっと寄り道」と書かれてある看板が出てきます。無言の行の途中だから、TPは身振り手振りで「(寄ってく?)」のジェスチャー、私も「(行こう)」のジェスチャー。徒歩5分ほどで開けた高台、ゴールにしている大鳥居が見えます。思わず「わーっ、きれいやねー」と言うとTPは「(喋ったな?無言の行なのに)」のジェスチャー。こういう時は喋ったっていいんだよのジェスチャーを返して、再び寄り道から本道に戻ります。

ゴール。7キロ以上歩いたでしょうか?本当でしょうか?

ランチを食べます。

観光協会でバスを待ちます。

バスが来たので、乗ります。

行きに使った回数券を提示したところ、バス会社が違うとのこと。ひっ。それでも行き2時間40分、帰りは2時間弱です、運転手さんが席まで来てくれて「会社に電話しました、一旦その回数券を預かります。後でうちの経理が先方に請求書出します」と神対応

何だか、すみません。田辺駅で、TPが行きたいという神社へ。鬪雞神社(とうけいじんじゃ)。徒歩10分くらいで往復して、今日の宿、和歌山駅に向かいます。

「続・窓際のトットちゃん」さすがの黒柳徹子の相変わらずの文章の上手さ。

JR和歌山駅で降りて、駅前を散歩しながら本日の宿を探します。

何だか、古い。

チェックインして、廊下の写真をパシャっと撮る瞬間に、おばけみたいなものが見えてギャッと叫びます。

忘れよう、忘れよう、和室。

窓を開けて、和歌山駅近くの街の眺め。

荷物を置いて、街に出ます。

TPが調べておいてくれた、和歌山ラーメン発祥のお店?井出商店へ。

おいしいったらない、清潔で、人気があって、完璧です。

あー、完璧なラーメンを食べた。

スーパーマーケットに立ち寄ります。(いつも買う、もっちりおいしい絹厚揚げが、細いタイプになって売られています!関西と関東のサイズの違い?)

あー、鹿児島の麦味噌、買って帰りたいけれど荷物になるからと諦めます。

ホテルに戻って、ブラタモリを観ます。TPは大浴場に行っています。平和。おばけなんてないさ、おばけなんてうそさ、ねぼけたひとが、みまちがえたのさ!和室に寝転がって、テレビなんか観て、ビールなんか飲んでいたらこの世の幸せみたいな気持ちになります。同時に、支払い漏れが脳みその前の方に、湿気った海苔のようにペッタリと張り付いて剥がれないでいます。